南海トラフ地震の被災範囲は能登半島地震被害の何倍になるのか?

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2024年1月1日に発生した、令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被害を受けられた皆様の安全と、1日でも早く平穏な生活に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。

元旦に発生した能登半島地震を目の当たりにして、いつ起きてもおかしくない南海トラフ地震の被災範囲を改めて考えてみました。

今回能登半島全体が被災したと考えると、被災面積は約2,404平方キロメートル、約16万人が災害の影響を受けたことになります。

もしも、南海トラフ地震が起きればどうなるのでしょう。また、今回の災害の教訓から自治体や個人単位で、どのような対策が必要なのかも考えてみます。

目次

南海トラフ地震の影響範囲は距離で約2,650km以上にもおよぶ

国土交通省 中部地方整備局 南海トラフ巨大地震を知る

南海トラフ地震の影響範囲は静岡県から宮崎県にかけて広範囲に渡り、さらに淡路島と四国全域が被災すると想定されています。

先ず、静岡県から宮崎県までの太平洋沿岸と瀬戸内海沿岸の大よその距離をGoogleマップで計測してみると、約1,500kmとなりました。

これに、淡路島と四国全周の距離を足すと、約2,650kmもの距離にて被災が想定される範囲となります。

能登半島一周の距離が約300kmなので単純計算すると距離として、今回の能登半島地震の約9倍の地域が被災します。

距離で計算すると約9倍ですが、被災規模は比べ物にならないほど広範囲にわたってしまうでしょう。

静岡県から宮崎県までの沿岸の距離約1,500km
淡路島一周の距離約150km
四国一周の距離約1,000km
合計約2,650km

改めて南海トラフ地震の被害想定を確認

ここで改めて南海トラフ地震が起きた際の、内閣府が発表している被害想定を確認しておきましょう。

項目被害数
死者数最大32万3,000人
全壊および焼失棟数最大238万6,000棟
上水道最大3,440万人が断水で使用不可能
下水道最大3,210万人が利用困難
停電最大2,710万軒
都市ガス最大180万戸供給停止
固定電話最大930万回線が通信不能
携帯電話大部分の通話が困難
道路・橋梁等の破損最大4万箇所
鉄道被害約1万9,000箇所
港湾被害(係留施設)約5,000箇所
港湾被害(防波堤)126~135km
空港浸水被害中部国際・関西国際・高地・大分・宮崎空港
帰宅困難者京阪都市圏:660万人・中京都市圏400万人
避難者(発災1週間後)最大950万人
食料不足(発災後3日間合計)最大3,200万食不足
飲料水(発災後3日間合計)最大4,800万リットル不足
医療機能(入院)15万人が未対応
医療機能(通院)14万人が未対応
経済的被害最大215兆円

数字が大きすぎてピンとこないと思いますが、被災すれば被災地以外からの救援物資は届かないと考えた方がよい状況です。

また、地域の消防や警察も被災するため、救助活動もこれまでの災害のように迅速に実行できない状況に陥ることがわかります。

想像を絶する事態になることが読み取れる

この被害想定を見れば、南海トラフ地震による被害は想像を絶する事態になることが読み取れます。

発災後1週間の避難者が最大で950万人との数字は、現在の公的避難所ではカバーできない人数です。

また、飲料水が不足するだけでなく最大3,210万人がトイレを使用できない状況は想像すらできません。

今回の能登半島地震での被災地でも、トイレ問題は大きく報じられています。

南海トラフ地震ではこの比ではないトイレ被害が起きるため、被災地の衛生状態がどうなるのか心配になります。

災害に備えるためには何が重要なのか?

気象庁 南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ

南海トラフ地震に備えるには、何が必要なのでしょう?10mに達する大津波が予想される地域では、住宅の耐震補強が十分でも自宅から逃げなければいけません。

しかも、震度7クラスの揺れが襲った直後に逃げる状況となるため、冷静な避難ができるかがカギとなります。

また、津波から逃げ切れた後でも、これまでの震災時と同様に強い地震が複数回に渡って繰り返すため、自宅に戻ることは困難といえるでしょう。

避難先を見極めて少しでも備蓄しておくことが重要

内閣府 南海トラフ地震防災対策推進地域の指定

現在、南海トラフ地震対策として上図の緑色に着色された地域は「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されており、総合的な地震防災対策を推進しています。

そのため各自治体にて確実な避難の呼びかけなど、さまざまな対策が実施されています。

ただし、避難についての責任は個人が率先して行う必要があり、家族全員で避難行動についての話し合いが重要でしょう。

また、飲料水や食料を防災リュックに用意して避難時に持ち出せることも重要です。

  • 避難するなら防災リュックが重要
  • 自宅に留まるなら備蓄が重要
  • 携帯トイレや簡易トイレなど防災グッズの準備も重要

南海トラフ地震では避難が長期化するため、トイレ問題が重要です。せめて数日間は携帯トイレや簡易トイレで凌げれば、少しは安心できるでしょう。

その後は、状況によって被災自治体や外部からの救援を待つしかありません。

個人で重要なのは備蓄と確実な避難の2つ

災害に個人で対応できるのは、備蓄と確実な避難の2つだといえます!

住宅の耐震補強も挙げられますが、費用が高額なため誰もが行うことは現実的に不可能といってよいでしょう。

そのため、個人で自分や家族の命を守るには備蓄と確実な避難の2つが重要です。

それ以外のことを考えてみても、地震災害は突然襲ってくるのでむつかしいはずです。

従って、防災リュックに飲料水と食料、携帯トイレなどを準備しておく、自宅避難するならそれなりの備蓄をしておくことが自分や家族を守る結果につながるはずです。

マンガで解説!南海トラフ地震その日が来たら・・・

気象庁ではマンガにて、南海トラフ地震が起きた際の避難行動などを掲載してマンガを公開しています。

東側編:四国沖で先に地震が発生すると想定した南海トラフの東側地域にお住まいの方向け

西側編:静岡沖で先に地震が発生すると想定した南海トラフの西側地域にお住まいの方向け

まとめ

元旦に起きた能登半島地震の被災状況を目の当たりにして、もしも南海トラフ地震が起きるとどうなるのか?改めて被害状況を確認してみました。

被害想定はあまりに大きすぎて信じがたく、イメージすれば恐ろしい事態になることは分かります。

そして、個人でできることを考えると、飲料水や食料、携帯トイレ、簡易トイレ、防災グッズなどを備蓄すること。

そして、津波被害が予想される地域では確実に逃げること。津波被害がない地域でも、自宅避難が無理なら避難所に確実に避難することが重要です。

そういう筆者も自宅避難するために、もっと備蓄を充実させたいと思います!

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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