災害現場にコロナ禍がもたらした影響は、さまざまあります。
「感染の心配がある・ずっとマスクをしていないとダメ・消毒が面倒・コミュニケーションスペースがない」など、デメリットばかりのように思いますが、実はメリットもあるのです。
それは、段ボールパーティションや段ボールベッドが、全国の避難所に整備されたことです。
避難所でのパーティション問題は、プライバシー保護の観点から必要性が叫ばれていました。
ですが、コロナ禍以前では、段ボールパーティションの種類は少なく、価格もそれなりに高価だったのです。
ところが、コロナ禍になりソーシャルディスタンスが必須となり、避難所の運用マニュアルも改定されました。
また、ニーズが増えたことで製造メーカーも増えて競争となり、リーズナブルな価格になったことも大きなメリットです。
現在では、リーズナブルな段ボールパーティションが販売されています。防災新聞サイト内でも、段ボールパーティションの商品紹介を行っていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
国のプッシュ型支援にて必要とする全ての避難所で境整備が完了
令和3年5月に内閣府(防災担当)が公表した「避難所における新型コロナウイルス感染症対策等の取組事例集」では、熊本県では必要とする全ての避難所で整備が完了と報告されています。
また、令和2年5月の内閣府特命担当大臣記者会見でも「自治体に対して、段ボールベッド、パーティション、マスク等の備蓄やホテル等の借上げに要する費用について、地方創生臨時交付金が活用できる旨を周知している」
と明言しているので、令和4年2月現在ではほぼ100%近く、各自治体の避難所に整備は完了しているでしょう。
指定避難所以外の公民館は地域で購入する必要がある
各自治体では、指定避難所での段ボールパーティションは整備しているものの、公民館など地域の避難所までは未整備となっています。
ですが、現在では段ボールベッドとセットになったパーティションが、10,000円(税込)~15,000円(税込)で購入できるので、地域の自治会費でも購入ができそうです。
高さがあり過ぎると、夏は使いづらい欠点もある
避難所への段ボールパーティションが普及した理由は、先にもお伝えしたとおりコロナ禍における「避難所での感染対策」によるものです。
残念ながら、避難所生活をラクにする目的ではありません。
ですから、パテーションは飛沫対策として1.5mから1.8mの高さがあり、1.8mになると夏場は風通しが悪く、パーティション内の温度は非常に高くなってしまうデメリットもあります。
実際に2020年9月に発生した台風10号では、佐賀市内での避難所でコロナ対策として、1.8mの段ボールパーティションを用意しましたが、「暑い!」と使わなかったり、低い仕切を使う人もいたようです。
実際にどんな段ボールパーティションがあるのか見てみよう!
防災新聞では、商品紹介記事もラインナップしています。
そこには、段ボールパーティションの紹介もあるので、実際に紹介記事でどんなパーティションがあるのか見てみましょう!
参考サイト
武田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年5月29日
https://www.cao.go.jp/minister/1909_r_takeda/kaiken/20200529kaiken.html
内閣府(防災担当)
避難所における新型コロナウイルス感染症対策等の取組事例集
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/coronajirei.pdf
読売新聞オンライン
コロナ用心、避難所に高さ1・8mの段ボール間仕切り…「暑い」「風通し優先」使わない人も
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200908-OYT1T50100/