今回は、現在検討されている自転車への青切符についてのお話です。
移動手段として自転車を使う方は多いはず。自転車は免許も不要で、幼稚園児の年齢から利用できる便利な乗り物です。
しかし、自転車が関係する交通事故の多発や、交通ルール違反などが多くなり段階的ですが、自転車への取り締まりが厳しくなってきています。
現在では青切符の導入が検討されており、自転車の交通違反も罰金制度になるようです。そこで今回は、自転車の青切符制度について考えてみましょう。
自動車と自転車の赤切符の違いとは?
道路交通法の改正によって2022年(令和4年)10月31日から、自転車の交通違反に対して「赤切符」が適用となりました。
信号無視・逆走・酒気帯びなどの道路交通法違反者に対して適用され「赤切符」を切られると、刑事処罰の対象になります。
これまでニュースなどで、自転車の取り締まりをしているシーンがよく流れていたのでイメージはしやすいでしょう。
ただし、自動車と自転車とでは赤切符の処罰が異なっています。
自転車の赤切符は自転車運転者講習で済む!
実際に悪質な自転車運転者に対して、これまで多くの赤切符が切られています。自動車や原付を運転していて赤切符を切られると、1発で裁判所に出向き罰金を収めないといけません。
一方で自転車の場合は、次のような罰則で済んでしまいます。
つまり、自転車の場合は1回赤切符を切られても、死亡事故や泥酔による飲酒運転などの重大なケースでなければ、裁判所に出向く必要はなく罰金も科せられません。
ただし、指定日に指定場所に出頭し、警察による事情聴取を受けることが必要で、悪質な場合には書類送検されて前科となるケースもあります。しかし実際には、書類送検された件数は全体の1~2%に留まっています。
自転車の「青切符」が切られると必ず罰金が発生する!
現在検討されている「自転車への青切符」は、道路交通法に違反した運転者に対する罰金刑です。
これまでは信号無視して赤切符を切られても「次からは気をつけます・・」で済むケースもありましたが、今後はそうはいきません。
現行の信号無視の罰金種類
現行の道路交通法での赤信号を無視した罰金は、次のようになっています。
- 大型車:12,000円
- 普通車:9,000円
- 二輪車:7,000円
- 小型特殊車:6,000円
- 原付車:6,000円
このように信号無視の罰金は大型車・普通自動車・二輪車・原付で金額が異なり、予想ですが自転車の場合は「原付」の罰金が適用され6,000円が科せられると思われます。
自転車の逆走は直ぐに違反とはならないかも?
2022年10月31日から自転車による逆走も、道路交通法違反となっています。
みなさんの地域でも、主要な道路には、青色や緑色などに着色された自転車通行帯があるはずです。
そして自転車も左側通行が原則となり、右側通行すると「逆走」として取り締まりの対象になります。
この逆走、未だに知らない方が多いのか守れていない運転者が多くいるのが現状です。
例えば、通学に自転車を使っている高校生などは、逆走しているケースが多く見られます。
ただし、自転車が左側通行するには道路を横断する必要があるため、横断歩道の場所までは逆走になるケースも多いはず。
そのため、自動車のように簡単に直ぐ「違反だ!」とはいえないでしょう。
「青切符」は何歳から適用される?中学生でも要注意な理由
「自転車=軽車両」であるため交通規則が適用されることは、原付免許や普通自動車免許を持っている方なら、試験勉強しているので知っているはずです。
しかし、幼稚園児や小学生では親が教えない限りルールを知ることはないでしょう!
そのまま大きくなると、免許を取得するまでは交通ルールを知らないまま自転車を運転することとなります。
警察庁による(案)では16歳以上が罰則対象
警察庁が公開している「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」資料によると、交通違反を犯した自転車運転者の年齢(案)は、16歳以上の者となっており、原付免許を取得できる年齢を基準にしています。
かといって16歳未満の方が「罰金がない」と、安心してはいられません。
14歳以上なら講習が、14歳以下でも児童相談所への通告がなされる
14歳以上であれば、赤切符の対象となり自転車運転講習の受講が科せられます。
実際に15歳で4名が講習を受講していることから、中学生以上はルールを守らないと赤切符が切られるのは事実です。
また14歳以下であっても、刑罰は科せられませんが、児童相談所への通告などが行われます。
「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」資料では、次のように記載があります。
14歳未満の者が危険な違反を行ったことが確認された場合には、個人を特定しない形で、その情報を警察・学校・地域で共有し、自転車の交通安全教育や広報啓発に活用していく(例:違反をしやすい場所、ルール等に特化した交通安全教育を学校で実施)
「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」資料
小学校での自転車運転授業は必須となる
14歳以上であれば自転車の違反にて赤切符の対象となり、16歳以上なら青切符が切られて罰金を支払うこととなります。
交通ルールを勉強するなら、家庭でなく学校が最適だと感じます。地元の警察とタイアップして、実際に校庭にて交通ルールを教えることが重要でしょう。
そうしないと、高校生になって知らずに罰金を受ける可能性も高くなります。また、人身事故を起こし、人生が台無しになる可能性もゼロではありませんからね。
令和4年度の警察による交通安全教育の講習内容別の人数割合
「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」資料によると、令和4年度の警察による交通安全教育の講習内容別の人数割合は上記のグラフのとおりで、中学生の方が小学生より多くなっています。
しかし「今後は小学生に対する自転車の交通安全教育を全面的に充実させていく」と資料にあるため、小学校での自転車運転授業は必須となるでしょう。
まとめ
現在検討されている「自転車運転者への青切符」が導入されると、16歳以上は「逆走・信号無視・二人乗り・スマホやイヤホン使用・傘さし」などの交通違反にて、罰金を支払うこととなります。
また、14歳以上であれば赤切符にて自転車運転者講習を受ける可能性もあるのです。
そのため、自転車の交通ルールは親が教えるのはもちろんですが、小学校で必須授業として取り入れて欲しいものです。
ただ取り締まるのではなく、小さいころからの教育が安全運転には重要だと感じています。
参考サイト
「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」資料
道路交通法施行令(別表)の抜粋
公明党 【主張】自転車違反に青切符 ルール順守の意識高める契機に