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海がきれいになるとアサリが消える!潮干狩りができなくなる理由とは
5月に入り、行楽シーズンもスタートして、各地で賑わいが戻ってきています。
ニュースでもこの連休に、潮干狩りを楽しむ家族の姿が伝えられていて、4年ぶりに「微笑ましい風景が戻ってきたなぁ」と実感できますね。
きれいな海で心配することなく、思いっきり楽しめることはいいことです。
しかし、このまま海がきれいになり過ぎると、アサリが海からいなくなり潮干狩りができなくなる可能があるのです。
最悪のケースでは、国産のアサリが食べられなくなるかも知れません。
そこで今回は、海がきれいになり過ぎると、潮干狩りができなくなる可能性について考えてみます。
2023年5月4日のメーテレニュースで報じられた内容
出典:メーテレニュース
海がきれいになると、どうして潮干狩りができなくなるのでしょう?この考えは、5月4日のメーテレニュースが発端となっています。
実はアサリの漁獲量は、愛知県が日本一を誇っています。
その愛知県のアサリの漁獲量が年々減少し、2011年の1万6,703トンから2021年には2,364トンまで減少しています。
なんと、10年間で約86%も減少しているのです!
減少の理由は海がきれいになり過ぎたから!?
愛知県のアサリの減少の理由は、なんと海がきれいになり過ぎたからだそうです!
海がきれいになったことで、プランクトンがほぼいない状態となり、アサリのエサがなくなったからだそうです。
「エッ?海って自然にきれいになっているんじゃないの?」って思ったのは、自分だけなのかも知れません・・
そこで早速、海をきれいにしている方法を探ってみました。
下水を浄化することで、海の水質がよくなる
下水は社会のインフラとして必要不可欠な存在であり、当たり前のように利用されています。
ただ、全国の下水普及率を見てみると、47都道府県のなかで、100%を達成している県はありません。
政令指定都市単位でみると、横浜市と大阪市が100%の整備率を誇っていますが、神奈川県では97.0%、大阪府でも96.5%に留まっています。
しかし、下水が整備されていない地域でも、昔のように汚水(糞尿)を河川に直接流すことはないので、環境に影響するのは生活排水となるでしょう。
下水道は糞尿だけでなく生活排水もきれいにする
出典:大阪府 下水道の仕組み
これは下水道普及率100%を誇る、大阪市を擁する大阪府が公開している画像です。
色んな自治体や各種団体の画像を確認しましたが、最も分かりやすい説明だったので使わせてもらいました。
若干、画像が粗く文字が読みにくかったので、こちらで文字を追加加工しています。
下水処理の各ステップは、次のとおりです。
大きなゴミや砂を取り除きます。
ゆっくり水を流して細かいゴミを取り除きます。
微生物の働きによって汚水中の有機分を分解し、窒素やリンの除去をおこないます。
微生物を含んだ汚泥を取り除きます。
砂の中を通すことで、より細かい汚れを取り除きます。
さらにここで消毒して川に放出します。
ステップ3とステップ6で、きれいな水にし過ぎた!
下水処理は基本的に微生物によって、汚れと呼ばれる物質をきれいにして、さらに消毒して川に放流し海に流れ出ます。
この処理段階では、ステップ3にて、汚水に含まれる窒素やリンを除去していますが、どうやらここでの処理が過ぎたようです。
さらに、ステップ6にて改めて消毒されて河川に放出されるので、とてもきれいな水となっています。
ただ、窒素やリンがあまりにも少ないきれいな水なので、プランクトンが増えない状況になっているようです。
海がきれいになり過ぎると、海洋生態系が変わる!
海の生態系は、プランクトンなしでは成り立ちません。
そこでここでは、海がきれいになり過ぎるとどうなるか考えてみました。
食物連鎖への影響
プランクトンは、海洋生態系の基礎を形成し、多くの生物の餌となります。
プランクトンが減少すると、餌に依存する生物は食糧不足になり、生息数が減少する可能性があります。
事実、アサリが減少しているのは、プランクトンであるエサが少なくなったためです。
その結果、上位の生物、たとえば魚や海鳥などの生息数にも影響がおよぶ可能性があります。
海洋酸性化への影響
プランクトンは、光合成を通じて二酸化炭素を吸収し、酸素を放出する重要な役割を担っています。
プランクトンの減少によって、海洋の二酸化炭素濃度が増加し、海洋酸性化が進む可能性があります。
これによって、海洋生物の生存に影響をおよぼすことが考えられます。
海洋微生物への影響
プランクトンは、海洋微生物の栄養源ともなっています。
プランクトンの数が減少すると、微生物の生息数にも影響が出る可能性があります。
これによって、微生物の生態系が変化し、生物多様性にも影響がおよぶ可能性があるでしょう。
まとめ
今回はメーテレのニュースを受けて、このまま海がきれいになり過ぎるとどうなるか、を考えてみました。
結果、海がきれいになり過ぎてプランクトンが減少すれば、海洋生態系に大きく影響をおよぼすこととなるでしょう。
しかし、プランクトンが増えすぎれば、赤潮などの問題も発生します。
人間が海洋生態系に重要なプランクトンの量を、人工的に調整することはまだ不可能です。
したがって、状況を見ながら対処療法をするしかないのでしょう。
プランクトンの問題も深刻ですが、海洋ゴミはもっと深刻な問題です。
プラスティックゴミなど、半永久的に残り続ける海洋ゴミをどのように減らすかも、既に個人レベルで考える時代になっているのかも知れません。