ライターの永野です!
以前にも触れた記憶がありますが、我が家の長男は自転車に乗れません!次男も練習していないので、恐らくまだ乗れないでしょう。練習をしなければとは思うのですが、なかなか重い腰が上がらず2年ほど経過しました(笑)。
しかし、こうして防災や防犯といったテーマでいろいろな記事を執筆していると、元来の心配性に拍車がかかってしまい…。自転車も乗れたほうがよいのはわかっているのですが「乗れるようになると自転車で飛び回るのでは」と思うと「まぁ乗れなくてもダイジョブ~」と開き直っている自分もいます。
自転車事故は、巻き込まれるだけでなく子ども自身が引き起こす可能性もゼロではありません。事故が起きやすい状況、万一事故を起こしてしまった場合の対処法などは、保護者にぜひ知っておいてほしいところです。
今回は、子どもの自転車事故に関するさまざまな情報をお届けします。
子どもの自転車事故は年齢が高くなるほど増える
小中学生の自転車乗車時の事故は、年齢が高くなるほど増加傾向にあります。まずは、自転車事故の数について、データをもとにみていきましょう。
小学校低学年は「歩行中」の事故が多い
以下は、警視庁が発表した平成30年から令和4年の小学生の歩行中の交通事故に関するデータです。
歩行中の事故は小学校1、2年生が多く、学年が上がるにつれて減少しています。保育園・幼稚園とは違い徒歩による登下校の子どもが増える1年生、学校生活にも慣れてきて気のゆるみがちな2年生は、特に歩行時の事故に注意が必要です。
3年生から自転車事故が増える
以下は、警視庁が平成29年に発表した「子供等の交通事故について」から引用したデータです。
前述の通り、小学校1、2年生は歩行中の事故での死傷者数が最も多くなっています。しかし、3年生になると自転車での事故との数字が逆転。学年が上がれば上がるほど、自転車事故による死傷者数割合は高くなります。
数字だけを見てみると、小学校3、4年生をピークに6年生になるにつれて死傷者数は減少していますが、子どもだけで自転車に乗って出かける機会が増えるようになった頃は要注意だといえるでしょう。
中学生も自転車事故に注意!
前述の表を見るてみると、中学校に上がると自転車乗車時の事故による死傷者数が小学生よりも多いことがわかります。中学生になるとさらに行動範囲が広がること、部活や習い事などで自転車利用頻度が上がること、夜に自転車に乗る機会が増えることなどが原因ではないでしょうか。
学年が上がるにつれて死傷者数は減っていますが、小学生と比べると全体的に多いので、保護者は子どもの年齢が上がっても、、自転車事故の可能性を考慮する必要があります。
参考:警視庁|子供等の交通事故について
警視庁|交通安全のための情報
子どもの自転車事故が発生しやすい場所やシーン
子どもの自転車事故は、発生しやすい場所やシーンがあります。事故が多く起こるパターンは、大きく3つです。
最も注意したいのは「出会い頭」
警視庁の「小学生の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)」によると、小学生の自転車乗車時の事故発生件数が最も多いのは、「出会い頭」です。
異なる方向から来た自動車などに衝突する「出会い頭」は、左右の確認がふじゅうぶんだったり、相手が停まってくれるという判断によって起こります。令和5年上半期は自転車事故の4割以上を占めているので、最も注意したい状況だといえるでしょう。
スピードの出し過ぎは非常に危険
自転車は徒歩よりも速く移動できる便利な乗り物ですが、スピードを出しすぎるのは危険です。ブレーキが遅れれば道路に飛び出す可能性がありますし、スピードが出た状態で自動車や自転車、人にぶつかるとその衝撃は非常に大きくなります。
その他、事故が発生しやすいのは
歩行者は右側通行ですが、自転車は自動車と同じ左側通行です。自転車で右側通行すると、自動車のドライバーの目の前に突然飛び出すような状況になり、出会い頭事故が起こりやすくなります。私の芸術的な絵で説明しましょう。
左側通行をしていれば、自動車のドライバーは自転車がくるのを視認できます。しかし自転車が右側通行してしまうと、衝突のリスクが高まる、というわけです。
このほか、車輪に傘やマフラー、紐などを巻き込んで転倒してけがをする、整備不良でブレーキワイヤーが切れたりパンクしたりして起こる事故もあります。自転車乗車前にはしっかりと点検し、安全な服装を心がけることも大切です。
参考:警視庁|小学生の交通人身事故発生状況(令和5年上半期)
SECOM|子どもの安全ブログ
被害だけでなく加害の可能性も!子どもが自転車事故を起こしたら…
自転車事故というと、自動車と衝突して怪我を負わされる「被害」の印象が強いですが、自転車走行中に誰かに怪我を負わせてしまう可能性もゼロではありません。子どもが自転車走行中に事故を起こしてしまった場合、どういった行動を取ればよいのでしょうか。
事故を起こしてしまった場合の行動
自転車走行中に歩行者にぶつかる、停まっている自動車や自転車に突っ込むなどのトラブルを起こしてしまった場合は、次のように行動します。
①自転車を安全な場所へ移動する
②けが人がいないか確認し、いる場合は119番へ通報する
③110番通報して、警察を呼ぶ
④保護者に連絡する(自分でできない場合は警察にしてもらう)
⑤事故の状況を記録する
相手に連絡先を教えてその場をやり過ごしてしまうと、クレームの連絡が何度も来たり、法外な金額を賠償金として請求されたりと、のちのち別のトラブルが発生する可能性があります。けが人がいる場合は救護を最優先し、日が経っても事故の状況を思い出せるように状況記録も忘れずに行いましょう。
警察への届け出は必須?
軽い事故の場合、警察に届け出ず示談で終わらせようとする被害者もいます。警察に届け出をすると時間もかかってしまいますが、届け出は義務で、対人・対物、事故の度合いなどに限らず届け出をしなければなりません。届け出なかった場合、3カ月以下の懲役または5年以下の罰金が課せられる可能性があることも、子どもに忘れず伝えてください。
また、警察があいだに入ることは、トラブルの減少にも役立ちます。個人的に連絡を交換するだけで留めるのは、相手によっては危険です。自分を守るためにも、届け出は怠らないようにしましょう。
賠償費用は保険会社にも相談を
事故を起こしてしまったら、まずは子どもが加入する保険会社に相談しましょう。自転車事故には自転車保険のほか、学校の団体保険(総合補償制度)、火災保険、自動車保険などが適用される場合があります。また、クレジットカードの付帯サービス、TSマークの付帯賠償責任補償の対象になる可能性もあるので、確認してください。
自転車に乗る頻度が高い子どもは、自転車保険に加入するのがおすすめです。保険会社や補償内容によって保険金額は異なりますが、相場は年間2,000~5,000円前後となっています。
保険会社によっては、示談交渉サービスが補償内容に含まれる場合もあります。事故の相手との示談交渉を保険会社が代行してくれるもので、利用すれば保護者の精神的な負担ややり取りにかかる時間の大幅な削減が可能です。
示談交渉サービスがない場合は、保護者が交渉をしなければなりませんが、保険会社が示談交渉の方法などのアドバイスをしてくれる場合があるので、相談してみるのもよいかもしれません。
参考:子どもが自転車事故を起こしたら?加害事故に対応できる保険と合わせて解説
au損保|自転車事故の現実
子どもの自転車事故を防ぐための注意点
子どもが自転車乗車中に被害者にも加害者にもならないようにするためには、ルールを守った走行が求められます。最後に、自転車事故防止のために注意したいポイントを解説します。
ヘルメットをかぶる
年齢にかかわらず、自転車乗車時には必ずヘルメットをかぶりましょう。道路交通法改正により、令和5年4月1日からヘルメットの着用は「努力義務」となっています。「努力義務」は着用しなくても罰則があるわけではありませんが、ヘルメットは自転車事故の死亡リスク軽減のための重要なアイテムです。
正しい選び方、被り方も把握し、使いたいと思えるデザインのものを選びましょう。
左側通行を徹底する
前述の通り、自転車で右側通行すると出会い頭事故が起こりやすくなります。左側通行を徹底するだけでも、事故のリスクは軽減できますが、加えて交差点での左右確認を徹底することなど、交通ルールもいま一度親子で確認すると安心です。
16時以降はライトをつける
中学生、高校生になると夕方以降(16~18時台)の事故が多くなります。暗くなってきたらライトを点灯し、周囲に自転車の存在を知らせることも重要です。
冬場は日が短いので、16時を過ぎたら多少明るくてもライトをつけるとよいでしょう。夏場は18時頃でもまだ明るいですが、薄暗くなってきたらライトをつけての走行がおすすめです。
安全な走行のためのルールを守る
スピードの出しすぎだけでなく、傘やスマホを持っての片手運転、イヤホンで大音量の音楽を聴きながらの運転など危険な走行は避け、ルールを守って安全走行を心がけましょう。
信号無視や歩道の通行方法違反、遮断踏切立ち入り、指定場所一時不停止などは、危険行為とみなされます。また、ブレーキ不良の自転車を運転するのも危険行為に該当するので、ルールの徹底に加え、定期的な自転車の点検も忘れないようにしてください。
参考:警視庁|自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~
子どもの自転車事故は安全運転で防ごう
子どもの自転車事故は、小学校3年生くらいから中学生、高校生になっても多く見られます。安全運転はもちろん、安全性を確保した自転車に乗ることも、事故防止には欠かせません。
自転車事故は、被害に遭うだけでなく子どもが加害者になる可能性もあるので、万一のときの行動を親子で確認することも重要です。乗車頻度によっては自転車保険への加入も検討し、さまざまな状況に備えましょう。
編集後記
自転車は一度コツをつかむと体が覚えているようで、大学時代は小学校5年生で没収されて以来7年ぶりに乗っても特に運転できない!ということはありませんでした。その後、長男妊娠を機にまた自転車にまったく乗らなくなってしまいましたが、恐らく久しぶりに乗ってみてといわれれば、問題なく乗れるだろうと思っています。
しかし、車社会の田舎で、免許と自家用車のある大人が自転車に乗る機会はほぼありません。子どもに補助輪なしの自転車を買いたくない理由は、危険性のほかに「どうせ乗らんだろう」と思っているからで、そこそこ高額な買い物にもかかわらず「元がとれないのではないか」と考えてしまう貧乏性のせいでもあります。
聞いた話によると、小学校6年生で自転車の講習があるとかないとか…。私の時代は実施していたのであってもおかしくはないですが、それまでにやっぱり自転車に乗れるようになったほうがいいよなぁ、でも自転車、本当に買うの?と葛藤する日々です。