冷蔵庫や大型家電の転倒防止は難しい!?絶対に対策は必要なのか?

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地震対策で重要となってくるのが、家具の転倒防止です。

阪神淡路大震災では、約8割の方が窒息死、もしくは圧死にて亡くなっています。

最近では家具転倒防止用のグッズも充実したラインナップとなっていて、ビスなど使用できない借家でも対策が可能となっています。

家具の転倒防止グッズはたくさんありますが、大型家電となる冷蔵庫の転倒防止はどうすればいいいのでしょう。

今回は、冷蔵庫や大型家電の転倒防止について考えてみましょう。

目次

結論!冷蔵庫の転倒防止対策は難しい

結論から先にいってしまうと、大型家電である冷蔵庫の転倒防止対策はとても難しい!

と、いうことになります。

その理由は、ビスなどで壁や床に固定することと、冷蔵庫を動かさないとならないことにあります。

冷蔵庫の転倒防止はベルト式の固定具が主流

「冷蔵庫 転倒防止」で検索すると、さまざまな固定具がヒットしますが、その多くは壁面からベルトで支える道具となっています。

そして壁面には止め金具を、ビス止めする仕様がほとんどです。

中には、床面に金具を固定するモノもありますが、この場合も床にビスで固定する必要があります。

つまり、「金具を壁や床にビス止めする必要がある」方式が主流となっています。

壁面には冷蔵庫を支えることのできる下地が必要

仮に、壁面に取り付ける道具を購入したとしましょう。

いざ設置しようと試みた時に、金具を壁にビス止めしていると「あれっ!!」ビスが止まりません。

ぐるぐるとビスが回り、終いには壁から抜け落ちてしまいました。

そうです・・壁面にビスで止めるなら、下地が必要となります。

最近の住宅では、壁材に石膏ボードが使われています。

石膏ボードだけだと、ビスは止まりません。

ましてや冷蔵庫のような、重量のある家電を支えることもできません。

つまり、壁の中にある下地を探して、そこにビスで金具を止める必要があるということになります。

下地が必ずしも必要な場所にあるとは限らない

「壁 下地」で検索すると、下地を見つけるアイテムがあることが分かります。

では、そのアイテムを購入して、下地を見つけることとしましょう。

ところが、見つかった下地は天井近くと、冷蔵庫の真ん中、下部。転倒防止用の最適な場所には、下地がないことが分かりました。

こうなると、転倒防止用の金具および下地を見つけるアイテム、これらを購入した意味がなくなってしまいます。

粘着テープタイプならOK!?大工曰く、壁紙がはがれるだけ

では、震度6強にも有効とされているビスでなく、粘着テープで止めるグッズはどうでしょう。

大工さんにその効力を聞いてみると・・

石膏ボードでなく、壁そのものに止めるなら意味はあるだろう。

石膏ボードには壁紙が貼ってあるので、壁紙にテープをつけても壁紙(クロス)が先に破れるだけ。

万一、石膏ボードそのものに貼り付けても、あまり効力はない。

とのこと。なにせ、石膏ボード自体金づちで叩けば直ぐに割れる材質なので、大工的にはあまりおススメはできない。とのことでした。

天井とのつっぱり棒は!?30cm以上間隔があるとあまり意味がない

では、ビスを使うタイプは止めて天井と冷蔵庫を、つっぱり棒で支えるタイプを検討してみましょう。

天井との隙間が30cm以内なら十分な効力があります。

30cm以上の隙間だと、なかなか支えきれないケースが多いようです。

転倒を遅らせる役目は十分可能

では、つっぱり棒も冷蔵庫転倒には意味がない、という訳ではありません。

完全に転倒を防ぐことはできなくても、逃げる時間を稼ぐことは十分可能です。

つまり、つっぱり棒で転倒防止をしておけば、震度の大きい地震でも転倒までの時間稼ぎはしてくれる、となります。

冷蔵庫を動かすタイプは転倒事故に気を付けて!?

つっぱり棒は冷蔵庫を動かさなくても設置が可能ですが、それ以外で冷蔵庫を動かす必要のある機具を取り付ける際には、取付時における冷蔵庫の転倒事故にお気をつけください。

友人が、この手の転倒防止器具を取り付ける際。

冷蔵庫を1人で動かしていて、冷蔵庫が転倒する事態になっていました。

ヘルプの電話を受けて、友人宅へ駆けつけましたが冷蔵庫の中身が散乱して、大変な修羅場に・・

冷蔵庫を元に戻すにもかなり大変でしたので。

何も倒れてこない安全なスペースを作っておくことが重要

家具や冷蔵庫などの転倒防止は、地震対策としてとても有効な方法です。

ですが、実際に地震が起きてみなければ、その対策が有効であったかどうかの検証はできません。

製品開発をしている検査場と、我が家のリビングとでは状況も違いますし、マンションの高層階だと大きな揺れとなります。

ですから、転倒対策を施した上で「何も倒れてこない、何も落ちてこない、何も飛んでこない」そんなスペースを、家の中に作っておくことが重要となります。

地震が起きた時にそのスペースに逃げれば、圧死を免れる。

そんなスペースは、一家に1スペースは必要でしょう。

安全なスペースを詳しく解説した記事「セーフティゾーンってなに!?地震から圧死を防ぐ空間のことです」は、こちらからどうぞ!
https://bousai.nishinippon.co.jp/519/

因みに・・冷蔵庫は災害時の金庫になります。

今回は、冷蔵庫の転倒防止について考えてみました。

カンタンに利用できるのは、つっぱり棒になります。

それから、余談になりますが、冷蔵庫が頑丈なのはみなさん知っての通りです。

ですから、重要なもの。例えば、家の家族構成や災害時の避難先など、災害時に何か他人に知らせたい情報は、紙に書いて冷蔵庫に保管しておくとよいです。

家が倒壊しても、冷蔵庫は潰れずに残っています。

救助活動で冷蔵庫が発見されれば、必ず中身を確認します。

ですから、必要なメッセージがあれば、茶筒等に目立つ着色をしてその中に情報を記載した書類を入れます。

そして、冷蔵庫にしまっておけば、災害時に有効な連絡手段となるのです。

実際に、このことを推奨している地域がある程です。

冷蔵庫にスペースがあれば、試してみてもいいのではないでしょうか。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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