TOKYO FM「防災 FRONT LINE」1月の情報まとめ

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ライターの永野です!

新しい1年の幕開けとともに、日本を襲った地震…。皆様のお住まいの地域は、大丈夫だったでしょうか?

岐阜県の下のほうに住んでいる私も、知り合いの方からご心配のお声を多くいただきました。震度3、いままでに体験したことのないようなグワングワンとするいやーな感じの揺れ方がけっこうな時間続き危機感を覚えましたが、大きな被害もなくその後も平穏な日々を過ごしております。

改めて、被害に遭われた地域の皆様へ心からお見舞い申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈りいたします。

災害時、テレビやインターネットに加え、貴重な情報源となるのがラジオです。TOKYO FMでは、災害に関する様々な情報を短時間で届ける「防災 FRONT LINE」という番組を放送しています。

今回は、1月の「防災 FRONT LINE」の放送内容をもとに、災害時、そして生活のなかで役立つのでは?と思う内容をまとめました。

目次

TOKYO FM「防災 FRONT LINE」とは

TOKYO FMで毎週土曜日、午前8時25分から放送中の「防災 FRONT LINE」は、災害時のとっさの行動、知っておくと安心な情報などを提供する番組です。パーソナリティは、アナウンサーの手島千尋さん。5分間の短時間の番組で、毎回取り上げられるトピックは1つなので、気軽に視聴できるのも特徴です。

永野

リアルタイム視聴でもちょうどいい時間だよね!

TOKYO FMは東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県を放送地域としていますが、有料のradikoプレミアムに加入していれば、全国どの地域でも視聴できます。また、AuDeeの『防災 FRONT LINE』チャンネルでは、東京都の各自治体の防災に関するコンテンツを配信しているので、都内にお住まいの人はチェックしてみるとよいでしょう。

「防災 FRONT LINE」の番組Webサイトでは、過去の放送を文字化した記事を読むこともできますので、興味を持ったらぜひ昨年の放送内容も読んでみてください。

参考:防災 FRONT LINE|https://www.tfm.co.jp/bousai/

「防災 FRONT LINE」1月6日のオンエア内容

ここからは、1月のオンエアを聞いて、筆者が調べたい、お伝えしたいと思った内容を紹介します。まずは、1月6日のオンエア内容です。

提供された情報

1月6日のテーマは、1月1日に起きた「令和6年能登半島地震について」でした。石川県志賀町で震度7を観測した能登半島地震は、6日現在救助作業が難航しており、捜索が続いている状態。避難者も日々増加し、1月5日時点での石川県全体の避難者は3万3千人以上でした。

被災地域では物資不足が深刻で、輪島市では1万人以上の避難者に対し、食料3千食、500ミリリットルの水5,000本しかない状況だったといいます。本来、1万人に対して必要な食料は1日3万食、500ミリリットルの水5万本ですので、圧倒的な食料不足だったことがわかるでしょう。

永野

全然足りてない…

こうした情報を受け、「支援したい」と思う人は少なくありません。しかし、1月6日時点で石川県は、個人からの支援物資の受け入れは困難であるため「控えて欲しい」と呼びかけていました。

令和6年能登半島地震の被害と現状

1月6日の放送からおよそ3週間。発災から間もなく1ヵ月を迎える能登半島地震の被災状況はどのように変化したのでしょうか。NHK NEWS WEBによると、1月28日時点での死亡者は、石川県で236名。このうち災害関連死の疑いがあるのは15名だといいます。重軽傷者は県内全体で1,178人で、発災直後は3万人を超えていた避難者は、28日現在、県内全域で1万4,544人いるようです。

また、住宅被害は能登地方を中心に4万3,766棟と発表されています。ライフラインが復旧していない地域もあり、能登地方では未だ3,300戸が停電状態。断水はさらに多く、およそ4万2,490戸です。

災害ボランティアや支援物資に関する注意点

オンエア時点では、個人からの支援物資に加え、災害ボランティアの募集も行っていませんでした。企業からのまとまった支援物資は県の厚生政策課で受け付けていましたが、もし「災害ボランティアに行きたい」と思ったり、個人や企業で支援物資を送ったりする場合には、どういった点に注意するとよいのでしょうか。

支援物資は、独断で「これがよい」と思ったものを自由に送るのではなく、必要な物資や届けるタイミングを事前に被災地の担当課に確認しましょう。

被災地では自治体で働く人が被災して人手が足りていない、設備が壊れてしまい正常に機能できていないこともあり、そこにさまざまな問い合わせがくると職員の方の負担を大きくしてしまいます。「控えていただきたい」と自治体からのコメントがあった場合には物資を送らないこと、電話での問い合わせなども控え、自治体から発信される情報を待つことも大切です。

災害ボランティアは、現地に行くまでに準備をするのも欠かせません。政府広報オンラインでは、「災害ボランティア活動の始め方」というタイトルで、事前に心得ておきたい内容が掲載されています。

災害は起きないのがベストですが、もし国内のどこかで大きな災害があり、ボランティアが必要となった場合は、自治体の情報を待つあいだに重要な情報を確認しておくとよいでしょう。

参考:NHK NEWS WEB|https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240128/k10014337881000.html
政府広報オンライン|https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201909/4.html

「防災 FRONT LINE」1月13日のオンエア内容

1月13日のオンエアでは、防災システム研究所所長・防災危機管理アドバイザーの山村武彦さんの解説を交え、「保険」に関する情報が届けられました。

提供された情報

2024年に大きく変わる「水災保険」。山本さんによると、これまでは一律で保険料が決まっていたのが、今後は1等地から5等地まで、土地が5段階の等級に分けられるといいます。水害の危険性が特に高いところが5等地、リスクが低いところは1等地となり、5等地は掛け金が約1.5になる可能性もあるそうです。

東京周辺で5等地に指定されるのは、葛飾区や荒川区、江戸川区周辺の地域だと、山本さんは話します。山間地だけでなく、都市部でも5等地に分類される地域はあるので、自分が住んでいる地域が何等地かを早めに確認することは重要です。

また、水災保険は火災保険に付帯するもので、保険内容を確認すると「実は水災保険に入っていなかった」というケースもあるようです。水災保険に加え、自動車保険も車両浸水時の保険にかかわるものですので、山本さんは万一の場合に補償が減ってしまうことのないよう、各種保険の確認をするとよいと解説しました。

永野

私も保険の見直ししないとなぁ

水災保険は加入するべき?

前述の通り、水災保険は火災保険と一緒に契約するものです。火災保険の契約数は約2,000万件で、水災保険付帯率はこのうち約65%。水災保険を付帯していると、河川の氾濫はもちろん、局地的な大雨などでの建物の冠水、内水氾濫なども補償できます。

河川や海が近い場所や低地に住んでいる場合は、水害のリスクが高いので水災保険を付帯しておくと安心です。反対に高台などの浸水しにくい場所に住んでいる人は、水災補償をつけても月々の保険料が上がってしまうだけで、実は必要がほとんどないということもあります。ただし過去に土砂災害があった、山が近いという場所は、高台でも水災保険があったほうがよいでしょう。

地域によっては、保険料が約1.5倍にもなる可能性がある水災補償ですが、リスクの高い5等地は保険料が高くなってもいざというときに加入したほうがよいといえます。お住まいの地域が何等地かは、損害保険料率算出機構の「水災等地検索」で簡単に調べられます。

「水災等地検索」より

ちなみに、私の住んでいる市は2等地でした。

保険に関する記事をチェック!

防災新聞では、防災士でライターの栗栖さんが火災保険に関する記事を執筆しています

水災補償についても詳しく解説していますし、火災保険を選ぶ際のポイントもまとめているので、こちらも参考にしてください。

参考:損害保険料率算出機構|https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/touchi/

「防災 FRONT LINE」1月20日のオンエア内容

1月20日のオンエアでは、国際災害レスキューナース・辻直美さんが、災害時に使える液体ミルクについて解説しました。

提供された情報

避難者のなかには乳幼児も含まれ、発災後には大人と同じものが食べられない乳幼児の離乳食やミルクの確保も難しくなります。また、粉ミルクがあっても断水の影響で溶かせないのも、深刻な問題です。そこで役立つのが、溶かすためのお湯が不要で、常温保存もできる乳幼児用液体ミルクだと、辻さんはいいます。

液体ミルクは2016年の熊本地震の際に、フィンランドから緊急輸入されました。その後、国内でも製造・販売が行われるようになったので、2016年以前に乳児のお世話を終えている人にはあまり馴染みがないかもしれません。

永野

2016年だったのは初めて知った!

液体ミルクは調乳不要、常温で保管可能なのがメリットです。一方で価格が高く、消費期限が短い商品が多いのがデメリットですが、停電や断水が長期化した被災地では、液体ミルクがあるかないかは赤ちゃんにとって重要だと、辻さんはいいます。

都内の自治体では、新宿区や文京区など18区が乳児用液体ミルクを備蓄しています。世田谷区、足立区など5区は備蓄していませんが、台東区は発災時にドラッグストアから調達できる協定を結んでいるそうです。

液体ミルクにはどのような種類がある?

現在、国内で製造されている液体ミルクは5種類です。

・江崎グリコ「アイクレオ 赤ちゃんミルク」
・明治「明治ほほえみ らくらくミルク」
・明治「明治ステップ らくらくミルク」
・雪印ビーンスターク「液体ミルク すこやかM1」
・森永乳業「森永はぐくみ 液体ミルク エコらくパウチ」

筆者の子どもは2016年、2018年生まれで、思い返すと確かに当時、液体ミルクというものがありました。が、私は母乳がよく出るタイプで、新生児を終える頃には完全母乳に。2人とも哺乳瓶を徐々に嫌がるようになってしまい…。粉ミルクにもほぼお世話にならないまま卒乳しました。

オンエアでは「家庭によって方針はさまざまあると思いますが」と前置きし、「ミルクの味を赤ちゃんに知ってもらうのも、災害が起きたときに大切なことかもしれません」という話もありました。

当たり前の日常が続くなかでは不要なものも、いざというときには命を守るものに変わる可能性は大いにあります。「防災 FRONT LINE」の番組Webサイトには辻さんがオンエアでお話された詳しい内容も記載されているので、興味のある人はチェックしてみてください。

辻直美さんの書籍を読んでみよう

国際災害レスキューナース・辻直美さんは、さまざまな書籍を刊行しています。『地震・台風時に動けるガイド 大事な人を護る災害対策』では、家族を守るための自宅の防災などを学べるので、備蓄や災害対策を行う際の参考にするのもおすすめです。

プチプラ防災、防災ハンドメイドなど、楽しく、そして誰でも手軽に始められる防災を学べる書籍が多くありますので、手に取ってみてはいかがでしょうか。

「防災 FRONT LINE」1月27日のオンエア内容

1月27日も20日のオンエアに続き、国際災害レスキューナース・辻直美さんが登場。看護師の被災地医療支援についてお話されました。

提供された情報

東日本大震災や熊本地震をはじめ、国内外31の被災地で医療支援や救助活動を行ってきた辻さんは、阪神・淡路大震災の被災者でもあります。「被災しているけど、務めている病院に行かなければいけない」という状況のなか、真剣にやってきた防災訓練が何も生きておらず、少ない人数と資材で、なんとか目の前のことを必死でやりつないだと、当時の状況を振り返ります。

そんな阪神・淡路大震災がきっかけで作られたのが、災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)です。災害が起きてから48時間以内に現地に入り、命のレスキューをするのが仕事で、看護師はもちろん、医師や臨床学者などが1つのユニットとなって活動します。

被災地の医療支援にはもう1つ、「災害支援ナース」という仕事もあります。災害が起きてから72時間以降に現地に入る災害支援ナースは、「現地の医療機関のサポート」がメインの仕事です。とはいえ、現地の医療従事者も被災しており、病院も壊滅している可能性があるため、その場合は災害支援ナースが病院の機能を請け負い、約1ヵ月現地に滞在し、活動するといいます。

能登半島地震でも、DMATが救助活動などを行い、その後、災害支援ナースが医療支援を行っています。

1月で発災から29年となった阪神・淡路大震災

DMATのきっかけとなった阪神・淡路大震災は、1995年1月17日に起こった大地震です。被害は近畿圏広域に及び、死者は6,434人にも達しました。特に甚大な被害があったのは、兵庫県の淡路島や神戸市、芦屋市、西宮市などで、神戸市の市街地の被害は「近代都市での災害」として、国内だけでなく世界中にも衝撃を与えたといいます。

そんな阪神・淡路大震災では、初期の医療体制が遅れたことなどから「避けられた災害死」をされた方がおよそ500人いたそうです。

2024年1月17日で、発災から29年となりました。犠牲者を追悼する行事は現在も続いており、兵庫県神戸市の「東遊園地」では阪神・淡路大震災が起こった午前5時46分、そして能登半島地震が起こった午後4時10分にも黙祷が捧げられました。

災害医療派遣チームはDMAT以外にも

自衛隊や警察官など、被災地の状況に応じてさまざまな立場の人が派遣されますが、医療関連の派遣チームはDMATだけではありません。前述の「災害支援ナース」のように、DMATと入れ替わりで被災地に入るチームは「JMAT」と呼ばれます。

また、精神医療ニーズに対応する「DPAT]や、福祉支援を担う民間の「DWAT」、リハビリテーション関連の支援を行う「JRAT」、厚生労働省による「DHEAT」など、災害医療派遣チームはさまざまです。

放送地域の人は聞いてみよう!

1月の「防災 FRONT LINE」は、能登半島地震について取り上げる回が多い印象でしたが、そのなかでも毎回異なる情報提供があり、役立つ知識が得られました。パーソナリティの手島千尋さんは「さすがアナウンサー!」という聞き取りやすい話し方で、情報もスムーズに入ってきます。

TOKYO FMで放送中の「防災 FRONT LINE」は、短時間で役立つ情報を届けてくれる番組です。オンエアは毎週土曜の朝8時25分から。関東圏の方やradikoプレミアムに加入している方はぜひ視聴し、防災への興味や意識を高めるきっかけにしてください。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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