学校で事故が起こりやすいのはいつ・どこ?小学生は“頭のけが”に特に注意!

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ライターの永野です!

長期休みのように子どもが毎日家にいるのもうんざり(笑)しますが、学校のある日は「今日も無事に帰ってきますように」と思ってしまう心配性の私。幸い、いまのところ登下校中は事故やトラブルに巻き込まれることもなく通えていますが、「学校で転んだ」とかさぶたを作って帰宅することは少なくありません。

同級生のなかには、休み時間に階段から飛び降りて骨折したという子が2人も存在しますし、筆者の同級生は図工の授業中に彫刻刀で指を切り、何針か縫うことになったこともあります。

各地の小中学校、高等学校では、ニュースに取り上げられるような大きなけがや死亡につながる事故が起こることもあり、子どもの危険は自宅に留まらないことがわかりますし、保護者の目の届かないところでの事故は、より不安という方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、学校で起こった事故の事例、事故が起こりやすい場所とその原因を解説します。学校で安全に過ごすために何ができるか、ぜひ親子で話し合ってみてください。

目次

学校で起こる事故は非常に多い!

日々長い時間を過ごすことになる学校では、事故も多く発生しています。まずは、学校で起こっている事故件数や、具体的な事故の内容を見てみましょう。

学校で起こる事故の年間平均件数

日本スポーツ振興センターの調査によると、2014~16年度に小・中・高等学校で起こった事故は、熱中症も含め約322万件。年間平均は、小学校と中学校が各37万件、高等学校が26万件、幼稚園・保育園などが6万件となっています。

小学校入学後は、学年が上がるにつれ事故件数が増加し、中学2年生でピークに。中学3年生は事故件数がやや減少しますが、高校1年生は再び増加するようです。

永野

小さなけがなども入れたらもっと多いよね><

どのような事故が起こっている?

学校での事故で最も多いのは、転倒や衝突などによるけがです。運動中はもちろん、休み時間にもけがをする生徒・児童は少なくありません。

また、窓や階段からの転落、運動中の心肺停止、熱中症など、事故の内容はさまざま。季節や場所、状況(授業内容や休憩時間かどうかなど)によっても、起こる事故は変わってきます。

学校で起こった事故の事例

過去に実際に起こった学校での事故を、いくつかご紹介します。

まず、清掃活動中の転倒事故についてです。平成29年、当時小学2年生だった男子児童が、清掃活動中に別の児童を追いかけて転倒し、頭部を強打しました。出血や大きな腫れなどはなかったものの、教師は保健室へ行くよう促しましたが児童は応じず、帰宅後に頭痛が発生。嘔吐もあったことから救急車で病院に搬送されたところ、外傷性硬膜外出血症と診断され、緊急手術ののち入院しました。

続いては、熱中症事故です。平成28年、当時中学1年生だった男子生徒は、ハンドボール部の練習中、ランニング後に意識を失い緊急搬送されました。8月の暑い日だったこともあり、練習中に熱中症になってしまったのが意識を失った原因ですが、残念なことにこの生徒はその翌日に亡くなってしまったそうです。

高校生になっても、部活動中の事故は多く発生しています。平成29年、ナイター照明のもとで陸上部の部員たちは投てきの練習をしていました。その際、ある生徒が投げた女子用ハンマーが、サッカーグラウンドで練習中の男子生徒(高校2年生)の頭部を直撃。すぐに応急処置が行われ搬送されましたが、男子生徒は亡くなってしまいました。

ほかにも、参考サイトではプールや跳び箱、校外学習など、さまざまなシチュエーションでの重大事故事例が掲載されています。イレギュラーな状況で起こる事故ももちろんありますが、普段と変わらない場所でも、ちょっと行動や環境が変わるだけで起こってしまう事故は少なくないようです。

永野

想定外のシチュエーションでの事故も少なくないんだね

参考:日本スポーツ振興センター|学校等事故事例検索データベース
文部科学省×学校安全|学校管理下における重大事故事例

学校で事故が起こりやすい場所とその原因

前述の通り、学校での事故は多く起こっています。しかし、事故が起こりやすい場所や原因は、年齢によって少しずつ変わってきます。

小学校の場合

小学生は休み時間や放課後などに校庭で遊んでいるときに、けがをしやすい傾向にあります。同じくらい多いのが体育館で、体育の授業中に慣れない跳び箱やマット運動などをしている際にもけがをしやすいです。

また、教室を含む校舎内での事故やけがも少なくありません。授業中は刃物や危険物を扱う図工や理科、授業外は休み時間だけでなく事故事例のような掃除中、また階段の昇降や廊下を走る可能性がある教室間の移動時にも、事故が起こっています。

中学校・高等学校の場合

中学生や高校生の事故が多く起こっている場所は、運動場や体育館(屋内運動場)です。教室を含む校舎内での事故は、小学生と比べると半分以下に減少します。体育の授業での事故やけがも多いですが、最も多いのは部活動中の事故です。

バスケットボールやサッカー、野球、バレーボールなど、部員数の多い部活動は事故の発生頻度も高い傾向にあります。しかし事故の度合いでみると、ラグビーや柔道のように体をぶつけ合うもののほうが重くなっています。また、中学生よりも高校生のほうが、部活動中の事故は多いです。

さらに高校生は、登下校中の事故が多いのも特徴だといえます。通学に自転車を使う生徒が増えるのも、学校外での事故が多い原因の1つです。

参考:朝日新聞DIGITAL|子どもたち、守れますか 学校の死角

学校以外でも注意したい、小学生のけが

学校での事故は年齢が上がるごとに増え、中学2年生でピークを迎えます。「年齢が上がれば安心」ということはありませんが、学年が低いときのほうが保護者の心配は大きいのではないでしょうか。

運動中のけがが多い中高生と違い、小学生はさまざまなシチュエーションでけがをします。その原因や、どのようなけがをしやすいのかを確認しましょう。

けがの多い体の部位は?

日本スポーツ振興センターの「平成22年度災害共済給付データ」によると、小学生は上肢部のけがが32%と、最も多いことがわかります。次いで多いのは下肢部の24.6%、顔部の24.2%です。

日本スポーツ振興センターのデータより

しかかし、顔部と頭部のけがを合わせた割合は全体の33.7%で、上肢部よりも多くなっています。中学生の同部のけがの割合は17.7%、高校生が15.4%なので、小学生は首から上に注意が必要だといえるでしょう。

永野

顔や頭はこわい!

小学生にけがが多い理由

スポーツ中のけがの原因は、準備運動不足や技術不足、不可抗力、環境や用具不良、ルール違反などです。日常生活のなかでのけがも多い小学生は、中高生と比べると危険を予測したり、危険かどうか判断したりする能力が低い傾向にあります。また、転んだりつまずいたりした場合に、とっさに手を出したり受け身を取ったりできないのも、さまざまな状況でけがが多い原因の1つです。

年齢が低いほどこうした特徴が見られる子どもが多く、日常でのけがが見られますが、学年が上がり高学年になると、中高生同様、スポーツなどでのけがが増えてきます。

学校で注意したいシーンは?

体育の授業やクラブ活動などのスポーツシーン以外で、小学生が特にけがに注意したいのは段差や出会い頭、ものを扱う場面です。

階段やちょっとした段差で転ぶ、大きなブロックや石の上を歩いて踏み外してしまうことで転倒すると、体だけでなく顔や頭をぶつける可能性があります。また、出入り口や曲がり角で周囲を確認せず急に飛び出すと、出会い頭の衝突につながることがありますが、これも首から上のけがにつながりやすい状況の1つです。

最後の「ものを扱う場面」ですが、危険なのは前述した図工や理科の授業で使用するような刃物や器具だけではありません。定規や鉛筆、ほうきなど先のとがったものは振り回して周囲の人に当たるだけでなく、飛んでいってぶつかることもあり危険です。

参考:日本スポーツ振興センター|こんなけがが多いよ!(小学生編)

繰り返される学校での事故!対策は?

NHKが実施した「学校事故」に関する取材で、専門家は「子どもの事故に新しいものはない」と語っています。学校での事故を減少させるために、できる対策はあるのでしょうか。

学校での事故内容・件数は変わらない?

本記事でもご紹介した日本スポーツ振興センターの調査は、学校内、通学中に起こった事故で医療費や見舞金の給付申請をした件数をもとに作成されています。年間の給付件数は100万件を超えており、この数字は何年も大きな変化がありません。

また、事故の内容は熱中症や給食をのどに詰まらせる、窓が開いていることに気がつかず転落する、跳び箱の着地に失敗するなどさまざまです。しかし、事故件数同様、新しい事故の事例が発表されることはあまりないといえます。

事故防止のための取り組み

学校での事故を防止する取り組みとして、たとえば昨今多い熱中症は、服装や水分補給の頻度などに注意し、個人の健康状態に合わせて無理な運動を控えるよう呼びかけることが大切です。「熱中症警戒アラート」のランクによって、体育や部活動、外遊びを中止したり、下校時刻を遅らせる学校もあります。

窓からの転落防止には、窓の近くに足場となるものを置かないことをはじめ、手すりをつけて開いた状態に気づかずもたれても転落しにくくすること、全開防止ストッパーで人が通れない幅しか開かないようにすることなどが実施されています。

このほか、遊具やサッカーゴールなどを固定する、もし心肺停止の人が現われた場合に対処できるよう、教員だけでなく児童・生徒にも救急救命講習を受講させる、学校内の危険について授業で取り上げ指導するなど、事故防止の取り組み内容はさまざまです。

日本スポーツ振興センターでは、学校での事故に関するさまざまな資料を公開していますので、こちらも参考にするとよいでしょう。

永野

PDFデータもたくさんあるから見て欲しい!

子ども自身ができることはある?

学校側ができる安全対策には限界があるため、児童・生徒1人ひとりがそれぞれ「自衛」の意識を持って生活することも大切です。そのために最も重要なのは、「危険が何かを知る」ことでしょう。

登下校中や授業中、休み時間、部活やクラブ活動など、シチュエーションごとにどのような危険があるか把握することはもちろん、その危険を回避するために、何に注意して生活するとよいかを考えることも忘れてはいけません。

保護者と話し合う場合は、具体的な事例を用いるのも有効です。「暑い日に外で鬼ごっこをすると熱中症になる可能性がある」というだけでなく、「熱中症になるとどうなるか」「実際に部活中に熱中症で亡くなった子どももいる」ということも話すと、子どもは「熱中症がなぜ危険か」をより理解し、水分補給や遊び方の改善ができます。

子どもの年齢や性格などに応じた指導で、「自分で自分の身を守るための行動」が身につけられるよう、サポートしましょう。

安心・安全の学校生活を送るために事故防止に努めよう

学校での事故件数は年間100万件を超えており、誰にでも起こり得るものだといえます。子どもが日々安全に生活し、保護者も安心して送り出せるようにするためには、事故の原因と対策を知ることが重要です。

学年の低いうちから家庭での指導も行い、元気に成長できるよう見守っていきましょう。

編集後記

大人になると子どもの行動の危険性がわかるものですが、振り返ってみると、自分もかなり危険だったなと思う場面は多々あります。遊具の高いところから飛び降りたり、上履きを履いていない状態で階段を駆け下りたり、傘を思いっきり振って裏返したり…。

注意されれば「よくないな」と反省しましたが、当時は「ルールを破ったから」「ものを壊したから」というのがその理由だと思っており、「事故の危険性」が潜んでいるとは夢にも思っていませんでした。

息子たちも、私が怒ったり注意したりするのは「ママが個人的にやめてほしいから」「うるさくて迷惑だから」と思っているかもしれません。危険なことについては、「こういうことになるからこれはしないほうがよい」と説明することを心がけていますが、「事故の危険性と対策」について改めて息子たちとゆっくり話す機会を設けたいなと考えています。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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