20年前の夏の気温は?東京の夏の気温の変化から見る、原因と対策

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ライターの永野です!

「秋なのに暑い!」と思っていた10月から一変、2日前くらいから急に冬の空気になり…。北のほうでは雪もちらついているようですね。

我が家でもストーブを出したり厚手のパジャマに取り替えたりと、冬支度が進んでいます。

暑さも寒さも「異常」と感じることの多い昨今。夫とは「子どもの頃はエアコンなんか夏場に数えるほどしかつけなかった」「天気予報で沖縄が30度っていうのを見て『暑そうだな』と思っていたのに」と、夏の気温について話すことも多いのですが、実際、20年前くらいの夏って、どれくらいの気温だったのでしょうね?

というわけで、今回は20年前の夏の気温について解説します。当然、地域差があるので、東京の20年前と現在の気温の比較や変化を調べました。気温上昇の原因と対策にも触れているので、地球が抱える問題について考えるきっかけになれば幸いです。

目次

【2023年調べ】20年前の夏の気温は?全国の最高気温は38.2度!

2023年の20年前というと、2003年ですね。2003年がどんな年だったかを振り返りつつ、当時の東京の夏の気温、全国の最高気温を見てみましょう。

20年前は2003年!一体どんな年?

2003年(平成15)年の世界での大きな出来事というと、イラク戦争開戦とSARSの流行ではないでしょうか。イラク戦争については、自衛隊の派遣が決定するなど、日本国内にも大きな影響を与えました。

国内では、本木ヒルズのグランドオープンや日本郵政公社発足、阪神タイガースの18年ぶりリーグ優勝などが、注目のニュースとして記録に残っています。

永野

私は中3でした…

【東京版】20年前の夏の気温

気象庁によると、20年前の東京の夏(7~9月)の気温は下図の通りです。

東京都平均最高最低
7月22.8℃31.9℃17.7℃
8月26.0℃34.3℃18.4℃
9月24.2℃34.3℃13.9℃

あくまで個人の感想ですが、「え、平均気温低くない?」と思いました。東京といっても場所によって気温は異なるので一概にはいえませんが、20年前のほうが圧倒的に涼しいのではないでしょうか。

東京の気温といいましたが、岐阜県多治見市の20年前の夏の気温も調べてみました。多治見市は日本一暑いスポットの1つに数えられる、筆者の住む街のすぐそばにある地域です。

多治見市平均最高最低
7月23.6℃28.7℃20.0℃
8月27.0℃32.6℃22.9℃
9月24.6℃30.6℃19.9℃

平均気温は東京よりやや高めですが、全体的にそこまで暑くなさそうな印象です。最高気温と最低気温の幅が東京よりも狭いのは、地域がピンポイントに絞られているからでしょう。

2003年の最高気温はどこ?

いちのみやお天気センターのデータによると、2003年の最高気温は群馬県伊勢崎市の38.2℃。これは8月4日の記録で、同市は翌日の37.5℃で、2003年2位の暑さも記録しています。3番目に暑かったのは9月3日の静岡県天竜市、8月23日の山梨県大月市で、37.5℃でした。

上記を含み、37℃を上回ったのは20回で、愛媛県や富山県、新潟県、岡山県、兵庫県、三重県など、関東甲信越以西の幅広い地域が該当します。この頃は、北のほうでは37度を超えることはなかったようです。

20年前~現在まで!東京の夏の気温を見てみよう

20年前の東京(と、多治見)の気温はわかりましたが、現在まで気温がどのように変化したのかも、気になるところです。最近は暑い時期が長く、どこからどこまでが夏なのかも微妙なところですが、本記事では7~9月を「夏」と定義し、3ヵ月間の気温の変化を見ていきたいと思います。

2003~2023年、7~9月の気温

気象庁サイトに記載されている、過去の気温データから、東京の7~9月分を以下にまとめました。各項目で最も高い気温を赤、低い気温を青で色づけしています。

気象庁のデータを元に作成

調べる前は、緩やかに気温が上昇していると予想していましたが、予想に反し20年間の気温はバラバラでした。

夏の気温はどのように変化している?

気温の変化がよりわかりやすくなるよう、前述の各項目の数値をグラフにしました。

バラつきはあるものの、特に8月は平均気温が上昇傾向にあるといえます。

最高気温は10年以上前から35度以上の年もあり、昨今の暑さが特別「異常」ではないことがわかります。

最低気温は8月が高めで、9月は20度を下回ってはいるものの、ここ2年ほど上昇傾向にあります。

永野

緩やかな右肩上がり、というわけではないんだね

20年間で2度あった「冷夏」とは

この20年のあいだには、2度「冷夏」と呼ばれる夏がありました。冷夏は「平年の気温を下回る夏」のことで、この場合の夏は6~8月を指します。気象庁は平均気温を3段階で表現しており、「低い」の場合が冷夏です。

20年間に訪れた冷夏の1度目は2003年。いまからちょうど20年前です。そして、2回目は2009年でした。前述の表やグラフを見てみると、冷夏に当たる年は確かに気温が少し下がっていますね。

気温が低いのはよいことだと思われるかもしれませんが、冷夏は農業への影響が危惧されます。農作物が思うように収穫できず、価格高騰・品不足に陥ります。また、夏物衣料の売上が例年より低くなるのも、冷夏の影響の1つです。

2023年の夏の気温を振り返ってみよう

20年前からいままでの夏の気温を振り返りましたが、続いては今年、2023年の夏の気温について詳しく見ていきましょう。参考までに、東京と岐阜県多治見市の2003年と2023年の夏の気温を、以下にまとめました。

気象庁のデータより

特に7月の平均気温の上昇が著しいといえます。また、多治見市では最高気温が40度近くなる、9月の最高気温が大幅に上昇するなど、20年前が冷夏だったこととは関係なく、気温に大きな変化が起こっているといえるのではないでしょうか。

永野

うちも隣の町だから38℃を超える日があるんだよね…

各地で「最低気温が過去最高」に

防災ニッポンの記事によると、2023年は全国の観測点915地点のなかで、248地点で過去いちばん高い最低気温を記録したそうです。昼間の暑さが厳しくても、夜は気温が下がって過ごしやすいということも多い傾向にありましたが、最低気温が高めということは夜も暑さが続くということ。

今年は寝るときにエアコンが欠かせない、という日も特に多かったのではないでしょうか。

猛暑日も22日で「過去最多」

最高気温35℃以上の日を「猛暑日」といいますが、2023年の夏は、猛暑日の日数が全国38拠点で最多となりました。これまで猛暑日がなかった青森県むつ市や北海道函館市でも、35℃を超える日が記録されています。

20年前からの気温の変化を見てみると、大きな差がないようにも感じられますが、やはり20年のあいだに夏の気温上昇は進んでいることがわかりますね。

最高気温の塗り替えは「なし」

2023年の夏の最高気温は、福島県伊達市と石川県小松市の40℃。次いで、大阪府枚方市・新潟県三条市の39.8℃で、暑い日が続いたり、最低気温が上昇したりはしたものの、最高気温の歴代記録の塗り替えはありませんでした。

観測史上の最高気温を見てみると、1位は2020年の静岡県浜松市と2018年の埼玉県熊谷市で41.1℃。次いで2018年の岐阜県美濃市と金山町、2013年の高知県四万十市の江川崎で、41℃となっています気象庁のサイトでは、20位までの記録を確認できますが、ほとんどが2010年以降です。

しかし、なかには1933年の山形県山形市の40.3℃という記録もあり、稀に異常な気温に達することは、100年近く前からあったこともわかります。

夏の気温上昇の原因は温暖化!今後の予測と対策は

暑さは熱中症や脱水症状を引き起こし、体調不良だけでなく、最悪の場合は命の危険にさらされることも…。夏の暑さが年々増しているように感じる原因は、地球温暖化にあります。

最後に、地球温暖化で今後気温がどう変化していくのか、温暖化防止のために何ができるかをまとめました。

地球温暖化が暑さの原因に?

私たち人間の活動により、温室効果ガスが大気中に大量に放出され地球の気温が上昇している、という話は聞いたことがあるでしょう。その結果、気候や生態系など、自然界のさまざまなバランスを崩していることを「地球温暖化」といいます。20年前と比べて夏が暑いように感じる、秋になっても暑い日が続く、最高気温が高くなるのも地球温暖化の影響だといえるでしょう。

しかし、一方で「気温の上昇と二酸化炭素の因果関係が不明」という意見もあり、地球温暖化は本当に起こっているのか、と考える人もいるようです。夏だけでなく冬も大雪や大寒波などが増えているのも疑問の理由の1つとなっています。

進む気温上昇!地球の未来はどうなる?

気象庁の観測記録を見てみると、日本の年間の平均気温は100年あたり1.26℃ほどの割合で上昇していることがわかります。

気象庁より

温暖化が大きな原因だと考えられている、夏を中心とした気温上昇。温暖化については、2019年にフランスの研究者グループが、「予測よりも急速に進んでいる」との見解も発表しており、昨今の厳しい暑さの起因となっているといえるでしょう。

地球の温度は、何千年もかけて3℃上昇しましたが、前述の通り、日本でもここ100年のあいだに1.26℃上昇していることがわかっています。ヨーロッパでも、18世紀半ばの産業革命前から1℃上昇しており、フランスの専門家たちは「2050年頃には気温が47℃を超える日が続く」と予想しているようです。

参考:https://www.businessinsider.jp/post-199436

温暖化を防ぐためにできること

温暖化が暑さの原因だとすると、温暖化が進まないように対策をする必要があります。日常生活のなかで、私たちが二酸化炭素を減らすために意識してできることの一例を見てみましょう。

・エアコンは冷房は28℃、暖房は20℃で使用する
・待機電力を減らす
・こまめに電気を消す
・水やお湯を出しっぱなしにしない
・公共交通機関や自転車、徒歩での移動で車をできるだけ使わないようにする
・マイバッグを持参してレジ袋をもらわない
・植物を育てる 
など

節電や節水は、家計にも環境にもやさしいことがわかりますね。昨今は物価の高騰で、電気代やガス代、ガソリン代なども上がっています。1人ひとりが意識して節約に努めることで、地球が抱える問題の解決にもつながるので、できることから始めてみましょう。

20年前の夏の気温は今より低かった!温暖化対策で酷暑を食い止めよう

2023年の20年前、2003年は冷夏だったこともあり、現在よりも夏の気温が低かったことがわかりました。明らかに暑くなったと感じることもありますが、データを見てみると気温上昇が著しいわけではなく、波がありながらも徐々に上がっていることも、わかったのではないでしょうか。

とはいえ、2023年は猛暑日も多く、厳しい夏だったといえます。2043年に「20年前の夏の気温よりかなり上がっている」ということにならないよう、いまからできる対策を行っていけるとよいですね。

編集後記

「夜から朝方にかけて涼しい」と感じた日は、この夏何回あったのか…。もはやここ2~3年は「7時を過ぎたらありえないくらい暑い」というのがデフォルトになりつつあり、来年の夏はどうなってしまうのか、いまから不安でいっぱいです。

暑さだけでなく寒さも異常で、「ちょうどよい」期間が短くなっている昨今。あんなに「早く寒くなればいいのに~」と思っていたのに、ここ数日は布団から出られない朝を迎え、「早く暖かくなってほしい」「一刻も早く冬よ終われ」と、すでに願っています。

あまり雪の降る地域ではありませんが、寒い地域にある我が家。息子たちが新しく始めた習い事で、週に1度山道を走る必要が出てきたので、凍結に備えていつスタッドレスに替えるべきか、悩んでいます。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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