ムクドリ・ヒヨドリの被害は深刻!農作物被害のピークは約26億円

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今回は、ムクドリとヒヨドリの被害について、その状況と対策を確認してみたのでお伝えします。

ムクドリやヒヨドリは、1匹だけをみると可愛らしく害をおよぼす鳥には見えません。

しかし、ムクドリもヒヨドリも現在では、人間社会に悪影響を与える害鳥となっています。

農作物への影響はヒヨドリが多く被害額のピークは約18億円であり、ムクドリの被害額と合わせると総額26.26億円にものぼります。

また、ムクドリによる集団飛来にて、市街地などにおいての環境被害も深刻です。

目次

ムクドリとヒヨドリは害鳥!食害による被害総額のピークは約26億

ムクドリとヒヨドリに共通していえる被害は「食害」であり、いずれも野菜や果樹など農作物の被害は億を超えています。

特にヒヨドリによる被害が多く2019年(令和元年)の被害額を確認すると、ムクドリの被害額が1.78億円に対してヒヨドリの被害額は6.02億円と大きな被害となっています。

また、ヒヨドリの被害額がピークとなっている2002年(平成14年)には、ムクドリの被害額を合わせると26.26億円の被害が発生しています。

ムクドリとヒヨドリの被害額の推移を独自で検証

農林水産省が取りまとめている「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和4年度)」から、ムクドリとヒヨドリのみの被害を抽出してみました。

1999年(平成11年)から、2022年(令和4年)までの被害額をグラフ化したので見てみましょう。

農林水産省 農作物被害状況から独自集計

ヒヨドリの被害額は2002年(平成14年)の18.79億円をピークに、上下動を繰り返しながらやや現象傾向にあります。しかしこの年のヒヨドリとムクドリの被害総額は、26.26億円にものぼっています。

令和に入ってからは2019年(令和元年)の6.02億円から、2022年(令和4年)には約半分の3.64億円に減少。

一方でムクドリは大きな上下動なしに、2001年(平成13年)の9.06億円をピークに、2022年(令和4年)には1.71億円まで減少しています。

とはいっても、億単位の被害がでているのは確かなので、関係者に多大な損害が生じているのは間違いありません。

ヒヨドリの生態について

ヒヨドリはムクドリと混同されることが多いですが、生態は異なります。見た目はムクドリよりも尾が長く、灰色が強いです。

名前の由来は諸説ありますが「ヒーヨ、ヒーヨ」との鳴き声から、ヒヨドリと呼ばれるようになったといわれています。

また、ムクドリは柑橘系の果物が嫌いですが、ヒヨドリは柑橘系の果物から野菜、花や蜜を好んで食べます。

そのため、農作物への被害はムクドリよりも多くなります!

冬場には集団で行動するようですが、ムクドリのように常に集団で行動はしないようです。

ムクドリの生態について

ムクドリはクチバシと足が黄色いのが特徴で、体調はスズメよりも少し大きめです。

名前の由来は「椋(むく)の実」を好んで食べることから、ムクドリと呼ばれるようになったようです。

ヒヨドリと違うところは群れを成して集団で行動することで、近年では農作物の被害に加えて環境への被害も大きくなっています。

ムクドリとの戦いは世界遺産のある姫路でも勃発していた!

市街地では夕刻になるとムクドリが集団でやってきて、電線や街路樹に群がります。

特にエサを求めている訳ではありませんが、数百以上のムクドリがやってくるため鳴き声やフンなど環境被害が深刻です。

世界遺産である姫路城に向かうメインストリートの大手前通りでも、30年以上に渡りムクドリの鳴き声やフン被害に悩まされていました。

特にフン被害は世界遺産へのメインルートがフンだらけとなるため、観光資源への影響も大きく2015年からムクドリとの本格的な戦いが勃発しています。

ムクドリが嫌う特殊波動を発射する装置を採用

ムクドリに対して本格的な戦いを挑んだ理由は、大手前通りの再整備計画にありました。

大手前通りは、姫路駅から姫路城まで一直線の幅50mの道路です。

電柱はなく電線や電話線は全て地中に埋設し景観をよくしてありますが、さらに歩道や沿線の商店でカフェスペースなど「くつろぎの空間」を演出する計画でした。

しかし、ムクドリが押し寄せればフン被害で「くつろぎ」とはなりません。

そこで、ムクドリが嫌う特殊波動を発射する装置を採用しつつ、高木の街路樹を3分の1伐採してムクドリ対策に取り組んできました。

2023年現在ではムクドリは他の場所に移動

ムクドリと姫路市の戦いは、大手前通りでは姫路市に軍配が上がっています。

数年をかけて計画通り大手前通りの再整備が成功し、今年はムクドリもいないイルミネーションイベントも開催されています。

こども図書室のXより

多くの自治体がムクドリの環境被害で悩んでいる

ムクドリの環境被害に悩まされているのは姫路市に留まらず、全国の自治体の悩みの種になっています。

姫路市でも大手前通りからムクドリは消えていますが、ほかの場所に集まっています。

従って、ムクドリとはイタチごっこの戦いといってもよいでしょう

明石市では鷹がムクドリを追い払う

神戸新聞NEXT

明石市ではムクドリの対策として「鷹匠(たかじょう)」が採用され、当初は8日間でムクドリを追い払う予定だったのが、3日目には姿を消したようで効果は絶大のようです。

ムクドリやヒヨドリは鳥獣保護管理法により保護!駆除できない現実

ムクドリやヒヨドリの被害に悩まされている理由のひとつに、鳥獣保護管理法により保護されていることが挙げられます。

つまり法律で勝手に駆除してはならない鳥たちなので、その場から追い払うしか方法がないのです。

結局ムクドリやヒヨドリの総数は、自然淘汰されない限り減ることはありません。

そのため、1個所から追い払っても、違う場所に移動するだけなので根本的な解決には至らないのが現実です。

まとめ

今回は、可愛いけれど食害や環境被害を引き起こす害鳥である、ムクドリとヒヨドリについてお伝えしました。

ヒヨドリは農作物への食害が酷く、2019年(令和元年)には6.02億円もの被害額となっています。

ムクドリの食害も2022年(令和4年)には1.71億円であり、農作物へは億単位の被害が起きています。

ムクドリについては食害に加えて、市街地への襲来による鳴き声の騒音被害やフン被害が多く、全国の自治体の悩みの種となっています。

1匹だけをみると可愛らしい鳥たちですが、害鳥であることは間違いありませんね。

農林水産省 農作物被害状況 
日本産経新聞 姫路城 沿道も楽し 駅と結ぶ「大手前通り」再生へ(まちは語る)
神戸新聞NEXT タカ羽ばたき、千羽のムクドリ散る 害鳥駆除後はご褒美の肉

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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