豪雨でも東京の地下鉄は水没しない!東京メトロの浸水対策を徹底解説

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今回は、東京の地下鉄会社である東京メトロさんの浸水対策を紹介します。

大雨が降り続き、道路が冠水する状況になった時に、地下街は大丈夫なのか心配になりませんか?

特に東京の地下鉄は数万人が利用する巨大地下施設であり、地上の出入り口から、地下へ雨水が侵入するはずです。

もしも、西日本豪雨級の大雨となった時、東京の地下鉄は水没してしまわないのでしょうか。

実は、東京の地下鉄会社である東京メトロでは、地下鉄施設が水没しないようさまざまな対策を講じています。

記事をご覧頂くと、豪雨でも安心して地下鉄に乗れますよ。

目次

東京メトロの駅地上部はほとんどが浸水する

荒川水系荒川 洪水浸水想定区域図 (想定最大規模)を加工

東京では、荒川のはん濫が最も重要とされています。その荒川がはん濫した場合のハザードマップ「荒川洪水浸水想定区域図」に基づいて、東京メトロの駅地上部の浸水域を調査した結果からみると、2m~5mの浸水ランクが5駅。3m~5mの浸水ランクが11駅。合計16駅の地上部で、2m以上の浸水になるようです。

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東京の下町は海抜が低い

東京ではよく「下町」との呼び名を使う場合が多く、古からの情緒豊かな暖かみを感じる呼び名ですが、具体的には東京のどの場所を指すのでしょう。

調べてみると、東京の下町とは、「台東区、墨田区、江東区、荒川区、文京区、足立区、葛飾区、江戸川区」が、下町になるようです。

そして、これら下町と呼ばれる地域は比較的海抜が低いといわれています。海抜が低いと言うことは、雨水が集まりやすく大雨時には浸水しやすい場所となってしまいます。

そこで、それぞれの地区の海抜を独自調査してみました。次の一覧は、各地区の最も低い海抜と最も高い海抜を抽出しています。

区名標高(海抜)
台東区0.5m~9.6m
墨田区-2.4m~6.5m
江東区-3.9m~8.3m
荒川区0.7m~10.2m
文京区2.1m~31.8m
足立区-0.8m~8.8m
葛飾区-1.4m~5.7m
江戸川区-2.3m~7.8m

この調査結果をみると高台と呼べる場所は見られるものの、低い標高はマイナス標高の地区が8地区中5地区も存在しています。この結果から、下町の標高は低く、水没する可能性は高いことが分かります。

浸水で東京の地下鉄は完全に水没する!東京メトロの水害対策とは

東京の地下鉄、東京メトロの路線は先に説明した下町を多く通っています。もしも浸水を防ぐことができなければ、西日本豪雨級の大雨が降った場合、地下鉄は完全に水没してしまうでしょう。

当然、このような大雨対策は万全にとられていて、地下鉄が水没しないようにさまざまな工夫が施されています。

東京の地下鉄:東京メトロの水害対策 駅出入り口

東京メトロの水害対策 東京地下鉄株式会社

ここからは、東京メトロの水害対策を詳しく見ていきましょう。まず、駅地上の出入口については、35cm×2段=70cmの止水板が設置されています。

この止水板により、70cmまでの浸水であれば、駅構内に雨水は侵入してきません。147駅の出入口792ヵ所の内、537ヵ所に設置されています。

また、隅田川以東の駅出入口には止水板に加えて防水扉(全断面閉鎖型)が、11駅54ヵ所に設置されています。この扉は、駅の地上出入口を完全に塞ぐので、雨水は侵入することができません。

東京の地下鉄:東京メトロの水害対策 換気口・換気塔

東京メトロの水害対策 東京地下鉄株式会社

地下鉄内には地上の空気を取り入れる、換気口が設置されています。当然、空洞で地上と地下がつながっているので、雨水は侵入してきます。

したがって、浸水の恐れのある換気口には「換気口浸水防止機」を設置して、現地での手動操作もしくは雨水を感知して自動で閉じる仕組みとなっています。

換気口総数951箇所中907箇所に設置されています。また、地表より高い位置に開口部を設けている、換気塔も導入されています。

東京の地下鉄:東京メトロの水害対策 坑口

東京メトロの水害対策 東京地下鉄株式会社

東京メトロでは、全路線が地下を走っている訳ではなく地上へ出る路線もあります。

そのような地下鉄の路線では、地上への入口となる「坑口」に高い防水壁を設けて、さらに坑口防水ゲートと呼ばれる、坑口を頑丈な扉で完全に封鎖する措置が取られています。

この措置によって、地上から大量の雨水が地下鉄内に侵入することはありません。

東京の地下鉄:東京メトロの水害対策 河底からの浸水

東京メトロの水害対策 東京地下鉄株式会社

地下鉄は河川の下を通っている路線もあります。そのような場所で、河川底部が地下鉄内に崩落した場合、大量の水が流入してあっという間に水没してしまいます。

そのような事態を防ぐために、路線上に防水ゲートが設置されています。これは、地下鉄の路線(トンネル)部を全て塞いでしまう巨大な扉です。

防水ゲートを閉めれば、一部分は水没しますが地下鉄全体が被害を受けなくて済みます。河川底部の崩落だけでなく、豪雨時の浸水対策としても利用されます。

東京の地下鉄では、想定される水害対策が万全なので安全!

ここまで解説してきたように、東京メトロでは地下鉄の弱点である浸水について、想定し得る水害対策を行ってきています。

ハード面での対策は大きな予算を使って、さまざまな対策が行われています。後はソフト面として、利用者の制限や早急な判断による運休措置などが必要でしょう。

もちろん、東京メトロ側ではマニュアル化されているはずです。だとすれば、利用者側の理解と防災知識があれば万一の時も安心できます。

まとめ

・東京の下町の海抜は低い
・何の対策もなければ、地下鉄は水没してしまう
・東京メトロは、さまざまな水害対策を行っている

参考サイト
東京メトロの水害対策 
東洋経済ONLINE 豪雨の「水没リスク」、都内地下駅の対策は?

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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