2023年2月6日にトルコで発生した大地震の後、TwitterやFacebookなどのSNS(ソーシャルメディアネットワーク)で、誤った情報(デマ)が拡散されました。
ご存じかも知れませんが、これらには津波の発生と、原子力発電所の爆発などの情報が含まれていたのです。
情報収集には便利なSNSですが、地震時に発信されるデマには困ったものです。
そこで今回は、地震時のデマに騙されないための方法を解説します。
地震後の津波の発生などの情報は信頼できる情報源であるかが重要
今回のトルコで発生した地震の後には、Twitterなどに「津波が発生した」とか「原発が爆発した」などの投稿が相次ぎました。
その後、専門家によるデマ(誤り)である指摘があり、騒ぎにはなりましたが大きな被害は幸いにも起きていません。
しかし、国内で発生した地震時にこのようデマが発信されると、パニックを引き起こす危険性もあります。
個人の情報でなく信頼できる情報源も確保しておく
近年ではTwitterなどのSNSの効果は絶大で、瞬く間にアップした情報は拡散されていきます。
既にご存じのとおり、スシローなどの飲食店への嫌がらせなどは、動画から通学している学校や個人名までも特定される、怖い時代になってきています。
それだけ、現代ではSNSの力は強大になっているといわざるを得ません。
当然、正しい使い方をしていればとても頼もしい情報ツールであるのは間違いありません。
ただ残念ながら、デマをアップして喜ぶ不届き者がいるのも事実です。
したがって、情報を受ける側が本当かデマかを見極める必要があります。
地震などの情報は、個人のツイートなどではなく、メディアからの情報を信じた方がよいです。
写真や動画付きでアップされると信じてしまう!
しかし、Twitterなどで今回のように偽の映像や写真を付けて発信されると、信じてしまうのは当然かも知れません。
トルコの地震でも「津波が起きた」との投稿には、東日本大震災の時の津波に酷似した映像が使われてしました。
また「原子力発電所が爆発した」との投稿には、2020年にレバノンの首都ベイルートの港湾地区で発生した、大規模爆発の映像が使われていたようです。
このような投稿をされると、思わず信じてしまうのは仕方のないことでしょう。
個人のツイートはニュースなどを確認する
今回のようなデマは大きな地震が起こる度に、残念ながら多少なりとも毎回起きています。
私なりの情報の確認方法ですが、個人のツイートで「エッ?」と思うようなことは、さまざまなメディアのニュースなどの情報で、本当かデマかを確かめています。
最近はテレビ離れする若者も多いことから、民法各局はもちろんNHKもTwitterのアカウントを持っていて情報発信しています。
そのような信頼できるニースソースも、確保しておくことが大切だと感じています。
地震を予知するといわれる地震雲は都市伝説!
大きな地震が起きる度に投稿されているのが「地震雲」ですが、これは科学的根拠もなく地震学者も否定しています。
今回のトルコの地震でも、1月にトルコ国内で観測された雲を「地震雲」だと主張する投稿が相次いでいますが、まったくの都市伝説であり地震雲は存在しません。
デマでも多数の同じ意見があると信じてしまう
TwitterなどのSNSの怖いところは、デマであっても多数の同じ意見があると信じてしまうところです。
たとえば「これが地震雲だ!」との個人のツイートがあり、嘘だと思っていても「私も見た!」「確かに地震雲」「さっき揺れた」などのコメントが殺到していると「そうなのかも」と信じてしまいます。
しかし、実際には「地震雲」は存在しない都市伝説なので、今後、地震後にツイートがあったとしても信じないようにしてくださいね。
NHKの記事から抜粋!「これらは地震雲ではありません」
先に地震時によく投稿されるデマは地震雲とお伝えしましたが、確かに見たことのない雲なので信じてしまう方がいてもおかしくありません。
そこで、知らなかった方のためにNHKの『“地震雲”に“人工地震” 「いいえ、違います」』記事から、抜粋してお伝えしておきましょう。
つるし雲
この雲の写真が、今回のトルコ地震で「地震雲」とされた画像です。
気象庁気象研究所の荒木健太郎主任研究官によると、この雲は、気象学的にメカニズムが解明された「つるし雲」とのことです。
日本国内でも見られる「つるし雲」
つるし雲は山の近くで発生するので、富士山などの近くでよく目撃されるそうです。
飛行機雲も地震雲としてツイートされるので注意
このような雲も一見すれば変わっているので、地震雲だといわれることが多いですが、実際は飛行機雲です。
まとめ
大きな地震の際にデマの情報が発信されるのは、今回に限ったことではありません。
できるだけこのようなデマは止めて欲しいものですが、なくなることはないでしょう。
だからこそ、情報を受け取る側が、デマに振り回されないようすることが重要です。
おもしろがったり、怖がったりする反応がなければ、デマのツイートは少なくなるはずです。
重要な情報は、信頼できるところから収集することが大切です。