小学生の交通事故は多い!発生状況や傾向、事故防止のために保護者・運転者ができること

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ライターの永野です!

うちの息子(特に長男)は、私と同じで友達が少ない気がします。現状、友達が少なくても、過去に友達が大勢いなくても特に苦労や悲しい思いをしたという記憶はありませんが、我が子が放課後や休日に誰とも遊んでいないのを見ると、「大丈夫かな」と不安にならなくもありません。

夏休みも、個人的にお友達と約束した日は1日もなく、ママ友の子どもと遊んだり、次男と遊んだりと、私の目が届く場所でしか遊んでいない長男。しかし今後成長すると、子どもだけでお友達の家に遊びに行く機会も増えるのかなぁと思うと、「子どもだけで外を歩く」ことへの心配もあります。

というわけで、本日のキーワードは「小学生の交通事故」。発生状況や傾向などの事実をお伝えし、保護者の方がどういった行動で我が子の安全を守れるのかを、同じ小学生の子を持つ親目線で解説していきます!

目次

近年の小学生の交通事故発生状況

まずは、小学生の交通事故の発生状況を見てみましょう。小学生の交通事故は、発生しやすい時期や時間帯などがあるようです。

事故発生件数と特徴

警察庁の調査によると、2018年から2022年のあいだに起こった交通事故のうち、歩行中の小学生の死者・重傷者は2,185人でした。小学生が歩行中に起こる交通事故には、以下のような特徴があります。

・過去5年間の事故のうち、歩行中の事故はおよそ6割と最も多い
・学年が低いほど歩行中の事故が多い傾向にある
・学年が上がると、自転車による事故が多くなる
・歩行中の事故による死者・重傷者のうち約4割は飛び出しによるもの

小学校に上がったばかりの1年生から低学年のうちは、徒歩での事故が多く見られます。また、事故の原因の多くは飛び出しによるもので、周囲を見ていなかった、交差点での確認が不十分だったなど、歩行者側にも過失が見られるものもあるようです。

交通事故は「夕方」に発生しやすい

警察庁の発表によると、令和4年に起こった小学生の歩行中・自転車乗用中の事故が最も多いのは、夕方です。

上のグラフからもわかるように、14時~17時のあいだに事故が多く起こっています。これは小学生が下校し、自転車や徒歩で習い事や遊びに行ったり、外出先から帰宅したりする時間帯です。

「早く帰りたい」「早く友達の家に行きたい」「習い事に遅刻してしまう」「暗くならないうちに帰ろう」など、理由はさまざまでしょうが、こうした焦りが思わぬ事故の原因になっているのではと考えさせられる結果です。

事故が発生しやすい時期は「5月」

以下は2019年の警察庁交通局のデータですが、歩行中の小学生が最も交通事故に遭うのは5月だといわれています。

4月よりも5月が多いのはやや納得で、筆者の地域では入学して数日は先生が地域のグループごとに引率して下校してくださり、その後もグループで下校するのですが、途中まで迎えに行く保護者の方も何人かいらっしゃいます。

1カ月も経つと子どもたちも慣れてくるので、保護者も安心して迎えに行く方が減ったり、迎えに行く場所が学校から離れた場所になったり…。子どもたちも4月のような緊張感がなくなり、友達とのおしゃべりに夢中になることもあるので、事故が増えるのではないかと予想されます。

8月は夏休みで登下校がないので、事故数が減りますが、10月頃も事故が起こりやすいようです。この頃は、日が短くなってきて夕方の時間帯も見通しが悪くなるのが原因なのではないかと分析します。

学年別の小学生交通事故の傾向

続いて、学年別の交通事故の傾向について見ていきましょう。警察庁は、小学生の歩行中の交通事故について、学年別でも死者や重傷者数を発表しています。

グラフを見れば一目瞭然ですが、細かく状況を解説します。

1年生の事故数は6年生のおよそ3.2倍

保育園・幼稚園の頃は保護者と一緒に行動するのが基本ですが、小学校に入ると子どもだけでの登下校にいきなりシフトします。子どもだけで出かける機会が増えるため、小学校1年生の事故数は多い傾向ですが、その数は小学生のなかで最も少ない6年生のおよそ3.2倍です。

小学校に入ると「自分のことは自分で」「自分の行動に責任を持って」といったことも重視されますが、入学してしばらくは安全に外を歩けるような見守りや指導が必要なことがわかるのではないでしょうか。

2・3年生も事故数は多い

「魔の7歳」とも呼ばれ、事故数が多い1年生。しかしグラフを見ると、過去5年は2年生のほうが事故数がやや多く、3年生になっても400件以上の交通事故が起こっていることがわかります。

何事も、慣れてきた頃が危険です。後輩が入ってきてうれしい2年生、厳密にいうと「中学年」になり、脱低学年で行動範囲を広げたい年頃の3年生も、まだまだ気を抜いてはいけません。

年齢が上がるにつれ落ち着いてくる!しかし…

グラフからも読み取れるように、4年生以上になると事故数は各段に減っていきます。中学生になると、徒歩での事故数はさらに減りますがもちろんゼロではありません。保護者と離れて行動する時間も増えますので、交通ルールを守った行動を取るよう引き続き指導していくとよいのではないでしょうか。

徒歩による事故は減少傾向ですが、反対に自転車による事故は年齢が上がると増えていきます。1つ心配が消えるとまた新たな心配が顔を出しますが、徒歩・自転車、どちらも注意するよう呼びかけることが重要です。

性別による違いもゼロではない

2015年にITARDA INFOMATIONが発表した交通分析レポートによると、7歳の交通事故死傷者数は、男児が女児のおよそ2倍です。登下校はもちろん、買い物やドライブ、散歩などさまざまな項目に分けて見ても、女児の倍、もしくはそれ以上の死傷者数となっています。

男児は女児よりも外で遊ぶ機会が多いというのも理由の1つでしょうが、登下校などは機会が同じにも関わらず2倍です。男児2名を持つ親としては、理由を明確に説明できないものの女児よりも事故率が高いのは納得ですので、私を含め男児の保護者の方は、交通事故についてより注意したほうがよいと考えます。

小学生の交通事故防止のために保護者ができること

平成25年からの小学生の交通人身事故発生状況を見てみると、平成27年以降はほぼ横ばい。コロナで外出機会が減少した令和2年は例年より少なくなっていますが、3年、4年はまた事故件数が増えてきています。

小学生の交通事故は、決して他人事ではありません。まだまだ小さな命を守るために、私たち保護者は何ができるのでしょうか。

大人が「見本」を見せる

交通ルールについては、ただ口で言い聞かせても分からないこともあります。大人が見本となってルールを守った行動を取ることで、子どもたちも交通ルールを覚え、守ろうとするでしょう。

子どもとの外出時など、見本を見せる機会は多くあります。信号無視をしない、横断歩道があるのにない場所を渡らない、左右を確認するなど、「当たり前」のルールを今一度確認しながら、正しい指導を行ってください。

子ども視点での安全確認

大人の視野は150度といわれていますが、子どもはなんと90度ほどしかありません。視野が狭く、また身長も低い子どもが、大人と同じように安全を確認するのは困難です。

よって交通ルールや安全の確認は、子どもの視点で行うことも重要だといえます。

よく使う通学路は一度一緒に歩き、どこが危険か、どのように安全を確認するかを一緒に考えながら教えてあげると、子どもも納得できるでしょう。

安全な横断方法の指導

交通事故のなかでも特に多い、道路横断中の事故。横断歩道を渡っていても事故が起こる可能性がありますし、横断歩道のない交差点を渡る場合にはより注意が必要です。小学生の交通事故を防ぐためには、

・横断歩道や信号機が近くにある場合は、必ずそこまで行って横断する
・青信号でも必ず立ち止まって左右を確認する
・車が近くにいない、いる場合は止まっていることを確認する
・横断中も左右の確認を怠らない


といった点を意識して指導しましょう。子どもは1度教えただけでは覚えていない可能性もあります。特に入学したばかりの1年生は、学校で学ぶことも多いので、繰り返し指導するようにしてください。

運転者も安全確保に努めよう

保護者が我が子に交通安全の指導を行うことはもちろんですが、自動車を運転する方々が安全を意識した運転を心がけることも欠かせません。横断歩道での事故は、運転者の過失割合が非常に高いです。

交通事故は人の命を奪う可能性があるだけでなく、自分自身やご家族の未来にも関わってきます。スピードの出し過ぎやルールを守らない走行はやめ、周囲に思いやりをもった運転を心がけましょう。

小学生の交通事故は少なくない!命を守る安全な行動を

徒歩での小学生の交通事故は低学年に、自転車の場合は高学年に多くなります。保護者の方は日常的な指導で、子どもの安全確保に努めましょう。

最も事故が多いといわれる5月。我が家でも今一度、子どもたちに交通ルールについての話をしたいと思います。

編集後記

実家の前は緩い坂道なのですが、小学校の頃そこを自転車で降りてきた1つ年上の女の子がそのまま交差点に飛び出し、目の前で車とぶつかったことがあります。小学校3年生ぐらいだったでしょうか。

幸いどちらもあまりスピードがでておらず、自転車が車のドアに激突するという構図だったので、女の子はその弾みで自転車から軽くジャンプ。アスファルトに尻餅をついて、かすり傷程度で済みました。

しかしもし車の前に自転車が飛び出していたら、自転車のスピードがもっと出ていたらと思うと、今でも恐ろしく感じます。

魔の7歳を脱した長男、来年魔の7歳になる次男と、我が家は自転車よりも徒歩の心配がまだまだ続きそうですが、自転車に乗れるようになったときのことも考え、いまからうるさいくらいに事故の恐ろしさや正しい交通ルールを伝えていこうと、改めて心に誓った次第です。

参考サイト

小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍!新1年生を交通事故から守るには?
・内閣府「児童・生徒の交通事故防止対策について
子どもの交通事故が春先に増加する。最多の「魔の7歳」、その理由とは?
・警察庁「子供の交通人身事故発生状況
・警察庁「子供等の交通事故について

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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