台風とは?読めば納得 今さら聞けない台風の基礎知識

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日本には毎年必ず台風がやってきて、大きな被害をもたらして去っていきます。現在のところ、台風を止めたり消し去ったりする手立てはありません。

そもそも台風って、どこでどうやってできるのでしょう。また、台風の名前の付け方や、台風の強さを表す「勢力」とはどのような階級分けになっているのでしょう。

台風は身近で嫌な存在ですが、意外にその内容について知らないことも多いのです。そこで今回は、台風とはどんなモノなのか「台風の基礎知識」について学んでいきましょう。

目次

台風が発生するメカニズムとは!?必ず海上で誕生する

台風は、必ず海上で誕生します。大抵の場合、日本の南に位置する熱帯地方の海上で発生しています。海水の温度が高く、雲ができやすいので台風が誕生する条件が揃っているのです。

台風が誕生するステップ

台風が誕生する過程は、3ステップで解説することができます。分かりやすいように、図も作ってみました。

H4 【ステップ1】

熱帯の海上に空気の渦ができます。一度空気の渦ができると、海上で発生した水蒸気を含んだ空気が流れ込んできます。

【ステップ2】

空気の渦からやがて、上昇気流が発生します。この時点で、水蒸気を含んだ空気はどんどん流れ込んできます。やがて、流れ込んでくる水蒸気が水粒に変わるのですが、この時に多くの熱が放出されます。放出された熱によって、さらに上昇気流が強くなるのです。

【ステップ3】

水蒸気を含む空気が集まって積乱雲に発達します。この積乱雲の中には、空気の渦が残っていて、積乱雲に合わせて空気の渦も大きく成長するのです。こうして、台風の元となる熱帯低気圧が誕生します。

その後、熱帯低気圧がさらに発達すると、台風が誕生するのです。

熱帯低気圧が発達した台風と温帯低気圧との違い!?台風は前線を伴わない

熱帯低気圧が発達したものが台風となるのですが、別にもう一つ、「温帯低気圧」と呼ばれるモノがあります。

その温帯低気圧と台風との違いを、見てみましょう。

温帯低気圧は、異なる2つの空気の衝突で誕生する

先ず、温帯低気圧の特徴ですが、温かい空気と冷たい空気の、異なる2つの空気が衝突することで誕生します。

【POINT】

・風速:中心付近よりも周囲の方が風が強い

・等高線:中心付近で混む形となる

・前線:温暖前線と寒冷前線を持ち、前線の両側の温度差が目立ち、風の方向も異なる

・発生時期:年中いつでも発生する

台風の元である熱帯低気圧は前線を伴わない

台風の元となる熱帯低気圧は、先の温帯低気圧と違い前線を伴いません。また発生時期も、温帯低気圧は年中発生するのに対し、熱帯低気圧は海面温度が高い夏から秋の間が多く、真冬には発生しません。

【POINT】

・風速:中心に近づくと激しく強くなる

・等高線:中心付近で急に混んだ形となる

・前線:伴わない

・発生時期:夏から秋にかけて

台風の定義とは!?最大風速が17.2m/s以上の熱帯低気圧

熱帯低気圧の最大風速が17.2m/s以上(10分間平均)になると、台風と呼ばれます。

また、台風とは日本独特の呼び方で海外では「ハリケーン」「サイクロン」と呼ばれています。

呼び方が変わる境界 赤道&東経180度

台風は赤道と東経180度を境界にして、呼び方が変わってきます。

 

サイクロン 赤道より南のインド洋・南太平洋地域
ハリケーン 赤道より北で東経180度より東の地域・大西洋
台風(タイフーン) 赤道より北で東経180度より西の地域・東アジア周辺の太平洋

発生した台風には、140の「アジア名」がつけられる

「アジア名」とは、アメリカとアジア各国で構成された台風委員会が定めたもので、1番から140番まで決まっていて、発生した順番から付けられていき141番目の台風は、もう一度1番の名前が付けられます。

台風のアジア名の一覧(抜粋)

ではここで、台風のアジア名の一覧をご紹介しましょう。140全ては無理なので、一部抜粋してご紹介します。

 

提出国 呼名 カタカナ 意味
1.カンボジア Damrey ダムレイ
2.中国 Haikui ハイクイ イソギンチャク
3.北朝鮮 Kirogi キロギー 雁(がん)
4.香港 Yun-yeung インニョン カモの一種

(オシドリ)

5.日本 Koinu コイヌ こいぬ座

中略

139.米国 Lan ラン
140.ベトナム Saola サオラー ベトナムレイヨウ

出典:気象庁 台風の番号とアジア名の付け方

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html

日本ではなぜ「台風〇号」と番号でよぶのか!?

日本以外の各国は、先にお伝えした「アジア名」で台風を呼んでいます。ですが、日本では「台風〇号」と番号で呼んでいるのです。なぜ、日本だけ番号で呼ぶのでしょう。

1953年(昭和28年)以前はアジア名で呼ばれていた

日本でも1953年(昭和28年)以前は、アジア名で呼ばれていました。ですが、1953年からは分かりやすいし、調査・研究で使う際にも整理しやすいという目的で、番号で呼ばれるようになったのです。

確かに、「台風ジェラワットは、現在沖縄の南海上を・・」というよりも、「台風3号は・・」と呼んだ方が、カンタンでイメージしやすいです。まあ、その呼び方に慣れていることもあるのでしょうけれど・・

台風の右側が風も強く危険な理由は反時計方向に回転しているから!

台風を中心としたとき、右側の地域の方が風も強く危険であるといわれています。その理由は台風が反時計方向に回転しているからなのです。

台風を動かす風の向き+中心に吹き込む風がプラスされる

台風の右側が危険な理由は、台風が反時計方向に回転しながら進んでいるからです。回転する台風の中心に向かって風が吹き込んでくるので、右側の方が風の勢力が増しているのです。

逆に、台風の左側は台風を動かす風の向きと、吹き込む風の向きが異なり互いに打ち消してしまうので、右側ほど強くなりません。

右側は風だけでなくスパイラルバンド・アウターバンドで豪雨になる

台風の外側には、スパイラルバンドと呼ばれる降水帯が存在しています。そして、スパイラルバンドの外側には、アウターバンドと呼ばれる降水帯があり、共に渦巻く風の強い右側の方が降水帯が発達しています。

その結果、台風の右側は風も強く豪雨になってしまうのです。台風の進路を確認して、右側の地域に入ってしまうなら、最大限の警戒をする必要があるので覚えておきましょう。

台風の左側でも十分危険なので油断は禁物です。

今回は台風についての基礎知識を、改めて執筆してみました。全てご存じだった方もいらっしゃるでしょうし、初めて知った方もいらっしゃるでしょう。

また、台風の右側がとても危険と記事内でお伝えしていますが、左側でも十分危険なので「左側だから大丈夫でしょう」と油断しないでください。

台風は左右どちらでも十分危険なモノなので、台風が発生したら気象情報を注意して確認するようにしてください。そして、早めの対策も忘れずに行いましょう。

 

出典:気象庁 台風の番号とアジア名の付け方

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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