自主防災組織には全国民が参加している!法律で定められている件を詳しく解説

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みなさんは「自主防災組織」なるものを、ご存じでしょうか?恐らく、普通に生活してれば知らないのは当然です。

しかしながら、自治会に入会していれば自ずと自主防災組織の一員となっているのです。

しかも、自発的に防災活動に参加するなどして、防災に寄与するように努める義務があると、法律で定められています。

さてさて、これは一体どういうことなのでしょう。

今回は、防災士のひとりごと#04として、自主防災組織についてつぶやきます。

目次

そもそも自主防災組織とはなに?

そもそも自主防災組織とは一体なんなのかを、説明しておかないとダメですね。

学校でしっかり教えていないですし、普通に生活するには知らなくても問題ありませんから、知らなくて当然です。

阪神・淡路大震災をきっかけに自主防災組織が発足

自主防災組織は1995年1月に発生した、阪神・淡路大震災をきっかけに発足されています。

阪神・淡路大震災では、災害時に住民を救ったのは自衛隊や消防隊でなく「地域住民」でした。

なんと救出者の98%が地域住民の活動によって、救われています。

つまり、大災害が起きた時点では行政や自衛隊などの公助の役割は低く、自助・共助の役割が大きいと実証されたことになりました。

このことから自主防災組織は、「災害時には自分たちで地域を助ける」との目的で、発足されています。

手続きしていないのになぜ一員となっているの?

自主防災組織が発足した経緯や目的は分かったけど、手続きもしていないのにどうして一員となっているのでしょう。

それは、地域の自治会に入会した時点で、自主防災組織の一員に自動的になる仕組みがあるからです。

例えば、行政が回収してくれるゴミステーションにゴミを捨てることができるのは、自治会員のみです。

これは、自治会に入会して自治会費を収めることで、自然に許可されることで契約などはないはずです。

この仕組みと同じように、自治会に入った時点で自動的に自主防災組織の一員になる訳です。

全国の自主防災組織のカバー率は84.3%

誰もが知らない間に自主防災組織の一員となっている証拠として、全国の自主防災組織のカバー率を紹介しておきましょう。

令和2年度の全国の自主防災組織のカバー率は、84.3%にもなっています。

自主防災組織のカバー率は年々アップしている

自主防災組織のカバー率とは、「自主防災組織がその活動範囲としている地域の世帯数」÷「管内の世帯数」で算出された割合になります。

県単位で考えた時には、県全体の世帯数の中で、自主防災組織として活動している世帯数の割合となります。

このカバー率は年々増加傾向にあって、2009年では73.5%だったカバー率が、11年で84.3%と10.8%もアップしています。

全国ベースで10%を超えるアップは、凄いことです。

主要都道府県のカバー率を紹介しておきましょう

ではここで、せっかくなので全国の主要都道府県の、カバー率を紹介しておきましょう。

近所づきあいが希薄だといわれる、首都圏でも70%を超えるカバー率となっています。

沖縄県がとても低いカバー率になっていますが、大規模な米軍基地や本土と離れているなど、特殊事情によって低くなっています。

都道府県 管内世帯数 自主防災組織がその活動範囲としている地域の世帯数 自主防災組織活動カバー率(%)
北海道 2,779,965 1,708,133 61.4%
東京都 7,326,121 5,527,228 75.4%
神奈川県 4,209,543 3,256,969 77.4%
長野県 869,953 824,468 94.8%
愛知県 3,340,839 3,179,549 95.2%
京都府 1,232,895 1,116,522 90.6%
大阪府 4,260,278 3,913,845 91.9%
兵庫県 2,498,193 2,439,644 97.7%
広島県 1,327,426 1,244,305 93.7%
高知県 350,085 339,934 97.1%
福岡県 2,402,771 2,262,288 94.2%
鹿児島県 778,844 726,218 93.2%
沖縄県 666,168 220,603 33.1%

出典:総務省 自主防災組織の都道府県別結成状況(令和2年度)

https://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/jishubousai/documents/R2jishubou_zenkoku.pdf

自主防災組織が行っている活動ってなに?

多くの方が自主防災組織の存在自体を知らない理由に、活動が伝わっていない点が挙げられます。

現実的に行政規模が大きくなればなるほど、伝わりにくくなっていますし、活動自体も少なくなっています。

防災訓練は自主防災組織の活動となる

防災訓練は、行政と一緒に行うケースが多いです。

その理由は、消防車による消化訓練だったり、実際の火を扱うことが多いので行政が絡まないと、訓練自体ができないからです。

ただ、どこかの自治会と一緒に行うことが多いので、自治会の自主防災組織の活動として位置付けされています。

また、自治会独自で消防団と一緒に行う防災訓練もあります。

この場合は、実際の火は使えません。的にめがけての水消火器での消化訓練や、消火栓を使っての放水訓練などが行われます。

自主防災組織は行政の押し付けではない

自主防災組織の件について、防災に関わりの薄い方と話をすると「行政の怠慢だ!」「税金を払っているのだから、普段から住民を守る義務がある」などの声が聞かれます。

ですが、自主防災組織は決して行政が押し付けている訳ではありません。

事故や災害時には傍にいる人間が助けるのが当たり前

見ず知らずの他人が、走ってきたバイクに跳ねられて倒れた時に、そのまま知らん顔して通り過ぎるでしょうか。

100%に近い人が、その場で手を差し伸べるはずです。

「ケガ人は行政が助ければいい」と思う人はいないでしょう。

自主防災組織とはそのような、人助けの精神から成り立っています。

自分に置き換えてみると、よく理解できるはずです。

例えば、自分が川に転落して、流されている状況を想像してください。その時には、直ぐ傍にいる人に助けを求めるでしょう。

もしも、その人が「今、行政に連絡したから行政が来るまで頑張れよ!」といってその場を立ち去ったなら、薄情な人間だと憤慨するはずです。

困っている人が傍にいれば助ける」これが自主防災組織の精神なので、決して行政の押し付けではありません。

自主防災組織への参加は法律でも定められている

肌で感じにくい自主防災組織ですがこの中での活動は、災害対策基本法という法律にて「住民の責務」として定められています。

災害対策基本法 第7条の2で住民は「自発的な防災活動に参加する等防災に寄与するように努めなければならない。」となっていることを、知っている方は少ないです。

せめて、この記事をご覧頂いた方には知って頂けると幸いです。

地元地域の自主防災組織について知っておこう

自分が入っている自主防災組織がどのような組織なのか、知っておくことも重要だと感じています。

インターネットで検索すれば、地元行政による自主防災組織の活動や内容を知ることができます。

「自主防災組織 ○○市」でワード検索すれば、地元の状況が分かります。

是非とも地元の防災訓練など、防災関連行事に参加してみてくださいね。

出典:総務省 自主防災組織の都道府県別結成状況(令和2年度)

https://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/jishubousai/documents/R2jishubou_zenkoku.pdf

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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