-おはよう・こんにちは・こんばんは- 防災士ライターのクリスです!
今回は、ダブル・トリプルと多発している台風に関連する記事です。
2023年8月は、台風が多く発生したと思いませんか?台風7号ではJR各社が「計画運休」するなど、陸と空の両方の交通網が遮断された状況に陥りました。
そして、間を開けず台風9号が発生すると同日に10号が発生し、すぐさま11号も発生したことでトリプル台風が発生しています。10号が消えた途端に12号が発生し、9月1日時点でもトリプル台風となっています。
台風は予測できますが、接近したり上陸したりすれば大雨による浸水被害や土砂災害、強風による竜巻被害など甚大な被害をもたらせます。そこで今回は、台風に備える最低限の対策を紹介しましょう。
9月1日現在の台風は、9・11・12号のトリプル台風
2023年9月1日現在の気象庁の台風情報によれば、台風10号が消えたものの9号・10号は存在。そして新たに12号が発生し、現状ではトリプル台風となっています。
ただ、9号は台湾の南を通過し日本には影響がないようで、11号は宮古島や八重山地方を直撃するコースをとっているので要注意です。また、12号は気象庁の予報では、9月3日には中心気圧が1,000ヘクトパスカル(hPa)となり、熱帯低気圧に変わる見込みです。
熱帯低気圧でも油断はできない!
台風12号は熱帯低気圧になる予想から「台風じゃなくてよかった」と、手放しで安心はできません。
熱帯低気圧であっても日本列島に接近したり上空を通過したりすれば、大雨や強風、急激な天候の変化による「豹(ひょう)」や「落雷」によるさまざまな被害が想定されます。したがって、今の段階からしっかり対策をとっておくことが重要です。
今年の台風は多いの?実は例年どおり
今年は台風12号が発生し、台風が多いと感じている方も多いでしょう。そこで、気象庁の台風発生件数を確認して見ると、8月現在では例年と変わらない発生数となっています。
そこで分かりやすいように、気象庁の情報から2023年を含めて過去5年間の台風の数をまとめてみました。これを見ると8月までの合計は、今年は12件ですが特別に多いこともなく、例年通りであることが分かります。
年 | 1月~5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 8月までの合計 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間 |
2023 | 2 | 1 | 3 | 6 | 12 | ? | ? | ? | ? | ? |
2022 | 2 | 2 | 2 | 5 | 11 | 7 | 5 | 1 | 1 | 25 |
2021 | 3 | 2 | 3 | 4 | 12 | 4 | 4 | 1 | 1 | 22 |
2020 | 1 | 1 | 8 | 10 | 3 | 6 | 3 | 1 | 23 | |
2019 | 2 | 1 | 4 | 5 | 12 | 6 | 4 | 6 | 1 | 29 |
2018 | 3 | 4 | 5 | 9 | 21 | 4 | 1 | 3 | 29 |
9月以降は例年より気温が高い&台風の発生も多い予測
気象庁が発表した9月~11月の3か月予報では、東日本から西の地域では例年よりも気温が高い予報となっています。降水量は例年どおりのようですが、気温が高い分ダムの貯水量も心配です。
また、台風が発生する海面付近では積乱雲の活動が活発で、台風が多く発生する状況にあるとも伝えられています。
したがって、先の台風の発生数の一覧表では8月までは例年並みでしたが、9月以降の秋台風は例年を上回る可能性が高いといえるでしょう。
台風時に注意すべきことはたくさん!まずは、早めの備蓄が重要
台風の接近や上陸などが報道されると、その数日前から買いだめが始まります。
多くの方が経験したことがあるはずですが「明日は台風がくるから、食料を買っておかなきゃ」とスーパーに行くと、カップ麺やインスタントラーメン、レトルト食品や缶詰など、さまざまな食材が売り切れ状態になっています。
これは、スーパーの在庫のキャパを上回る消費行動によって起きる現象で、昔からあまり変化はありません。
普段からの買い足しでの備蓄がおすすめ
筆者も防災士として「非常食セット」の監修を依頼されたこともあり、近年の非常食セットは長期保存ができて栄養面もバッチリで、レパートリーも多く申し分ありません。ただ一点デメリットを敢えて挙げるなら「ちょっとお高い感が否めない」点ですね。
そこで筆者は備蓄セットでなく、スーパーで購入できるカップ麺やレトルト食品、珍しい缶詰、パックご飯を、普段の買い物で数点買い足して備蓄しています。
カップ麺やレトルト食品は税込110円~220円までの品物を購入。最近ではさまざまなレトルト食品が、安価に購入できるので助かっており、特売日やポイントアップデーを狙って、少しでもお得になる購入を心がけています。
特に各スーパーが提供する、プライベートブランド商品はおすすめです。こうして、普段から買い足しにて備蓄しておけば、いきなり大きな金額を必要とせず慌てることもなく手軽に備蓄できて便利です。
飲料水は普段の摂取量にあわせてもOK
備蓄といえば食材もそうですが飲料水が重要で、推奨されているのは「大人ひとり1日3リットル」です。しかも、南海トラフ巨大地震を想定するなら、1週間分の備蓄となるため飲料水も相当の量になってしまいます。
家族の人数が多くなればその分、保管場所に困ってしまうのも事実。そこで一律3リットルと決めなくても、自分が普段水を飲むペースを考えるとよいです。
確かに1日3リットルの根拠は示されていて、水分補給にてエコノミー症候群や脱水症状を予防できる効果があるからです。
ただ、4人家族で誰もが1日3リットルの水を、毎日飲んではいないでしょう。野菜ジュースやレトルト食品から水分補給できるケースもあるため、必ず3リットルでなくても大丈夫です。しかし、飲料水がほとんどない状態は困るので、最低でも家庭で必要な量だけは備蓄するようにしましょう。
飲料水は500ccのペットボトルがおすすめ
飲料水を備蓄するなら1.5リットルや2リットルサイズのペットボトルでなく、500ccのペットボトルで備蓄する方法をおすすめします。
費用は若干高くなるかも知れませんが、コップの必要がなく自分専用として1日で飲み切ることが可能です。先の話に戻りますが、大人1人3リットルなら2リットルのボトルが確実に無くなるはずですが、実際には残ってしまうケースも多くあります。
また、飲む際には2リットルサイズのペットボトルをそのまま口のみできないため、コップを使う必要があります。これらのことから、500ccのペットボトルをケースで備蓄しておけば便利で安全です。
そのほか、ランタンやモバイルバッテリーも用意しておこう
台風時には断水だけでなく停電が想定されるため、ランタンやスマホ用のモバイルバッテリーも忘れずに準備しておきましょう。そして、ラジオもあればなおよしです。
災害時にはスマホで情報取集することが多いため、モバイルバッテリーは必須といってよいでしょう。ただ、バッテリーにも限界があるため、ラジオによる情報収集がおすすめです。
ベランダや窓周辺の整理も台風前には重要
台風時には普段からの備蓄が有効ですが、それだけでは足りません。自宅のベランダや窓周辺の植木鉢や飛来するであろう物は、部屋に収納することが重要です。
賃貸マンションでは不注意による損害は自分での修繕となる
基本的に賃貸マンションで建物などが破損した場合は、管理会社やオーナーが修繕をしてくれます。
ただし、台風がくることが分かっていたのに、ベランダを整理しないで室外機上の植木鉢を放置したことで、窓ガラスが割れたなら修理費は自腹となるでしょう。
必ずとはいい切れませんが、いかなる場合も注意不足での破損は自己責任となるはずなので要注意です。また、賃貸でなくとも自宅の窓ガラスが台風時に割れれば、強風にてガラスの破片で大けがをするリスクが高くなります。
さらに、雨が吹き込んでテレビやその他家電、ソファーやベッドなども水浸しになるでしょう。そうならないためにも、植木鉢や物干し竿、置物など強風にて飛んでしまうと思われる物は、全て部屋のなかに保管しないといけません。
窓は絶対に開けてはいけない!
ネット記事のなかには「台風時には窓を少し開けておくとよい」などの書き込みが見られますが、これは確実に間違いです。
台風時には、絶対に窓を開けてはいけません!たとえ少しの隙間でも、大量の雨が部屋のなかに侵入してしまい大変な状況に陥ります。
万が一、窓ガラスが割れてしまったら、反対側の窓を少し開けると部屋に侵入する風圧を逃がすことができます。窓を少し開けるのはこのように、あくまでも「万が一」のケースのみです。
雨戸やシャッターは必ず閉める
自宅に雨戸やシャッターが付いているなら、必ず利用しましょう!「これくらいの風や雨なら大丈夫」と思い込むのはよくありません。
台風時には風向きや強さが変わることが多いため、窓を防御できる雨戸やシャッターは効果的です。あとで「閉めておけばよかった」と後悔しないよう、台風が来る前から雨戸やシャッターは閉めておきましょう。
火災保険の確認も重要となる
火災保険は自然災害による損害も補償できる、安心な保険です。しかしながら、水災被害の補償や家財補償がオプションになっているケースもあります。
また、火災保険自体の保険期間が満了して、補償が適用されないケースも珍しくありません。「台風」のキーワードで自宅や部屋の火災保険の内容を、確認しておくことを強くおすすめします。
まとめ
今回は、台風時に注意すべきことについて解説してきました。9月1日現在で、日本付近ではトリプル台風が発生していて、9月に入っても高い気温が継続することから、秋台風の襲来が多いかも知れません。
台風はさまざまな災害をもたらす厄介な気象現象であり、注意するに越したことはありません。備蓄や停電時における準備だけでなく、窓ガラスが割れないよう、自宅周辺の整理も重要です。また、加入している火災保険の確認も忘れずにしておきましょう。