大雨による冠水で車が水没!もしも車に乗った状態だったら助かるのか

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みなさんはハザードマップに、大雨時に道路が冠水する可能性のある個所が、記載されているのをご存じでしょうか?

また、自宅周辺でよく車で通行する道路が、アンダーパスになっているのを知っていますか。

どうしてこのようなことを質問するのかというと、毎年のように大雨時にアンダーパスが冠水し、車ごと水没する事故が起きているからです。

車ごと水没して誰にも発見されずのままだと、車が棺になってしまいます。

そこで今回は、大雨による冠水などによって「もしも、車に乗った状態で水没したら助かるのか?」について解説します。

目次

なぜ毎年のように車の冠水事故は起きるのか?

最初に、どうして毎年のように車の冠水事故は起きるのか?を考えてみましょう。

最大の理由はドライバーの「慢心や油断」そして「無知」であることです!

上から目線的な表現になってしまいますが、事実なのでご容赦ください。

車は水陸両用ではない!水の中を走れると思うのは間違い

小さな水たまりや少しタイヤが浸かるくらいなら、水が張った道路上でも車は走行可能です。

しかし、タイヤが半分以上浸かってしまうほどの水のなかを、通常通り走ることは不可能です。

JAF(日本自動車連盟)がおこなったテストでは、普通乗用車は水深30cm程度の道路を時速30kmで走行すると、エンジンルームに巻き上げる水が入り込み停止する可能性があると警告しています。さらに、水深が60cmになると約時速10kmでしばらく走行できるが、やがてエンジンはストップするとされています。

一般的な乗用車用の15インチのタイヤの直径が約60cmなので、タイヤが半分浸かる水深ならエンジンはストップすることとなります。

突破できると突っ込んだら意外に進まなかった

アンダーパスに雨水が溜まることを知っていて、勢いよく突っ込めば突破できると考えても、現実は甘くありません。

水たまりの抵抗は大きく、考えていたほど進むことはできないのです。

しかも、自分の車の前に既に車が水没していれば、その車を避けて突破することは100%不可能です。

大雨時にアンダーパスに雨水が溜まることを知らない

大雨が降った際に、アンダーパスに雨水が溜まることを知らない方もいるようです。

高齢者の方なら「知らない」といわれても仕方ないかも知れませんが、20代~30代の方に「知らない」といわれるとガッカリです。

大雨時には、アンダーパスに雨水が大量に溜まることを知っておきましょう!

そもそもアンダーパスとは!知らない方のために改めて解説

ここで、アンダーパスを知らない方のために、改めて解説しておきましょう。

アンダーパスとは上記の写真のような立体交差部の、下部分の道路を指して呼んでいます。

道路や線路をくぐっている道路で、土地の高さが低いため大雨時には雨水が溜まります。

確実に浸水するアンダーパスには「浸水注意」の看板も設置

確実に浸水するアンダーパスには、侵入口に「浸水注意」の看板が設置されるほどです。

恐らく意識していないと、目に留まることなく通り過ぎていることでしょう。

次の写真のように、アンダーパスに侵入したものの、あまりの水の多さに引き返す車も続出します。

一般道では大丈夫でも、アンダーパスでは危険な状況になっていることを知っておくことが大切です。

アンダーパスの水たまりを見て引き返す車

アンダーパスには排水設備は設置されている

では、アンダーパスは絶対に浸水するのかと聞かれると、100%浸水するとはいえません。

それは、アンダーパスの最深部には排水口があり、ポンプで雨水をくみ上げているので、多少の雨なら浸水することはないからです。

しかし、近年のゲリラ雷雨や集中豪雨では、ポンプによる排水能力を雨量が上回ってしまうので、どうしても水が多く溜まってしまうのです。

もしも、車に乗った状態で水没したら助かるのか?

ではここから本題である「もしも、車に乗った状態で水没したら助かるのか?」について解説します。

まず、水没したドアを開けて車から脱出することは不可能で、残された方法は、窓ガラスを割って脱出するしかありません。

割らなくても窓を開けて脱出すればよい?

「わざわざ窓ガラスを割らなくても、窓を開けて脱出すればいい」そう考える方も少なくありませんが、難しいことがほとんどです。

近年の車はほとんどがパワーウインドウの電動タイプなので、電気系統が浸水によってショートすれば、開けることができません。

したがって、車にはイザという時のために、窓ガラスを割る脱出用ハンマーを準備しておくことをおすすめします。

脱出用ハンマーがない場合はヘッドレストの金属棒を利用!

脱出用ハンマーは、自分で準備しておなかいと利用できませんから、ハンマーがないとサイドガラスを割るのは難しくなります。

そんな時は、ヘッドレストを外して棒状の金具でサイドガラスを割ることが可能です。

ただし、ヘッドレストの金属棒で窓ガラスを叩いても割ることはできず、割るためには少しコツが必要です。

そこで、東海テレビのニュースに「77歳女性も窓ガラスを“簡単に割れる”・・」と題した動画が紹介されているので、こちらを参考にしてください。

知っておけば、いざという時に役に立ちますよ!

東海テレビニュース「77歳女性も窓ガラスを“簡単に割れる”…車水没時の脱出方法は?車内にある“アレ”を使って警察官が伝授」

国土交通省が広報する「水没した車両からの脱出手順」

ここでは、国土交通省が広報している「水没した車両からの脱出手順」をご紹介しておきましょう。

ここでの注意点は、脱出用ハンマーでフロントガラスを割るのでなく、サイドガラスを割って脱出することです。

国土交通省 水没した車両からの脱出手順

国土交通省提供!水没した車からの脱出動画をご紹介(8:45)

ここで、イザという時にどのように水没した車から脱出するのか、国土交通省が提供する「水没した車からの脱出動画」をご紹介しておきます。

高齢者の方は自力での脱出はほぼ不可能!通らないように教えてあげよう

高齢者の方はサイドガラスを割って自力で脱出するのは、ほぼ不可能といってよいでしょう。

したがって、大雨時にはアンダーパスを通行してはいけないことを教えてあげましょう。

ここでは、実際に高齢者が運転する車が、アンダーパスで浸水し救助されたニュース動画を紹介します。

日テレNEWS 大雨で冠水…車内に女性取り残され水没、救出の一部始終(1:57)

まとめ

今回は「大雨による冠水!もしも車に乗った状態で水没したら助かるのか?」について、解説してきました。

毎年のようにアンダーパスにて車の水没事故が発生しており、なかには命を落とす事故もあります。

そこで、もしも車に乗った状態で水没したら助かるのか?について解説しました。

万一、アンダーパスなどで車が浸水してしまった際には、脱出用ハンマーでサイドガラスを割って、車から脱出するしかありません。

最も最適な方法は、大雨時には車を運転しないことで、そうすれば浸水だけでなくスリップ事故など、あらゆる事故から身を守ることが可能です。

最後に、JAFが公開している「360度動画でVR体験!水没車両からの脱出【疑似体験版】」動画(2:51)を紹介しておきましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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