野良猫への餌やりは危険!大雨の日に起きた女の子の物語

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今回は、防災とは直接関係ないかも知れません。

ただ、野良猫への餌やりが招いた1人の女の子と、母親の恐怖体験をお話しましょう。

野良猫はどこにでも存在することです。

確かに可愛くて、近寄ってくればついつい世話をしてしまうのも人情かも知れません。

ですが、可愛いだけで餌やりなどしていると、想いもよらぬトラブルに遭う可能性もある。そんなお話です。

目次

動物好きの女の子が田んぼのあぜ道で子猫を見つける

ことの起こりは、桜の花びらが散っていく頃。

ある女の子Yちゃんが、買い物帰りに田んぼのあぜ道で子猫を見つけたことから始まります。

Yちゃんは母親との二人暮らしの5歳。

やんちゃ盛りで、夕方にお母さんと買い物に出かけるのが日課となっています。

その日は半分怒りながら諦めさせた

ある日Yちゃんが買い物の帰りに、子猫を見つけます。

そこは、田んぼのあぜ道で、自宅とスーパーとの近道でもありました。

ただ、通れるのは雨でない日のみ。

その理由は、田んぼなので土地が低く雨水が溜まりやすいことと、ぬかんるんで雨の日には危ないからです。

近所の人もその道をよく利用しますが、雨の日に利用するのは田んぼの持ち主くらいでしょう。

そんな場所で、可愛い子猫を見つけてしまったYちゃん。

夕飯のおかずにと買った惣菜を、子猫にあげると駄々をこねます。

母親としては、お金を出して買ったおかずを、野良猫の餌にするなど、考えられません。

Yちゃんを半分怒って餌をやるのを諦めさせました。

3日ほど経ってまた同じ子猫を見つけてしまう

翌日、その翌日も同じ道を通りましたが、子猫とは出会いませんでした。

母親は「どっかに行ってしまったんやろか。親猫が迎えにきたのかも知れないねぇ」

そう思っていましたが、Yちゃんには猫の話はしませんでした。

「猫ちゃんいないねぇ・・」と、寂しそうに言葉に出していたので、できるだけ共感しないようにしていたのです。

ところが、初めて子猫を見つけてから3日目。

ほぼ同じ場所で、子猫を発見してしまいました。

今度は、田んぼの中に生えている草を食べていました。

Yちゃんは「猫ちゃん草食べてるやん。お腹すいてるんやね。ママ何かあげようよ!」

Yちゃんはお母さんに訴えます。

そうは言っても、今持っているのは今晩のおかず。

それを食べさす訳には行きません。

その日も、Yちゃんの手を無理やり引いて帰宅しました。

娘の姿に母親が負ける!?翌日から餌やりが始まった

その日の夕食で、Yちゃんは大胆な行動にでます。

大好きな卵焼きを半分、ご飯も半分残して「ごちそうさまでした」と手を合わせたのです。

母親は「どうしたの食べないの?お腹痛いの?」と心配になってきます。

するとYちゃんは、「明日、猫ちゃんにあげんねん、今からおにぎり作るんや」と言うではありませんか。

その言葉と行動に、母親はこみ上げるモノがあり、Yちゃんに告げてしまいます。

「じゃあ、明日猫ちゃんのご飯買っていこう。せやからそれは、Yちゃんが全部食べていいんやで!」

その言葉を聞いたYちゃんは大喜び。

残した卵焼きとご飯を全部食べて、満足そうでした。

スーパーで魚肉ソーセージを購入!買い物帰りに餌やりをすることに

餌を買ってあげよう。

そう言ったものの、高価な総菜を餌とするのは抵抗があるし、缶詰は空き缶がゴミになってしまう。

魚肉ソーセージなら安価だし、中身だけやれば問題ない。

そう考えた母親は、その日魚肉ソーセージのセットを購入しました。

帰りにいつもの道を通ると、やはりそこには子猫がいました。

Yちゃんは「ママ早く早く」とソーセージをねだります。

「猫ちゃんご飯やでー」そういいながら、ソーセージを持った手を伸ばします。

ですが子猫は近寄ってきません。

そこでYちゃん、ソーセージを子猫に向かって投げました。

恐る恐る子猫はソーセージに近寄ります。

2,3回ニオイを嗅いだ後にガブリ。それをみたYちゃんちゃんは大喜びです。

あまりの娘の笑顔に、ホッとする母親は「これでこの子が喜ぶならいいか」そう思ってしまったのでした。

餌やりは1ヶ月ほど続いた!ただ雨の日は餌やりは中止

Yちゃんの餌やりは、それから1ヶ月ほど続きました。

最初は近寄ってこなかった子猫も、餌をくれる人だ。

と言うことが分かったらしく、最近ではYちゃんの手からソーセージを食べるようになっていました。

それはそれで、Yちゃんが喜ぶので良いのですが、母親としては野良猫に直接舐められるのは、嫌で仕方ありません。

餌やりが済むとその場で除菌シートでYちゃんの手を消毒します。

それでも、Yちゃんにとっては甘えてくる子猫が可愛くて仕方ないのでしょう。

雨の日は遠回り。猫もお家でお留守番だよ

雨が降ると、その日は遠回りして帰ります。

ですから、子猫には会いません。

Yちゃんは半泣きですが、「雨だから猫ちゃんもお家でお留守番やね」

そう言って諦めさせます。

でも、母親は雨の日が心が落ち着くのです。

子猫に娘が舐められずに済むからです。

そんな母親と娘の葛藤は1ヶ月以上続きました。

雨が続いた日に突然起こった緊急事態!娘がいない!?

梅雨入りまでは少し間があるけれど、何故か連日の雨が続いています。

子猫への餌やりは当然続いていて、今では完全にYちゃんの手の平からソーセージを食べるようになりました。

大体の時間も覚えて、買い物帰りには同じ場所でちょこんと座って待っています。

その愛らしい仕草にYちゃんは、メロメロになっていました。

ペットとして飼いたいけれどハイツではペット不可

母親はここまでなついたのなら、いっそペットとして飼った方が安全と考えるようになっていました。

そして、ハイツの管理会社に室内であれば、ペットは可能かを問い合わせた結果、ペットはNGとのこと。

娘にどこかで諦めさせないといけない。

そう思いながら、時間は経っていきます。

3日連続の雨が続いた日!19時に娘がいないことに気づく

「今日も雨やねぇ・・猫ちゃんお腹減ってるよ・・ママ」

そう言いながら夕食していたYちゃん。

母親は、「雨の日はYちゃんと同じように、お家でママと一緒にご飯食べてるから、大丈夫やで!」そう笑って答えます。

「そうやろかぁ」元気なさそうにYちゃんはため息を付くのでした。

夕食が終わって母親は、お風呂の支度に取りかかります。

そして、Yちゃんに「さぁお風呂はいろかぁ」と言いながらリビングにいくと、いません。

トイレか?そう思い、トイレも探しますがいません。

かくれんぼしとんのやろか?そう思いながら、「Yちゃ~ん」と家中探します。

1LDKの部屋は直ぐに探せます。「もしかして・・」母親は嫌な予感を察知して慌てて傘をさして、飛び出しました。

田んぼで立ち尽くすYちゃん!腕には子猫を抱えて泣いている

母親の嫌な予感は見事に的中!

いつも子猫のいる田んぼに、Yちゃんは泣きながら立っていました。

手にはソーセージを持って、両腕で子猫を抱えていました。

母親は直ぐに助けに行こうと、傘を投げ出して田んぼに入ります。

「ズブ、ズブブ」と足が田んぼに埋まっていきます。

その田んぼは、元は蓮池だったので雨が続くと泥沼化してしまう場所なのです。

ですから、雨が降ると近所の大人でもその道は通らないのです。

右足がひざまで埋まってしまい、身動きがとれません。

何とか這い出して、Yちゃんの名前を呼びます。

「動いたらあかんでぇ!そのままそこにじっとしとくんやでぇ!」

大声で叫びます。

それもそのはずで、もしYちゃんが泥沼にハマれば、あっという間に沈んでしまいます。

母親は気が動転して、何をしていいのか全く分かりません。

ただ、Yちゃんに声をかけるのが精一杯だったのです。

巡回中の消防団に偶然出会う!Yちゃんも子猫も無事救出

地域では長雨のせいで、数件床下浸水が起きていました。

その対応に、消防団が土のうを積みに巡回をしていたところでした。

そして、消防車が鳴らす鐘の音に母親は反応します。

Yちゃんに「ママ直ぐに戻ってくるから、絶対にそこを動いちゃダメやで!」

そう叫ぶと、消防車に一目散で駆け寄ります。

事情を話す間もなく、異様な雰囲気に消防団員が先に気づき、現場へ向かいます。

消防団もその場所はチェック済みで、長雨ではチェック場所となっていました。

2mの測量で使う赤白の棒を田んぼに差して、泥の深さを測ります。

そして、あぜ道を見つけてそこからYちゃんの元へ。

消防団員によって、無事にYちゃんも子猫も救出されました。

子猫は一旦消防団預かりとなり、里親に引き取られることに

消防団は一応事故として処理するために、報告書を作成しなければなりません。

なので、Yちゃん親子を家に送り、数時間後に自宅にて詳しく原因を聴取しました。

そこで、子猫は野良猫であること。

餌やりで情が芽生え、Yちゃんが1人で子猫に餌をやりに行ったこと。

全てを話しました。

事情を聴いた消防団は、子猫は一旦消防団で預かることとして、改めて自治会で里親を募集することにしたのです。

可愛さだけで野良猫、野良犬への餌やりはリスクを伴う

今回の出来事は、地域の大きなニュースになりました。

ゴミステーションを漁る野良猫もいます。

大人たちは知らんふりをしていても、子どもたちにとっては可愛いペットと、同じ感情が芽生えてしまうでしょう。

ですが、それを大人が許すなら自分で引き取る位の覚悟と、行動が求められます。

今回のように、子どもの純粋な心から起きてしまう事故もあります。

野良猫や、野良犬に噛まれて大きな負傷を負うケースもあります。

「無責任な餌やりは、時として人の命を脅かす事態を招くこともある!」

と言うことを、教えられた事件をお伝えしました。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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