ブルーシートって聞くと一般家庭では使うことがなくて、どこか特別な存在に感じてしまいませんか?
ですが、どの家庭にも必ず同じ素材のモノがあるはずです。
ピクニックシートやレジャーシートは、正にブルーシートの仲間。
ただ、デザインが違うだけで素材としては同じ仲間です。
そう考えると、ブルーシートも身近に感じませんか。
今回は、災害用のブルーシートについて、詳しく解説してみます。
ブルーシートの大きさ・ハトメ・厚さについて解説
先ずは、ブルーシートの基本的な情報から解説していきます。
ブルーシートの大きさ、厚み、ハトメは、災害時にブルーシートをセレクトする大きな要因となるので、知っておくと意外に役立ちますよ。
そもそも災害用ブルーシートは存在しない
「災害 ブルーシート」で検索すると、ブルーシート防災・ブルーシート災害・防災用ブルーシート・災害ブルシートなどなどの単語が表示されます。
ですが、災害専用のブルーシートは存在しません。
一般で販売されている中の、耐久性の高いブルーシートが災害用ブルーシートと呼ばれています。
ブルーシートは大きさと厚みで種類が変わる
先ずブルーシートの大きさですが、基本的には次の6タイプとなります。
また、ブルーシートに表示されている「呼称サイズ」は仕上がり寸法より、縦横約10cm小さくなります。
その理由は、ハトメを打つ際に折り返して2重にして打っているので、その分仕上がり寸法が小さくなるからです。
ハトメについては、後ほど解説しますね。
ブルーシートの呼称サイズ
・3.6m×5.4m
・5.4m×5.4m
・5.4m×7.2m
・7.2m×7.2m
・7.2m×9.0m
・10m×10m以上
ブルーシートの厚み
ブルーシートの厚みは災害用として使えるか否かを決める、重要な情報となります。
薄いブルーシートだと、耐久性に欠けて災害時にはあまり有効ではありません。
災害用として利用するなら「#3000」以上のブルーシートがおススメです。
また、ブルーシートの厚みは重量で表示されます。
代表的な大きさである、3.6m×5.4mのビニールシートの重さが2kgなら「#2000」と表示されます。
#は番手と呼ばれる記号で、説明した「3.6m×5.4m」の大きさを表しています。
つまり、「#2000」と表記されているブルーシートは、「3.6m×5.4mの重量が2kgのブルーシート」を意味することとなります。
ブルーシートの厚みと耐久期間
ここでは、ブルーシートの厚み(番手)と耐久性を一覧表にしてみました。
耐久期間については、ネット上の複数の情報を元にして平均的な期間を掲載しています。
各厚み(番手)に対しての耐久期間に幅があるのは、同じ番手でもメーカーによって耐久性が異なっているからです。
厚み(番手) | 耐久期間 |
#1200 | 1ヶ月未満 |
#1300 | 約1ヶ月~2ヶ月 |
#1400 | 約1ヶ月~2ヶ月 |
#1500 | 約1.5ヶ月~3ヶ月 |
#2000 | 約3ヶ月~6ヶ月 |
#2200 | 約4ヶ月~6.5ヶ月 |
#2500 | 約6ヶ月~8ヶ月 |
#3000 | 約9ヶ月~12ヶ月 |
#4000 | 約2年~3年 |
#5000 | 約4年~5年 |
ハトメは災害用に使うならあったほうがよい
ブルーシートにはここで解説する「ハトメ」があるものと、ないものがあります。
災害時に利用するなら「ハトメあり」を、利用することをおススメします。
また、ハトメのピッチ(ハトメとハトメの間隔)は、ブルーシートに表記されている情報から読み取ることができます。
例えば、次のような表記の場合はハトメのピッチは、「約900mm~1,000mm」となっています。
・素材:ポリエチレン
・ハトメ(アルミ)約900~1000P
・番手:#3000 ・重量:約150g前後/㎡
・※重量はあくまでも目安となります
・カラー:ブルー
この表記の赤文字の部分「約900~1000P」の記載が、ハトメのピッチとなります。
災害用に利用するブルーシートなら#3000以上
先にも少し触れていますが、災害用にブルーシートを利用するなら厚み(番手)は#3000以上のブルーシートが有効です。
災害用でのブルーシート利用は、屋根の雨漏り防止対策が最も多い
ブルーシートを災害用で利用する際に、最も多い利用用途が「雨漏り対策」です。
まだ記憶に新しい熊本地震の際には、多くの家屋が被害を受けました。
倒壊には至らなくても、屋根瓦が飛んでしまったり屋根事態が破損したりして、修理しないと雨漏りが酷く修繕までの応急処置として、屋根にブルーシートを張って雨漏りを防いでいました。
街中のほとんどの屋根が、ブルーシートに覆われている風景は忘れられません。
#3000以上でないと直ぐに破れて意味がないことに
そのような屋根を覆って防水効果を期待するなら、#3000以上の厚手のビニールシートでないとダメです。
先にもお伝えしている通り、厚みと耐久期間には関係性があり、厚みがあるほど耐久期間も長くなります。
ですから、耐久期間が1年程度となる#3000が最低ラインとなるでしょう。
できることなら、#4000、#5000となさらに厚手を使用できるに越したことはありません。
ハトメがないとしっかり固定できない
次に、ブルーシートを災害用で利用するなら「ハトメ」がついていないと、しっかり固定することができません。
ハトメがあるかないかは、商品を見れば直ぐに分かります。
インターネットで購入する場合
インターネットで購入する際には、現物で判断することができないので、写真で判断するしかありません。
もしも、写真にハトメが映っていない場合は、商品情報で確認します。
「ハトメあり」「ハトメピッチ」などの文字情報を確認して購入しましょう。
ハトメにロープをつけて確実に固定できる
屋根にブルーシートを張る場合は、ブルーシートの上から紐の両端に重しをつけた道具で、屋根にブルーシートを押し付ける形で固定することも可能です。
ですが、この方法だけだと強風時にビニールシートの中に風が入り込み、シート自体がズレたり重しが外れてシートが飛んでしまう可能性もあります。
ハトメにロープをつけて外部としっかり固定することで、強風時にもシートがズレたり飛んだりすることがなくなります。
固定用のロープはビニロンロープがおススメ
ビニールシートのハトメを利用して固定する際には、ビニロンロープがおススメです。
ホームセンターなどでも販売されていますし、「ビニロンロープ」で検索すると多くの商品がヒットします。
太さは4mm以上がよいでしょう。
UVカットや緑色のシートなどバリエーションも豊富
災害用として使用するブルーシートは、#3000以上の厚手のシートを利用することをお伝えしました。
現在では、UVカット機能のあるシートや、山などで使用する際に、景観に配慮した緑色のブルーシートも販売されています。
ブルーシートがあれば、屋根の補修だけでなくさまざまな用途に使うことができます。
イザ災害が起きると売れ切れてしまい品薄状態になるので、備蓄品として1,2枚用意しておくことをおススメします。
また、ブルーシートだけでなく固定用に、ビニロンロープを用意しておくこともお忘れなく。