台風の種類や大きさを学んでおこう!知っておけば天気予報に詳しくなれる

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2022年4月、各所で桜が見ごろとなっている季節に台風が発生しました。

2022年4月8日に、今年最初となる台風1号が発生し、強い勢力となって小笠原諸島に接近する予定です。

また、10日には台風2号も発生していますが、この2号については日本への影響はないとの予報です。

ところで、台風の大きさは3段階に分かれていることをご存じですか?また、存在する場所によっては、呼び方が異なることも。

そこで、これからシーズンを迎える台風について、改めて一緒に勉強していきましょう。

目次

「台風・ハリケーン・サイクロン」と存在する場所で呼び名が異なる

台風は元々熱帯低気圧であり、この低気圧が10分間平均の最大風速およそ17m/s(34ノット、風力8)以上に発達すると、熱帯低気圧から台風に呼び名が変わります。

さらに、この発達した熱帯低気圧が存在する場所で「台風・ハリケーン・サイクロン」と、呼び名も変わるのです。

東経180°で呼び名が変わる

ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および東経180°より、東の北太平洋東部地域に存在する発達した熱帯低気圧を呼んでいます。

ハリケーンから台風に呼び名が変わるのは、東経180°より西の、北西太平洋および南シナ海となります。

サイクロンは、ベンガル湾、北インド洋に存在する発達した熱帯低気圧を呼んでいます。

北大西洋で発生したハリケーンが、東経180°を超えて西に移動すると、同じ発達した熱帯低気圧が「台風」と呼ばれるようになるのです。

・ハリケーンは、東経180°より東
・台風は、東経180°より西
・サイクロンは、東経180°より西のベンガル湾、北インド洋付近

呼び名を地図で確認するとよく分かる

文書で説明すると、先の説明のようになり複雑でよく分からないでしょう。

ですが、地図で見れば一目瞭然なので、それぞれの呼び名となる地図を作ってみました。

この地図で確認すると、呼び名が異なる場所が良くお分かり頂けるはずです。

また、熱帯低気圧と台風との呼び名は日本独自の分類となるので、世界分類との比較表も掲載しておきましょう。

呼び名の国際分類と日本の分類一覧表

風速(最大)日本の分類国際分類
風速(最大)日本の分類国際分類
17.2m/s未満熱帯低気圧Tropical Depression (TD)
17.2~24.5m/s台風Tropical Storm (TS)
24.6~32.6m/s台風Severe Tropical Storm (STS)
32.7m/s以上台風Typhoon(タイフーン)
32.7m/s以上台風Hurricane(ハリケーン)(T)
32.7m/s以上台風Cyclone(サイクロン)

このように、日本では最大風速が17.2m/s以上となる熱帯低気圧は、全て「台風」に分類されています。

台風の番号の付け方と名称について

では次に、台風の番号の付け方と名称(呼び名)について一緒に確認しましょう。

ここでは気象庁の情報を基に、学んでいきます。

台風の番号の付け方

気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけています。なお、一度発生した台風が衰えて「熱帯低気圧」になった後で再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けます。

気象庁

台風の番号の付け方については、気象庁からこのように公表されています。

2022年では冒頭にお伝えしているとおり、4月8日に発生した台風が今年最も早く発生した台風となるので、第1号となります。

台風の名称(呼び名)について

日本では台風の呼び名は、アジア名に従って付けられます。

アジア名とは「台風委員会(日本を含むアジア地域14ヵ国が加盟)」により、各国が提案した140の名前のことです。

台風が発生する度に、この140の名前が順番につけられていきます。

ここでは、140全ての名前を公開できないので、日本が提案している名前のみリスト化しておきますね。

因みに、東経180°よりも東の地域で発生したハリケーンが、勢力を保ったまま東経180°を超えた場合は、ハリケーンにつけられた名前がそのまま使用され、アジア名はつけられません。

ただ、台風の番号は発生した順番が摘要されます。たとえば、台風10号の後にハリケーンが東経180°を超えて日本側に侵入してきた場合は、台風11号となります。

スクロールできます
番号国名呼名カタカナ読み意味
5日本Koinuコイヌこいぬ座、小犬
19日本Yagiヤギやぎ座、山羊
33日本Usagiウサギうさぎ座、兎
47日本Kajikiカジキかじき座、旗魚
61日本Kotoコトこと座、琴
75日本Kujiraクジラくじら座、鯨
89日本Kogumaコグマこぐま座、小熊
103日本Kompasuコンパスコンパス座、円や円弧を描くためのV字型の器具
117日本Tokageトカゲとかげ座、蜥蜴
131日本Yamanekoヤマネコやまねこ座、山野にすむ猫

今回、4月8日に発生した台風第1号のアジア名は、108番目のフィリピンが提案した「マラカス(Malakas)」です。

また、第2号は、109番目となる韓国が提案した「メーギー(Megi)」となっています。

台風の強さの種類と大きさの種類について

今度は台風の強さの種類と大きさの種類について、確認しましょう。

強さの種類は「階級」と呼ばれていて、3つの種類があり「強い<非常に強い<猛烈な」に、分けられます。

大きさについては、「大型(大きい)<超大型(非常に大きい)」の2種類に分かれています。

いずれも10分間平均の風速をもとに表現され、「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 「強さ」は最大風速で分類しています。

台風の強さの階級種類

階級最大風速
強い33m/s(64ノット)以上~
44m/s(85ノット)未満
非常に強い44m/s(85ノット)以上~
54m/s(105ノット)未満
猛烈な54m/s(105ノット)以上

台風の大きさの階級種類

階級風速15m/s以上の半径
大型(大きい)500km以上~800km未満
超大型
(非常に大きい)
800km以上

台風の表現方法の注意点

台風に関する情報の表現では、台風の大きさと強さを組み合わせて、「大型で強い台風」のように呼びます。

この呼び方は、天気予報でよく聞く呼び方なので馴染みのある表現方法ですね。

先の大きさの表では、「大型(大きい)」との呼び方は強風域の半径が、500kmからとなっています。

強風域の半径が500km未満の場合には大きさを表現せず、最大風速が33m/s未満の場合には強さを表現しません。

たとえば「強い台風」と発表している場合、その台風は、強風域の半径が500km未満で、中心付近の最大風速は33~43m/sの暴風域を伴っていることを表現しています。

台風情報の種類とその表現方法

気象庁では台風情報の種類と表現方法は、決まりに沿って発表しています。

具体的に説明すると令和2年9月9日からは、台風および24時間以内に台風に発達すると予想される熱帯低気圧について、台風接近時のタイムライン(防災行動計画)に沿った対応を効果的に支援するため、5日先までの予想進路や台風の強さを、「台風情報」として発表するようになっています。

台風情報は実況と5日先まで地図で表示

気象庁
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/7-1.html

これは、本稿を執筆している2022年4月11日15:00時点の、「気象庁の台風情報」です。

冒頭でお伝えしたとおり、4月11日時点では、台風1号と2号が発生していて、台風1号が日本列島に近づいてきています。

上記の地図も天気予報でよく見る馴染みのある地図ですが、地図上の各円の示す意味をハッキリと説明できる人は少ないでしょう。

台風情報(地図)の見方

ここでは、台風情報(地図)の見方を解説しておきましょう。

先ず、今日11日(11日は記載なし)から12日・13日・14日・15日・16日の日付けが記載されているので、5日先までの台風情報が記載されているのは確認できますね。

各円の色とその内容は、次にまとめたとおりです。

・中心線:白い点線
⇒各円の中心を結んだ線です
・予報円:白い破線の円
台風の中心が入る確立が70%の範囲
・強風域:黄色い円
風速15m/s以上の風の吹く範囲
・暴風警戒域:赤い線の囲み
暴風域に入るおそれのある範囲
・暴風域:太い赤い円
25m/s以上の強い風の吹く範囲

4月11日時点の台風情報では、台風がまだ遠くにあるので「暴風域:太い赤い円」の表示はされていません。

台風の中心は予報円のどこかになる

台風情報(地図)を一見すると、予報円が台風自体に見えてしまいますがそうではありません。

予報円のどこかに台風の中心が存在することを意味していて、予報円そのものが台風の大きさになるのではないことを、改めて知っておきましょう。

先の台風情報(地図)でいうと、予報円の進行方向左側ギリギリに中心がくれば、今の強さのままでは日本の東北地方が強風域に入ってしまいます。

逆に、予報円の進行方向右側ギリギリに中心がくれば、今の強さのままでも日本にはほとんど影響がないこととなります。

予報円は「台風の範囲」と捉えられがちなので、そうでないことをしっかり把握しておきましょう。

サイト内にある台風の関連記事

本サイト内には、台風に関する関連記事が色々あります。

各シーンごとに、利用できる記事をご紹介しておきましょう。

記事タイトル
台風の際は網入りガラスが万能!窓対策には養生テープも?
台風とは?読めば納得 今さら聞けない台風の基礎知識
台風に備えるものや、台風接近前に必要な準備とは?
台風の断面図でみる大雨被害!スパイラル&アウターバンドに注目
爆弾低気圧の被害は広範囲~強風による影響を詳しく解説!

台風を詳しく確認するなら気象庁の「台風情報」が便利!

今回は台風について、いろいろと一緒に学んできました。

今回の情報を把握して天気予報を見れば、これまでより詳しく内容を知ることができます。

そして、台風の状況を詳しく知るなら、「気象庁の台風情報」にアクセスしましょう。

台風の現在と今後の動きを、シンプルに把握することが可能です。

地図上の予報円の中にカーソルを置く(スマホでは画面を動かすと)と、中心気圧や中心付近の最大風速、最大瞬間風速などの詳細情報も確認できます。

因みに台風の風が左回りなのは、北半球では地球の自転が左回りに回転しているから左回りなのですよ!

これは、防災士の試験にも出題されていました。

参考サイト
気象庁 台風の大きさと強さ
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html
気象庁 台風の番号とアジア名の付け方
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html
気象庁 台風情報の種類と表現方法
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/7-1.html
気象庁 台風情報
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#4/35.675/142.207/&elem=root&typhoon=all&contents=typhoon

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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