ハムスターや魚が暴れると地震が起こるのは本当なのか?

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江戸時代には「大ナマズが暴れるから地震が起こる」と、みんなが本気で思っていたようです。

科学の発達していない時代のことなので「そっか、そっか」で済ませてしまいますが、現代でも同じように「ハムスターが暴れると地震が起こる」と、いわれているのをご存じですか?

科学的な根拠のような話も出ていますが、実際はどうなのでしょう?

今回は、ハムスターと魚が地震を本当に予知しているのかを検証してみます。

目次

江戸時代は「大ナマズが暴れるから地震が起こる」と信じていた

出典:国立国会図書館デジタルコレクション「鯰に御札を貼る要石」

現代にも残っている資料として、国立国会図書館デジタルコレクションが保管する「鯰に御札を貼る要石」では、このように大ナマズに要石(かなめいし)が、お札を貼って災いを納める絵図が残っています。

この絵図は、安政大地震絵の一つで他にもたくさんのなまずの絵図が残っているので、当時は本当に地震はなまずによって起きると考えられていたといってもいいでしょう。

そこで、現代ではユニークとしか思えない「大ナマズの絵図」をご紹介しましょう。

いずれも、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧することができます。

安政大地震絵 大ナマズ関連の絵図

これら以外にも、多くのナマズが絵図に残されています。

国立国会図書館デジタルコレクションの安政大地震絵は、コチラからご覧いただけます!
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1303998?tocOpened=1

現代では「ハムスターが暴れると地震が起きる」といわれている?

現代のように科学の発達していない江戸時代のことですから、「ナマズが暴れると地震が起きる」といわれても不思議ではありません。

ただ、現代でも「ハムスターが暴れると地震が起きる」と、まことしやかに噂されているのです。

地震前に起きるパルス電磁波をキャッチして暴れる!らしい

ハムスターなどの小動物は、地震前に発生するパルス電磁波をいち早くキャッチして、落着きのない行動を取るのだとか・・

東日本大震災の時にも、地震が起きる1週間前から鳥がいなくなったとかいわれていますが、後付けなのでなんとでもいえるでしょう。

家で飼っているハムスターが地震を予知すると、ゲージの中にある回し車(ハムスターが中に入ってクルクル回す道具)の回転数が異常に上がるそうで、カウンターの値が数千回以上を記録した時は、遅くとも2日後までに近隣地方で地震が起きていると公開されています。

そこで、ハムスターを飼っている方のTwitterをチェックして、実際の地震との関係性を検証してみました。

地震と関係した内容のTwitterを集めてみた

ここでは、ハムスターが暴れたあとに地震が起きたとされる報告を集めてみました。

ハムスターが地震に関係ないとされる報告を集めてみた

検証結果!ハムスターは確実に地震を予知しない

検証の結果ですが「ハムスターは確実に地震を予知しない」となりました!

今回Twitterにて「#ハムスター#地震」で検索して、50件の投稿を確認しました。

その結果、地震を予知したとされる投稿は先に紹介した4件のみで、地震を予知しなかったとみられる投稿が36件、その他地震余地とは関係ない投稿が10件でした。

ハムスターが地震を予知することは否定できませんが、この数字では確実ではないことが証明されています。

魚と地震の関係も噂されている

THE SANKEI NEWS ほぼ都市伝説「深海魚は地震の前兆」なぜ信じる
https://www.sankei.com/article/20200309-2FB32JNMIRO5BGQON4BOOKUUWQ/

ところで、冒頭の大ナマズではありませんが、近年深海魚が浅瀬で見つかり「大地震の前兆では!?」と噂されています。

特に、ダイオウイカは近海でよく見かけられて、生きたまま捕獲された例も多くあります。

また、「リュウグウノツカイ」も発見されていて、海底の変化に敏感で古来から地震や天変地異を知らせる魚といわれているので「地震が起きなければいいが・・」と、大地震を心配する声も多いのは事実です。

「深海魚の出現は地震の前触れ」との言い伝えは都市伝説!

確かに深海に住んでいる生き物が、浅い海で発見されると「何かあるのでは?」と疑いたくなりますが、正確には都市伝説であると結論が出ているのです。

東海大と静岡県立大の共同チームが、深海魚の出現と地震の関連を調べた調査結果を公表しています。

リュウグウノツカイを含め「地震の前兆」との言い伝えのある深海魚8種類をピックアップして、昭和3年から平成23年3月までの漂着、捕獲事例336件を確認した上で、その出現場所から半径100キロメートルの範囲について、30日以内にマグニチュード6.0以上の地震が起きていないか調査しました。

結果としては、深海魚の出現と地震の発生に該当したのは、平成19年7月16日の新潟県中越沖地震の1件だけなのです。

報告論文では、「深海魚の出現は地震の前触れ」とする言い伝えは迷信と結論付けています。

深海魚の発見が地震につながるのは「錯誤相関」によるもの

また、信州大地域防災減災センター長の菊池聡教授によると、次のような「錯誤相関」によって、地震の前兆と考えてしまうのだそうです。

地震が起きた後で、地震より前に珍しい深海魚の出現などの不思議な現象を探せば、いくつか見つかるもの。その現象があったから地震が起きたとは限らないが、その現象と地震が関係すると思うことが「錯誤相関」と呼ばれる

THE SANKEI NEWS ほぼ都市伝説「深海魚は地震の前兆」なぜ信じる

興味深いTwitterを発見!国土交通省 荒川下流河川事務所のツイート

ここで少し興味深いTwitterを見つけたので、ご紹介しておきますね。

ツイ主は、国土交通省 荒川下流河川事務所で、2021年10月7日22時41分ごろに発生した、千葉県北西部地震が起きる寸前の江戸川区小松川の水面の様子を撮影した動画です。

地震が起きる数秒前に、大量の魚が水面をジャンプしていて、映像ではその後に、大きな揺れが発生しているのが分かります。

地震発生前の何かを魚が感じ取って、水面を跳ねたと思われます。

まぁ、地震の数秒前なので予知としても役には立ちませんが、不思議な現象であるのは確かですね。

地震の予知が難しいからこそ、伝説が生まれるのかも!?

これだけ科学が発達して、AIにてさまざまなことが自動化されている現代でも、地震の予知はほんの数秒先でしか行うことができません。

だからこそ、不思議な現象が起きると「大地震の予兆では?」と、色んな伝説が誕生するのでしょう。

ハムスターもダイオウイカもリュウグウノツカイも、数百年後には「江戸時代の大ナマズ」同様に、笑い話になっていることでしょう。

参考サイト
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1303998?tocOpened=1
THE SANKEI NEWS ほぼ都市伝説「深海魚は地震の前兆」なぜ信じる
https://www.sankei.com/article/20200309-2FB32JNMIRO5BGQON4BOOKUUWQ/

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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