去年、奈良公園のシカにマダニがたくさん付着しているので「触ったら要注意」との、ツイートが注目を集めました。
奈良公園のシカに限らず、野生動物にはマダニが付着して動物と共存しています。
シカに触ったから直ぐにマダニが、人間に手を介して噛みつくことはそうありません。
それよりも、シカの体から草むらに落ちたマダニが、這い上がってきて足に噛みつく方が、マダニ被害の確率は高いでしょう。
しかし、シカなどの野生動物と1分程度ハグをすれば、何十匹ものマダニが体に乗り移るのは間違いありません。
さらに、野山にはマダニは普通に群れて生息しています。
そこで今回は、マダニがほぼ全身を覆い、すべてのマダニに噛まれるとどうなるか予想してみました。
実際のマダニのツイートをご紹介!
マダニとはどのような生物なのか?
マダニは、ダニの一種であり、世界中に広く分布しています。
マダニは、草や低木、森林地帯などに生息し、温暖な気候では年間を通じて活発に活動する害虫です。
一部の種類は、家庭内で見つかることもあり、よく「ダニ対策!」といって、ハウスクリーニングの対象にもなっているほどです。
血を吸って生きる寄生虫!
マダニは、人や動物の血を吸って生きている寄生虫です!
マダニに噛まれることで、感染症やアレルギー反応を引き起こすことがあります。
マダニに噛まれても傷みを感じない
マダニに噛まれた際には、通常は痛みを伴わず、その後にかゆみや発疹が生じることがほとんどです。
マダニに感染している可能性がある場合は、発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感、関節痛などの症状が現れることがあります。
これらの症状が現れた場合には、速やかに医師に相談することが必要です。
そして、マダニに対する対策としては、以下のことが挙げられます。
- マダニが多い場所でのアウトドア活動時には、長袖の衣服やズボンを着用する
- 薬剤を使った虫よけスプレーを使う
- マダニが付着している可能性のある部位を、可能な限り早く洗浄する
- 定期的にペットの体をチェックして、マダニを発見した場合は速やかに取り除く
マダニには、さまざまな種類がありますが、いずれも健康に悪影響をおよぼすことがあるため、注意が必要です。
万一、マダニに噛まれた場合には、速やかに医師に相談することが大切です。
野生動物がマダニと共存できる理由とは?
野生動物の体にはほとんどの場合、マダニが付いています。
もちろん、単に体に付着しているだけでなく、噛みついて動物の血を吸っているのです。
冒頭の奈良公園のシカに限らず、近くの公園に住む野良猫やハトにも付着しています。
しかし、人間は噛まれれば直ぐに医者に診てもらう必要があるのに、野生動物はどうして平気なのでしょう。
野生動物がマダニと共存できる4つの理由
ここでは、野生動物がマダニと共存できる4つの理由を解説します。
1:免疫システムの適応性
野生動物は、長期間にわたってマダニやその他の寄生虫と共存することで、免疫システムを適応させています。
このため、野生動物はマダニが媒介する病気に対して、強い免疫力を持っていることがあります。
2:ダニの分布範囲
野生動物は、マダニが分布する範囲内で生息しています。
これは、マダニが自然界に普遍的に存在するためであり、野生動物がマダニと共存することが、自然の摂理であるといっても差し支えないでしょう。
3:自然選択の働き
マダニやその他の寄生虫に感染していない個体が生き残るため、自然選択の働きによって、野生動物は強い免疫力を獲得するように進化してきました。
このため、逆にマダニに感染しやすい個体は、生き残り難くなっている可能性があります。
4:保護的な行動
野生動物は自己保護のために、マダニが多い地域から遠ざかることがあります。
また、体を舐めたり草や木の幹にこすりつけるなどの行動をとることで、マダニを除去しようとします。
必ずしも、体に付着するマダニを良しとしている訳ではありません。
マダニに全身を覆われて噛まれるとどうなるか?
たとえば、キャンプをするために山に入り、草むらにテントを張ったとしましょう。
しかし、その場所にはマダニが多く生息してたのです。
そしてバーベキューを楽しみ、お酒をたらふく頂きました。
すると、眠気に襲われて、そのままダニが生息する草むらに寝転んで眠ってしまたのです。
このような状況は、まったくないとはいえないシチュエーションであり、眠っている間にほぼ全身をマダニに覆われることとなるでしょう。
そして、いっせいに噛まれて血を吸われたら・・
かゆみや痛み
マダニの唾液には、血液凝固を防止する物質や、痛みを和らげる物質が含まれているため、噛まれた箇所がかゆみや痛みを伴うことがあります。
多数のマダニに嚙まれると、全身がかゆくなって不快な状態に陥ることとなるでしょう!
マダニ媒介疾患の感染リスク
マダニには、各種の病原体を媒介します。たとえば、ライム病、日本脳炎、ツツガムシ病、クリミア・コンゴ出血熱などが挙げられます。
多数のマダニに噛まれると、これらの病気にかかるリスクが高まってしまいます。
体力の消耗
大量のマダニに噛まれることで、免疫システムが活性化され、体力を消耗することとなります。
また、マダニに噛まれることで失血量が増えるため、体力低下や貧血の原因にもなる可能性が考えられます。
精神的ストレス
多数のマダニに噛まれることで、不快感や不安感、恐怖感が強まることがあります。
これらの精神的ストレスは、身体的な症状にも影響をおよぼす可能性が大です!
死には至らないが相当の苦痛を味わう結果になる!
今回は、マダニに全身を噛まれるどうなるのかを予想してみました。
記事内のシチュエーションは無きにしも非ずであり、野山でのキャンプには十分なマダニ対策が必要といえるでしょう。
マダニにほぼ全身を噛まれても、死には至ることはないようです。
しかし、噛まれた際の痛みは少なくとも、その後のかゆみや腫れは相当のものになるでしょう。
そして、当分の間はキャンプが嫌いになるのは間違いありませんね。