つい先日、安全靴について触れる機会があって「最近の安全靴はオシャレになりましたねぇ」と話したら、「あれは厳密にいうと安全靴ではないよ!」といわれました。
心の中で、「エッ!そうなの?」って思いながら話を聞いていると、つま先をカバーしているスニーカータイプの靴は、安全スニーカーと呼ぶのだとか・・
でも、最近ではスポーツシューズメーカーからも、オシャレな安全靴が販売されていた気がするので、どうも納得いきません。
そこで、今回はシゲネコたちと安全靴について調査してみました。
安全靴の定義について解説
ねぇねぇ、今日は安全靴について調査するの?
そうだよ!安全靴にはどんなタイプがあるのか、を調査するからね
ワン子、安全靴って分からないケド・・
そうだね、まずは安全靴の定義を確認してみよう!
安全靴は日本工業規格(JIS)において「主として着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と定義されています。一般的に、保護性能を持った靴を総称して安全靴と呼ぶことがありますが、正式には既定の材料を使用しJIS認可工場で製造された靴で、JIS規格の安全性・耐久性を満たした靴を「安全靴」と呼びます。
なんだか難しくて、よく分からないよ!もっとカンタンに説明して欲しいな!
そっか、じゃあ・・安全靴の「規格」のところに『JIS』って記載があれば、安全靴ってことになるよ
あっ、それなら分かりやすいな。つまり、靴の規格に『JIS』って書いてあれば安全靴ってことだね!
そうそう!これならカンタンに見分けられるよね。
JIS規格の安全靴には厳格な基準がある
ところで、安全靴と呼ばれるためには、JIS規格の厳格な基準をクリアしないとダメなんだよ。
へぇ~そうなの・・どんな基準なの?また、難しいのかな・・
ちょっと難しいかも知れないけど、とりあえず見てみよう!
保護性能による区分 |
先しんが装着されており、甲被及び表底の材料がJIS T 8101(安全靴の基準)を満足するもの |
甲皮による種類 |
革製:天然の牛革をクロム等でなめしたもの。革の厚さや性能についても基準がある。 総ゴム製:耐油性のあるものとないものがある。ゴムの厚さや性能についても基準がある。漏れ防止性の試験をクリアしなければならない。 |
作業区分による種類(記号) |
重作業用(H):先芯の耐衝撃性能100J・耐圧迫性能15kN、表底のはく離抵抗300N以上あるもの。 普通作業用(S):先芯の耐衝撃性能70J・耐圧迫性能10kN、表底のはく離抵抗300N以上あるもの。 軽作業用(L):先芯の耐衝撃性能30J・耐圧迫性能4.5kN、表底のはく離抵抗250N以上あるもの。 |
付加的性能(記号) |
耐踏抜き性能(P):くぎの貫通時の力1,100N以上あるもの。 かかと部の衝撃エネルギー吸収性(E):衝撃エネルギー吸収性20J以上あるもの。 耐滑性(F):靴底の動摩擦計数0.20以上あるもの。 足甲プロテクタの耐衝撃性(M):足甲部への衝撃を緩和する性能を有するもの。 これら種類と付加的性能については、安全靴あるいは箱に表示されている。 例1.安全靴 革製S・・・革製の普通作業用安全靴 例2.安全靴 革製SP・・耐踏抜き性能を持った、革製の普通作業用安全靴 |
表底の種類 |
表底は滑り止め効果のある形状をしており、ゴム、発泡ポリウレタンまたはそれらの重層組み合わせの構造とし、一定の物理的性能を持つことが定められている。また、最薄部の厚さも定められている。 |
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E9%9D%B4
やっぱり、難しい内容だね・・
正確に表現すると、どうしても難しい文章になってしまうね・・
とにかくカンタンにいうと、安全靴には革製と総ゴム製があって、革製の安全靴は「黒色」で、総ゴム製は長靴が多く、色は「黒色」か「白色」となる。って感じだね。
スニーカータイプは「JSAA規格の作業靴」が正解
じゃあ、色んなカラーがあるスニーカータイプは、安全靴じゃないってことなの?
一般的には安全靴って呼ばれているけれど、調べてみると、正確には「プロスニーカー」って呼ばれる作業靴になるみたいだね。
へぇ~!作業靴でプロスニーカーって呼ばれてるんだ。
JIS規格の「安全靴」までの基準を必要としないけど、足元を守りたい現場に対して、公益社団法人日本保安用品協会(JSAA)が制定した、作業靴の規格で『JSAA認定』となるんだよ。
アシックス 安全靴
1271A029 asics ウィンジョブ CP209 Boa
メーカー:アシックス
素材:アッパー/本体:人工皮革製+合成繊維製
補強:人工皮革
アウターソール:ゴム底
先芯/ガラス繊維強化樹脂先芯(A種)
その他詳細:JSAA規格A種認定品
2018年度グッドデザイン賞受賞
pay payモールで「アシックス安全靴」って販売されているけど、本当は安全靴じゃなくて、作業靴ってことでいいのかな?
そうなんだ!厳密には作業靴であるプロスニーカーも、一般的には安全靴として取り扱われているんだね。
それって違反にはならないのかな?
ん~・・詳しいことは分からないけど、「足先を守る」点では同じだし、作業靴よりも安全靴の方が「安全な靴」としては分かりやすいからね。それに、JSAA規格A種認定品って記載してあるから、大丈夫なんだろうね。
JSAA規格にはA種とB種の2種類が存在している
JSAA規格A種認定品の他にも、種類があるのかな?
うん!JSAA規格には、A種とB種の2種類があるよ!
A種:普通作業用 |
先芯の耐衝撃性能・耐圧迫性能、踵部の衝撃吸収性能について、安全靴S種と同等 |
B種:軽作業用 |
先芯の耐衝撃性能・耐圧迫性能、踵部の衝撃吸収性能について、安全靴L種と同等 |
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E9%9D%B4
なるほど、それでオシャレな安全靴がたくさん販売されているんだね。本当は、作業靴でプロスニーカーだけど!
そういうことになるね!今回の調査で、次のことが分かったよ!
安全靴を調査した結果!
・安全靴は正確にはJIS規格に準拠していないとダメ
・厳密には安全靴ではないけれど、足元を守るプロスニーカーがある
・プロスニーカーはプロテクティブスニーカーと呼ばれる、JSAA規格認定品
・JSAA規格認定品には、 A種:普通作業用とB種:軽作業用がある
・長靴タイプのプロテクティブブーツ(プロブーツ)もある
・オシャレな安全靴は、本当は作業靴のプロスニーカーである
・一般的にはプロスニーカーもプロブーツも、安全靴として販売されている
安全靴の商品紹介記事
因みにサイト内に、プロスニーカーを含む安全靴の商品紹介記事があるので、こちらも併せて読んでもらえると嬉しいです!
参考サイト
Wikipedia安全靴
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E9%9D%B4