災害が発生した際、高齢者の方々が最適な避難方法を見つけるには、個々の生活状況に応じた対応が必要です。
一口に高齢者といっても、ひとり暮らしや配偶者との二人暮らし、家族との同居、要支援認定や要介護認定など、さまざまなケースが考えられます。
この記事では、高齢者の生活パターンに合わせた避難方法について解説します。
高齢者の避難が想定されるケース
災害時に高齢者が避難するケースは多岐にわたり、家族と一緒の場合やひとり暮らしの場合などがあります。
それぞれのケースに応じて避難方法も異なりますが、ひとり暮らしや高齢者だけの世帯の場合は、周囲の支援を受けることが重要です。
ケース1:ひとり暮らしや配偶者と二人暮らしの高齢者の場合
ひとり暮らしや配偶者と二人暮らしの高齢者の方は、自治体が管理している避難行動要支援者名簿(旧災害時要援護者台帳)への登録を行いましょう。
地区の民生委員に申請をお願いすれば登録手続きをしてもらえますし、避難行動要支援者名簿への登録により、自治体から地域の民生委員や児童委員へ要援護者であることが伝えられます。
これにより、災害時だけでなく日常的に声かけや支援活動が行われ、安心感を得られるでしょう。
ケース2:要支援や介護認定を受けている場合
要介護認定を受けている場合、通常は家族がサポートをしてくれるか、介護施設に入居しているケースが多いです。
したがって、災害時の避難は誰かがサポートしてくれることとなります。
要支援の場合は、要支援1または要支援2の認定を受けていても、高齢者夫婦だけで暮らしている場合もあります。
この場合、ケアマネージャーがサポートしてくれます。
ケアマネージャーが担当地区の民生委員に連絡したり、直接避難のサポートを行ってくれたりします。
もちろん、先の避難行動要支援者名簿への登録が可能なので、ぜひ登録しておくことをおすすめします。
ケース3:家族と同居の場合
家族と同居している場合は安心感がありますが、家族が不在の時に災害が発生する可能性も考えられます。
そのため、避難方法や支援先について家族と話し合い、地域の協力を得る必要があります。
自宅避難が可能な場合は避難所に行かない
体の不自由な方や歩行に制限のある高齢者の方は、自宅での避難が可能かどうかを確認しておくことが重要です。
自宅避難が可能な場合、無理に避難所に行く必要はありませんからね。
ハザードマップで自宅の安全性を確認しておこう
高齢者の方がよく陥る誤解は、「必ず避難所に避難しなければならない」と思い込むことです。
無理に避難所に向かうとケガのリスクが高まりますし、多くの場合で自宅避難できる可能性があるため、ハザードマップで災害のリスクを確認しておくことをおすすめします。
浸水のリスクがあっても3m以上の浸水地域でない限り、自宅での垂直避難が可能となるため自宅避難が適切であり、必ずしも避難所に行く必要はありません。
ただし、リスクに不安のある場合は早めに避難所に向かいましょう。
避難所に行く必要がある場合
自宅での避難が不可能な場合、避難所に行く必要がありますがその際は、早急に避難を開始しましょう。
地震のような突発的な災害は避けられませんが、台風や豪雨などはある程度予測が可能です。
スマートフォンがなくても、テレビやラジオの天気予報や速報に注意を払い情報を確認することが重要です。
「高齢者等避難」が発表されたら必ず避難所は開設されますので、この時点で避難を開始してくださいね!
地域との関わりを持つことは重要!
地域のイベントなどに参加しないで孤立することは避けるべきであり、助けを求めるためには「私はここにいます!」とアピールしないといけません。
地域の防災訓練に参加したり、レクレーションに参加したりすることは大切です。また、地域の民生委員とのコミュニケーションを取ることで、災害時に助けを受ける確率が高まります。
高齢者の避難方法は、個々の生活パターンに応じて異なってきますから、地域とのつながりを持ち、適切な避難方法を選択することが重要です。
また、災害への備えとして避難経路や避難場所の確認、非常食や備蓄品の準備もお忘れなく。
まとめ
・避難行動要支援者名簿への登録を行いましょう。
・普段から地域の民生委員に相談しましょう。
・自宅での避難が可能であれば、自宅避難を選択しましょう。
・避難所に逃げる場合は、早めの行動が重要です。
・地域とのコミュニケーションを大切にしましょう。
参考サイト:内閣府 防災情報のページ