知ってた?花粉飛散情報は人力で花粉を観測していることを

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今年も花粉症に悩まされる季節に突入し、既に多くの方が鼻水や目のかゆみとの戦いを開始していることでしょう。

花粉症の歴史は古く世界では1819年に、イネ科の花粉症がはじめて診断されています。

日本でも1963年にブタクサ花粉症が、1964年にスギ花粉症が報じられていました。

こうしてみると、花粉症は古くからある病気なのが分かります。

現在では花粉飛散情報が毎日発表されていますが、AIが登場している時代に人力で花粉をカウントしていることを知っていましたか?

今回は、花粉飛散情報がどのように行われているのか紹介しましょう。

目次

北海道を除き全国的に多く飛散している

tenki.jp

本稿を執筆している2024年3月27日現在では、北海道を除いて全国で花粉の飛散量が多いことが分かります。

昨日は東京など首都圏で大雨と強風により、傘が壊れる事案が多くニュースで報道されていました。

しかし、一夜明けると関東地方~東北地方にかけて、花粉の飛散量は非常に多くなっています。

この状況から推測されるのは、昨日の大雨や強風でもなくならないほど、花粉が大量に発生しているということです。

ウェザーニュースの花粉飛散予報マップでも「とてもつらい」が多い

ウェザーニュース

これはウェザーニュースが公開している花粉飛散予報マップですが、この予報では花粉症の方の気持ちが表示されます。

先のtenki.jpの花粉飛散情報と照らし合わせると、飛散量が多い地域で「とてもつらい」方が続出しています。

飛散が少ないとされている北海道の南部では「とてもつらい」方がいるようで、全国レベルで花粉症に悩まされていることがよく分かります。

日本気象協会の花粉観測法は「ダーラム法」による人力

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日本気象協会は気象庁の外郭団体の一つで、気象情報の提供や環境、防災などの調査を行う一般財団法人です。

そんな気象のプロフェッショナルでも、花粉の観測には「ダーラム法」を採用して、目視にてスギ花粉とヒノキ花粉を見分けながら確認しているようです。

ダーラム法の観測手順は次のとおりです。(上記の写真と照らし合わせると分かりやすいです。)

  1. ワセリンを塗ったスライドガラスを24時間、外(風通しが良く、雨のかからないところ)に置く(これにより、飛散している花粉がスライドガラスに付着)
  2. 上記のスライドガラスに染色液をかけてカバーガラスをかぶせる
  3. 顕微鏡でカバーガラス内にある花粉の数を目視でカウント
  4. 数えた花粉の数をカバーガラスの面積(3.24センチ平方メートル)で割り、1センチ平方メートルあたりの1日の花粉量として発表

と、このようにとてもアナログな手法で、花粉の飛散を予測しています。

花粉観測装置は屋外に設置

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ダーラム法による花粉の観測装置はこんな感で、ステンレスの丸い板で挟まれた所に花粉を付着させるためのスライドガラスを固定しているだけのシンプルな装置。

スライドガラスに塗られたワセリンに、花粉が付着するのを待つ罠のような感じですね。

顕微鏡による目視でスギ花粉とヒノキ花粉を見分けている!

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この画像が顕微鏡で見える花粉の状態ですが、素人ではスギ花粉なのかヒノキ花粉なのか分かりません。

しかも花粉の直径は30マイクロメートル(1ミリの約30分の1)と小さく、これを見分けながらカウントするなんて、やはりプロフェッショナルでないと無理でしょう。

スギ花粉の特徴は「とんがり」なのだとか

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因みに、スギ花粉の特徴は画像のような「とんがり」だそうです。

といわれても、とんがりが上手く見えないこともあるようで、数え間違いを防ぐために判断に迷った場合は、モニターに出して複数の目で確認しているそうです。

メチャクチャ神経を使う仕事のようで、大変なのがよく分かります。

ウェザーニュースが導入したAI花粉観測機「ポールンロボ」

ウェザーニュース

ウェザーニュースでは2024年2月から、独自のIoT花粉観測機「ポールンロボ」を導入して、全国1,000カ所で花粉を監視しています。

観測方法は、顔に見立てた直径15cmの球体によって、口の部分から空気を吸い込み、空気中に含まれる花粉を観測します。

観測した花粉の量によって、目の部分にあるライトの色が5段階に変わるそうです。

ウェザーニュース
  1. 白:0~29個
  2. 青:30~89個
  3. 黄:90~149個
  4. 赤:150~299個
  5. 紫:300個以上

まとめ

今回は、花粉飛散情報がどのように行われているのか紹介しました。

「まさか、そんな方法で観測していたとは!!」と、驚いた方も多いのではないでしょうか?

チャットGPTなどAIの登場が話題になっている時代に、アナログ的な観測方法によって地道に花粉をカウントしているのには、大変だなぁ、すごいなぁと感心するばかりです。

ウェザーニュースが展開している「ポールンロボ」が、主流になる日が近いのかも知れませんね。

参考サイト
日本気象協会 tenki.jp 花粉飛散情報
日本気象協会 tenki.jp 花粉の飛散で悲惨!?知られざる花粉予測の裏側に迫る!
日本気象協会 tenki.jp 花粉はどのように観測されているの?
ウェザーニュース 花粉飛散予報マップ
ウェザーニュース 花粉観測機「ポールンロボ」全国1,000ヶ所設置で花粉を監視!
ウェザーニュース プレリリースニュース

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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