ライターの永野です!
大人はもちろん、子どもたちも活用しているキャッシュレス決済。前回ご紹介したスマホ決済やクレジットカード払い、交通系ICでの支払いなど、さまざまな種類があります。なかには誕生日やお年玉、お小遣いなどをキャッシュレス決済のチャージで渡すご家庭もあるようです。
永野家はまだお小遣い制度もなく、お年玉もほぼ回収&貯金しています。今後息子たちが大きくなったらそんなふうに変わっていくのかなぁと、不思議な気持ちです。
便利なキャッシュレス決済ですが、正しく利用するにはどのようなデメリットがあるか理解しておく必要もあります。そこで今回は、キャッシュレス決済のメリット・デメリット、安全かつ上手に活用するためのポイントを見ていきましょう。
キャッシュレス決済とは「現金を出さない支払い方法」
買い物に行ったら財布から現金を出してお会計をするのが当たり前でしたが、最近は現金を出さない「キャッシュレス」な支払い方法を選択する方も増えています。クレジットカードは以前からありましたが、決済方法も時代と共に幅が広がり、多くのなかから選択が可能です。
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済には、大きく次の種類があります。
・スマホ決済
・クレジットカード決済
・デビットカード決済
・電子マネー決済
デビットカードは利用後すぐに、銀行口座から料金が引き落とされるものです。クレジットカードは引き落とし時に、利用分の口座残高がないなどのトラブルが起こり得ますが、デビットカードは口座残高以上の支払いができない分安心だといえます。
どのキャッシュレス決済も、スマホ画面やカードをかざす、専用の機械に差し込むだけで簡単に決済が完了し、便利です。
キャッシュレス決済はどう精算する?
キャッシュレス決済はその場で現金を出さないのが特徴ですが、決済で発生したお金はどのように精算されるのでしょうか。精算方法は前払い・即時払い・後払いの大きく3つです。
前払いはあらかじめ決済アプリや電子マネーなどに「チャージ」して、チャージ分だけを利用します。チャージ残高が減ったら再度チャージする、クレジットカードと連携しオートチャージすることも可能です。
即時払いは、支払いと同時に銀行口座から引き落とされます。前述のデビットカードは、即時払いの代表格ともいえるでしょう。ほかのキャッシュレス決済でも、選択すれば即時払いができることがあります。後払いは利用期間を定め、そのあいだに使った分を指定日に銀行口座から引き落とすタイプです。クレジットカードがよい例でしょう。
キャッシュレス決済のメリット
多くの方が利用するキャッシュレス決済には、現金払いにはなかったメリットがあります。メリットを知ったうえでキャッシュレス決済を利用すれば、より上手な活用ができるのではないでしょうか。
支払いがスムーズ
キャッシュレス決済最大のメリットは、支払いがスムーズに行える点です。お会計の金額を見て、計算しながらレジでお札や小銭を出す手間が省けます。おつりを受け取るまでの時間を短縮できますし、少額の買い物なのに一万円札しかない場合なども、申し訳なさを感じなくて済むでしょう。
手持ちがなくても買い物ができる
財布のなかに現金が少ししか入っていなくても、ATMで引き出さずに買い物ができるのもメリットだといえます。クレジットカードやスマホ決済など、複数のキャッシュレス決済を利用している方も少なくないので、「PayPayは残高が足りないからクレジットカードで」「ポイントの高い決済アプリを使おう」などと、支払金額やお店に応じた決済方法の選択も可能です。
ポイントが還元される
現金払いの場合は、支払いに応じたポイントなどの還元はありません。しかし、多くのキャッシュレス決済が、ポイント還元を実施しています。付与されたポイントは支払いに利用したり他社のポイントや商品券と交換したり、ポイント運用でプチ投資をしたりと、幅広く活用できます。
利用履歴が確認しやすい
現金払いで支払い額を残したい場合は、会計時にレシートをもらって、どこでいくら使ったか家計簿などに残す必要があります。キャッシュレス決済は、利用明細が届いたりオンラインで確認できたりするので、一目で「いつ・どこで・いくら使ったか」の確認が可能です。利用履歴がわかりやすいのも、キャッシュレス決済のメリットだといえます。
キャッシュレス決済利用前はデメリットにも注意!
便利でお得なポイント還元もあるキャッシュレス決済ですが、実はさまざまなデメリットがあるため、安易に利用することはおすすめしません。とはいえ、デメリットは利用する方の意識や行動によって回避できることも多いです。キャッシュレス決済は「絶対に使わないほうがいい」わけではなく、得られるメリットが大きいので「デメリットを理解したうえで、注意しながら活用してほしい」ものだといえます。
不正利用されるリスクがある
フィッシング詐欺でカード情報を抜き取られる、紛失・盗難したスマホの決済アプリを悪用するなど、不正利用の被害は少なくありません。なかには、レジ待ちをしている方があらかじめ出している決済コードを盗撮・送信し、別の場所にいる仲間が利用するというグループでの不正利用も。
不正利用されると使ったはずのない多額の請求が来ることもあるため、キャッシュレス決済利用時には注意が必要です。
手数料が必要な場合がある
クレジットカード払いは便利ですが、分割払いやリボ払いにすると手数料が発生します。分割払いなら高額な買い物をしても1回の支払額を抑えられるため便利ですが、利用した分以上の請求をされるのも、デメリットの1つです。
また、PayPayは2023年9月以降、「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い」でのチャージについて、毎月2回目以降は手数料を取ることを発表しています。今後、決済アプリのチャージに手数料が発生するケースも、増えていくかもしれません。
店舗がキャッシュレスに対応していないと使えない
キャッシュレス決済は多くの店舗が導入していますが、支払い方法を「現金のみ」とする店舗もまだまだあります。また、「クレジットカードのみ対応」「LINE Payは使えるけどPayPayは使えない」など、すべてのキャッシュレス決済に対応していないことは非常に多いです。
キャッシュレス決済に店舗が対応していなければ、いくら便利でも使うことができないのも、大きなデメリットだといえます。
災害時などには利用できない可能性がある
災害時には停電が起こることもありますが、電気系統が故障すると決済システムが利用できない可能性があります。また、キャッシュレス決済用の機器が故障しているなど、店舗側のトラブルにより、一時的に利用できないこともあるでしょう。クレジットカードが破損する、スマホが故障するなど、利用者側のトラブルも、キャッシュレス決済が使えなくなる原因になり得ます。
スマホ決済は初期設定が大変なことも
スマホ決済を利用する場合、アプリをダウンロードしてログインや会員登録、基本情報の入力など、初期設定が必要です。スマホに慣れている世代の方には「当たり前」だと思われる作業も、慣れていない方は「大変だ」「面倒くさい」とか感じることも…。いくら便利なスマホ決済も、設定の段階で諦めてしまえば使うことさえできません。
クレジットカードならこうした設定は不要ですが、利用には審査が必要です。審査に通らなければクレジットカードが発行してもらえないのも、現金払いにはない大変さだといえます。
ポイントに釣られて無駄遣いする人もいる
利用額に応じてポイント還元があるのは、キャッシュレス決済の魅力です。しかし、ポイント欲しさに不要な買い物をしたり、無駄遣いをしてしまう方もいるため注意しましょう。「あと200円分買い物をすればポイントが上がる」「この商品を買えばポイントがアップする」など、ポイント重視で買い物をしてしまうと、結果として損をしてしまうこともあるでしょう。
キャッシュレスを便利に活用するためのポイント
キャッシュレス決済はセキュリティ強化や利用方法の工夫で、デメリットを回避して安全に活用できます。便利なキャッシュレス決済を安心して使いこなすために実践したいポイントを、確認しましょう。
利用額が制限できるサービスを利用する
財布からお金を出す、お金が減っていくことが実感できる現金払いとは異なり、キャッシュレス決済はタッチやカードを差し込むだけの支払い方法で、「お金を払っている」という感覚を持ちにくいため、無駄遣いをしてしまう可能性があります。
最近は月々の利用額を決めて、一定額以上利用できなくするサービスや設定もあるので、使いすぎが心配な方は活用しましょう。デビットカードのような即時払い型のキャッシュレス決済は、指定口座の残高を調整するのがおすすめです。
いくら使ったかをこまめにチェックする
キャッシュレス決済は利用履歴がすぐに見られるというメリットがあるので、これを活用してこまめにいくら使ったのかをチェックすることも、無駄遣い防止になります。定期的に確認すれば、不正利用などの早期発見も可能になるでしょう。
クレジットカードは支払いの先延ばしをしない
クレジットカードは、ついついお金を使いすぎてしまう原因になりかねません。もし使いすぎても分割払いで滞納を防げますが、できるだけ先延ばしにしないことをおすすめします。
分割払いは前述の通り手数料がかかりますし、「借金」と同じです。車や家のようにローンを組まざるを得ない買い物もありますが、日常的な買い物は「本当に必要か」「今の貯蓄や手持ちで払えるか」などを考えて、できるだけ分割払いやリボ払い、ボーナス払いなどをしないようにしましょう。
スマホ決済などは「チャージ」で使う
スマホ決済はオートチャージや口座からの即時払いなど、複数の精算方法から選べます。使いすぎ防止のためには、「チャージ」による利用がおすすめです。チャージの方法もさまざまですが、セキュリティ面などをより考慮したい場合は現金チャージがよいでしょう。クレジットカードなどとの紐付けがなければ、万一盗難・不正利用にあってもチャージ残高分しか使えません。
もしものときに備えて現金も持ち歩こう
デメリットで触れたように、キャッシュレス決済は災害などの緊急時、キャッシュレス決済非対応店舗では使えません。現金を全く持ち歩いていないと、急な買い物でキャッシュレス決済が使えない場合に困ってしまうことも…。緊急時に備えて、日頃から現金もいくらか持ち歩くようにしましょう。
キャッシュレスはデメリットを把握して安全に活用しよう
キャッシュレス決済はメリットがたくさん!という話はよく耳にしますが、同じくらいデメリットが存在することも忘れてはいけません。デメリットは少しの工夫や意識の改善でクリアできるものも多いので、正しく活用できる方法を考えながら使っていきましょう。
編集後記
「ポイント還元」の内容を書いていて、しばらく使っていないクレジットカードの存在を思い出し、ポイントがどれくらい貯まっているか確認したところ、800円ほどでした。有効期限ももう少し先なので、貯められるだけ貯めてから他社ポイントに交換しようと思った次第です。
筆者は普段、楽天カードとPayPayを使っているのですが、どちらも以前まではポイントが入るたびに買い物に使って終わらせていました。しかし、楽天ポイントは1年ほど前から「ポイント利息」や「ポイント運用」に入れており、そろそろ3万ポイントになるかなぁというところです。貯まったら楽天トラベルから予約して、旅行の際の宿泊費に使おうと思っています。
PayPayのポイントも、運用してみるとよいとアドバイスをいただいたので、5月末から運用しています。こちらはまだまだ経過をご報告できるような成果もありませんが、数ヶ月様子を見て、どのような感じかお伝えしていきたいと考えているところです。
参考サイト
・「使いすぎ」が怖い人のためのキャッシュレス活用術
・キャッシュレス決済とは?それぞれの種類とメリットデメリットを解説
・キャッシュレス社会到来!メリット・デメリットを理解し賢く活用しよう