「私は天ぷら火災は起こさない!大丈夫!」と、自信をもって言われる方も大勢いらっしゃいます。
最近のコンロには、「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」が義務付けられているので、天ぷら火災は減少傾向にあります。
ですが、ゼロにはなっておらず未だに府県単位で年間数十件の、天ぷら火災が起きているのが現状です。
そこで今回は、天ぷら火災についての疑問を、「ニャン太とシゲネコ」が、アレコレ考えてみます。
そもそもなんで天ぷら火災が起きるのか!?
天ぷら火災って、料理中に天ぷら油をそのままコンロにかけていて、油の温度が上昇して発火するんでしょう?どうして、料理中にそんなことが起きてしまうのかな?
大阪中央消防署によると、天ぷら火災が起きた原因は次のようになっているみたいだよ。
・加熱中にトイレに行ってしまった
・寝てしまった
・別のこと(支度)に気を取られた
・火を切り忘れた
う~ん・・どれも信じがたい状況ですが、これが現実なんだよねぇ。
コンロって、天ぷら火災を防止するための安全装置が付いているって聞いたけど、本当なの?
平成20年10月1日以降に製造・輸入されたガスこんろには、バーナー全口に「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」の装着が義務付けられているね。
ほうほう。で、その「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」ってなにかな?
「調理油過熱防止装置」とは、こんろのセンサーが鍋底の温度を検知し,250℃になると自動的に消火して油の発火を防ぐ装置なんだ。油の発火温度は370℃なので、十分発火する前にコンロの火が消える仕組みとなってるんだよ。
「立ち消え安全装置」とは、煮こぼれや吹きこぼれ,強風などで火が消えた時に,ガスの供給を停止する装置で、ガス漏洩による火災を防ぐ役割をしているよ。
へぇ~そうなんだ!じゃあ、「調理油過熱防止装置」が付いているのに、なぜ天ぷら火災が起きるのかな?
次の写真を見て欲しんだけど、例えば2口のガスコンロの場合「立ち消え安全装置」は、両方についているけど、「調理油過熱防止装置」は、片方にしかついていないんだよ。
ガスコンロの正しい使い方は、揚げ物をする時は「調理油過熱防止装置」がついている方を使用するんだけど、「調理油過熱防止装置」がついていない方で揚げ物すると、自動では消えないんだよ。なので、放置すると天ぷら火災が起きてしまうんだ。
お~!!!それは、ヤバいですな・・
IHコンロなら大丈夫!?そんなことはありません!
じゃあ、ガスコンロの使い方が悪い訳だから、IHコンロにすれば天ぷら火災は防げるんじゃないのかな?
そうは行かないんだなぁ!これも、大阪市が実験していることだけど、IHクッキングヒーターでも天ぷら油火災は発生してしまうんだよ。次の写真を見れば分かるように、IHクッキングヒーターでも、正しい使い方をしないと天ぷら火災は起きてしまうんだ!
そうなんだ!じゃあ、どうすれば、天ぷら火災を防ぐことができるのかな?
そうだね。やはり、ガスコンロにしてもIHクッキングヒーターにしても、説明書通りの正しい使い方をすることと、調理中は絶対にコンロから離れないことだね!
天ぷら火災時の初期消火の方法
この前、天ぷら火災の時に、マヨネーズのチューブを放り込めば消えるって聞いたけど、本当なのかな?
マヨネーズを放り込めば、一時的に温度が下がるので原理的には火は消えるんだけど・・
だけど・・??
マヨネーズのチューブを「放り込む」と、どうなると想う?
油が、バシャァーって飛び散る・・かな?
そうそう!火が付いているのは、鍋の中の油の表面だけなんだけど、油が外に飛び散ると鍋の外にも火が広がるので、逆に火災を加速させてしまうんだよ。
じゃあ、水を大量にかけるとか・・
イヤイヤ!それは、絶対にやってはダメなことだよ!!燃えている油の中に水を入れると、飛び散って一瞬で当たりが火の海になるからね!
なら、天ぷら火災の時には、どうするのが一番いい消火方法なのかな?
うーん、そうだねぇ・・要は空気を遮断すれば火は消えるから、濡れタオルを鍋を覆うように被せる!って方法が有効らしいけど、おススメはできないね。
どうして?有効だったらいいじゃん。
だって、鍋の油に火が付いている状態で、冷静に次のことを行えるとは思えないからねぇ。
1:タオルを複数枚用意する
2:タオルを濡らしたあとしっかり絞る
3:長い棒などに濡れタオルを二つ折りにして掛ける
4:火の出ている鍋にタオルを覆いかぶせる
5:複数枚のタオルを同じように覆いかぶせる
どう?ニャン太はできると思う?
ムリムリ!絶対ムリ!
そうでしょ!原理的には分かるけど、いきなり火が出た台所ではできないよね。
え~!そしたら、天ぷら火災は起きたら消せないってことなのかな??
そうじゃないよ!今は天ぷら火災用の小さな消火器や消火剤が販売されてるから、これらを台所に常備しておくとイイね!費用も1,000円~2,000円で購入できるから、準備しておこう。
まぁ!とにかく、天ぷら中は絶対にどっか行っちゃダメ!ってことだね。
そうそう!それさえ守っていれば、天ぷら火災にはならないからね!