-おはよう・こんにちは・こんばんは- 防災士ライターのクリスです!
今回は、気圧が低いと体調が悪くなるのはどうしてなのか、気圧と体調の関係について科学的な観点から解説します。
気圧とは大気が地球にかける力のことで、気圧が低いということは大気の力が弱くなっているということです。
このとき、人間の体内にある空気や水分も、外圧に合わせて膨張しようとします。
ところが、人間の体は皮膚や血管などで覆われているため、内部の圧力を自由に変えることができません。
その結果、体内の圧力と外部の圧力のバランスが崩れて、血流や神経伝達に影響を与えます。
これが、気圧が低いと頭痛やめまい、倦怠感(けんたいかん)などの不快な症状を引き起こす原因で「気象病」とも呼ばれています。
そこで本記事では、気象病への対策も解説しているので参考にしてくださいね。
気圧と体調の関係を科学的に解説してみよう!
冒頭にお伝えしたとおり気圧と体調には密接な関係があり、気圧が低くなると体調を崩す方も少なくありません。
気圧は大気中の空気の重さによって生じる圧力のことで、海面付近では通常1,013ヘクトパスカル(hPa)とされています。しかし、気象条件や地理的要因により気圧は常に変動していて、低気圧や高気圧の到来は大気の密度の変化によって引き起こされます。
一般的に低気圧では空気が上昇し、高気圧では空気は下降。これらの気圧の変動が体調にどのような影響をおよぼすのか、科学的に詳しく見ていきましょう。
気圧が低いとどうなるの?
気圧が低いと、大気中の酸素分圧も低くなります。酸素分圧とは、空気中の酸素の割合に対する圧力のことで、酸素分圧が低くなると呼吸によって体内に取り込まれる酸素量も減ります。
酸素は細胞のエネルギー源であり、不足すると疲労や頭痛などの症状を引き起こします。特に、脳や心臓などの酸素消費量が高い臓器は酸素不足に敏感です。
また、気圧が低いと、体内の水分やガスの分布も変化します。水分やガスは高い圧力から低い圧力へ移動する傾向があるため、気圧が低いと血液やリンパ液などの体液が末端部に溜まりやすくなり、浮腫(むくみ)や関節痛などの原因になります。
一方で、胃や腸などの消化器官内のガスは膨張しやすくなる傾向にあり、胃腸障害や腹痛などの原因となります。
気圧と血圧の関係
気圧の変化は血圧にも影響を与えます。低気圧のもとでは周囲の圧力が低くなるため、血管内の血液の流れが滞りやすくなり、血圧が上昇する傾向が見られます。一方、高気圧下では血管が収縮し、血圧が下がりやすくなることが報告されています。
したがって、気圧の変化が血圧変動に繋がり、心臓や血管に負担をかける可能性があることを考えると、高血圧や心臓疾患を持つ方にとっては体が敏感に反応します。
気圧と体調の関係は個人差がある
気圧が低いと体調が悪くなる人は多いですが、その程度や感じ方は個人差があります。これは、人間の体には気圧を感知する受容器(バロレセプター)があるからです。
バロレセプターは主に血管や心臓に存在し、血圧や心拍数などを調節する役割を果たします。しかし、バロレセプターの感度や反応性は人によって異なるため、同じ気圧変化でも体調への影響は人それぞれです。
また、体調への影響は気温や湿度などの他の気象要素とも関係しています。たとえば、冬場に気圧が低くなると、寒さや乾燥も加わって体調不良を引き起こしやすくなります。
逆に、夏場に気圧が高くなると、暑さや湿度も加わって熱中症や高血圧などを引き起こしやすくなるので、それぞれの季節で注意が必要です。
気圧の変化への適応と対策
人間の体は一定の範囲内で気圧の変化に適応する能力を持っていますが、急激な変化には限界があります。
特に気圧の低下が起こるときは、適切な対策を取ることが重要で、次にいくつかの対策を紹介しましょう。
気圧変化に対応するための6つの方法!
気圧は人間の体に大きな影響を与えますが、その影響は個人差があります。自分の体の反応を知り、気圧変化に対応する方法を見つけましょう。
気象病とは?その主な3つの原因を解説
「気象病」とのことばを、聞いたことがある方も多いでしょう。気象病とは、気圧や温度などの気象の変化によって、体調不良や精神的な不調を引き起こす症状のことです。
気象病になりやすい人は、自律神経のバランスが乱れやすく、血圧や体温などの調節がうまくできない人です。気象病は、頭痛やめまい、吐き気、倦怠感、イライラ、不安感などのさまざまな症状を引き起こします。
主な原因1「気圧の変化」
気圧が低下すると、血管が拡張して血流が増えます。これにより、頭部に血液が集まりやすくなり、頭痛やめまいを起こします。
また、気圧が低下すると空気中の酸素濃度も低下してしまい、脳や心臓に酸素が十分に届かず倦怠感(けんたいかん)や動悸(どうき)を起こします。
主な原因2「温度の変化」
温度が上昇すると体温を下げるために発汗作用が働き、水分や塩分が失われて脱水状態になります。
また、温度が下降すると、体温を保つために血管が収縮して血流が減ります。これにより、手足が冷えて筋肉がこわばってきます。
主な原因3「湿度の変化」
気象病の原因には湿度も関係していて、湿度が高いと発汗作用がうまく働かずに体温調節が困難になります。そして、熱中症や脱水症状を起こしやすくなります。
逆に湿度が低いと皮膚や粘膜が乾燥して刺激を受けやすくなり、喉の痛みや咳などの呼吸器系のトラブルを起こしやすくなります。
気象病への5つの対策!
先に気象病にかかる主な3つの原因を解説していますが、病状をよくするための対策もあります。ここでは、気象病への5つの対策を解説しましょう。
対策1「水分や塩分の補給」
発汗作用による水分や塩分の喪失を防ぐために、こまめに水分やスポーツドリンクなどを摂取しましょう。特に暑い日や乾燥した日は注意が必要です。
対策2「服装や室温の調節」
温度の変化に対応するために、服装や室温を適切に調節します。暑い日は涼しい服装で扇風機やエアコンを利用し、寒い日は暖かい服装で暖房器具を利用しましょう。
対策3「運動やストレッチ」
血流を改善するために、首や肩、背中などを中心にストレッチを行いましょう。また、運動も効果的ですが軽く汗をかく程度で、体が疲労しないくらいの運動がベストです。
対策4「睡眠や休息」
自律神経のバランスを整えるために、睡眠や休息をしっかりとります。睡眠は7時間以上を目安にし、休息は疲れを感じたら無理せずに適度に行います。
対策5「リラックスや気分転換」
精神的な不調を防ぐために、リラックスや気分転換が重要です。リラックスは深呼吸や瞑想などが効果的であり、気分転換は趣味や音楽などがおすすめです。
まとめ
気圧と体調の関係は複雑であり、気圧の変化が体内のさまざまなプロセスに影響をおよぼすことが分かりました。
特に急激な気圧変化は、酸素供給の低下や血圧の変動、免疫系の調節の崩れなどを引き起こす可能性があります。
適切な対策を講じることで、気圧の変化による体調の悪化を最小限に抑えることができるでしょう。
健康な日常を送るために、気圧の影響についての理解を深めておくことが重要です。