タクティカルペンを防犯グッズにするのは違法?タクティカルペン2種のレビューと2023年の最新おすすめ商品も紹介

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ライターの永野です!

4月15日に和歌山県で起こった岸田首相襲撃事件は、まだまだ記憶に新しいという方もいるのではないでしょうか。昨年7月には安倍元首相の銃撃事件もあり、「日本は平和」「安全」というイメージが崩れつつあるように思われます。

「著名人だから」「一般人の自分は大丈夫だろう」と考える方もいるかもしれませんが、いつ・誰に・どんなことが起こるかはわかりません。自然災害への備えはさまざまな災害を経験するなかで、多くの方が意識するようになってきました。防災と同様に、自分自身の身を守るための「防犯」への意識も、高めていく必要があると、筆者は考えます。

防犯をテーマにした記事は、過去にも以下のような内容で執筆しました。

一人暮らしの防犯対策|物件・玄関・室内・家の外でできること
玄関で役立つ防犯グッズは?防犯強化のポイントも解説
女性におすすめの防犯グッズ6選!必要性や選び方も解説

自分の身を守るアイテムには催涙スプレーや護身棒、タクティカルペンなどがありますが、防犯グッズは所持や携帯が「違法」とされるケースもあるため、どういったものを選べばよいかは非常に難しいところです。

今回は、防犯グッズの1つとして注目されるタクティカルペンが違法になるのかどうか、気になる部分を詳しく解説します。そして、2種類のタクティカルペンを実際に試してみたので、そのレビューやその他おすすめのタクティカルペンもご紹介していきます!

目次

タクティカルペンとは?ボールペンとの違い

防犯、護身用アイテムなどに詳しい方はタクティカルペンがどういったものかご存じでしょうが、そもそもタクティカルペンが何かわからないという方も少なくありません。

まずは、タクティカルペンとは何か、通常のボールペンと何が違うのかを確認しましょう。

タクティカルペンとは

タクティカルペンは、護身用アイテムとしての機能を備えたペンです。名称にある「タクティカル(tactical)」には「戦術的な」という意味があり、攻撃的な要素を持ったアイテムであることがわかるのではないでしょうか。

タクティカルペンは軽量で丈夫な金属でできています。先端の尖った部分だけ異なる素材で硬度を上げている商品も多い傾向です。

用途は非常時に護身具にする、脱出時に窓ガラスなどを割る、通常のペンとして使用するという大きく3通りあります。防犯グッズとしての要素が強いタクティカルペンのなかには、相手の皮膚をわずかに剥ぎ取るDNAキャッチ機能がついたものもあるようです。

通常のボールペンとの違い

通常のボールペンとタクティカルペンの最も大きな違いは、用途でしょう。そのため、構造にも以下の4つの違いがあるといえます。

タクティカルペン通常のボールペン
耐久性高い(金属やチタンなどを採用)低い(プラスチックのものが多い)
価格高価安価
重量ボールペンよりも重みがある軽量なものが多い傾向
防衛機能ありなし

タクティカルペンは防衛機能を備えたペンなので、通常のボールペンよりも重量があり、耐久性に優れています。デザインや素材にこだわっている分、価格もボールペンより高い傾向です。

タクティカルペンは違法?防犯グッズとして使えない?

「タクティカルペン」と検索すると予測検索に「違法」というワードが登場します。タクティカルペンをどうすると、違法とみなされてしまうのでしょうか。

護身用の防犯グッズの購入・所持は「合法」

タクティカルペンをはじめ、一般的に販売されているさまざまな防犯グッズを購入・所持するのは違法ではありません。「合法」で購入でき、手元に持っておくことができます。特に、タクティカルペンは「ペン」の要素が強く、一般的な筆記用具にカテゴライズされるケースも多い傾向です。

ただ購入して持っているだけで違法とされることはありませんので、安心しましょう。

防犯グッズの携帯は「違法」

タクティカルペンが違法になるのは「携帯」したときです。「所持」と「携帯」を同義に捉える方もいるかもしれませんが、「所持」は「所有している」ということで、「タクティカルペンを自分で購入し、自分のものとしている」ことを意味します。一方の「携帯」は「持ち歩く」ことです。

つまり、タクティカルペンを購入して自分のものにするのはOKですが、バッグに入れるなどして常に持ち歩くのは法律的にアウトということになります。

これはタクティカルペンに限らず、多くの防犯グッズに該当する可能性があるため注意が必要です。スタンガンや特殊警棒、催涙スプレーなどは、購入して玄関先や店舗、事務所などに置いておくことは可能なものの、持ち歩くと「軽犯罪法」に触れる可能性があります。

そもそもですが、タクティカルペンは「クボタン」という小さな護身具の代わりになるものです。クボタンは相手の関節周辺や筋肉の少ない部分を突いたり、自身で握りしめてパンチの威力を高めるといった使い方をします。しかし、クボタンを使いこなすには相応の護身術も身につける必要があり、多くの方はクボタンやタクティカルペンを携帯していても、いざというときに100%活用することは難しいでしょう。

とはいえ通常のボールペンですら、ときには相手を攻撃する武器になるので、護身用・攻撃用として製造されたタクティカルペンが違法になるのは否めません。ちなみに軽犯罪法に違反すると検挙・起訴されて、1日以上30日未満の交流や、1,000円以上1万円未満の金銭徴収が科せられることもあるため、注意が必要です。

タクティカルペンの携帯が違法にならない場合も

タクティカルペンを護身用に持っているのか、攻撃や犯罪のために持っているのかは、周囲の人にはわかりません。そのため、警察官がタクティカルペンの携帯を厳しく取り締まるケースもあります。

ただし、前述の通りタクティカルペンは基本的には「筆記用具」の一種ですので、「メモを取るため」など合法的な目的で所有している場合には、違法にならないことも。「護身用」というのは一件問題ないように思われるかもしれません。しかし、「包丁を買った帰りで所持している」のと、「護身用に常に包丁を持ち歩いている」のでは大きく意味が変わってくるのと同様に、「誰かに攻撃されたら武器にする」という目的で携帯するのは禁止です。

タクティカルペンを持ち歩く場合は、ペンとしての機能のみを使用する前提で携帯しましょう。

タクティカルペンを持ち歩きたい場合に注意したいポイント

タクティカルペンを携帯したいときには、合法のものを購入するようにしましょう。もともとタクティカルペンは、アメリカのナイフメーカーが護身を目的に作ったものです。ナイフや特殊警棒のようにあからさまに攻撃ができるものではありませんが、通常のボールペンなどと比べると重みがあり、見た目も攻撃的なデザインのものが多くあります。

しかし昨今は違法にならないよう「ペン」としての要素をメインにデザインしたタクティカルペンも増加傾向です。

タクティカルペンを携帯する際は、デザインがスタイリッシュで通常のペンと変わらないもの、「合法」と謳われているものを選びましょう。

タクティカルペン2種を筆者が実際に使ってみた!ボールペンでも実験!

タクティカルペンが違法になる理由やタクティカルペンの用途などは、わかったでしょうか?ここからは、筆者が実際にタクティカルペンの威力などを自宅で実験してみたレビューをお伝えしたいと思います。

今回レビューするのは、「Smith&Wesson SWPENMP2BK 2nd Generation タクティカルペンブラック」と、「Kigauru 護身用タクティカルペン」の2種類です。

上が「Smith&Wesson 」、下が「Kigauru」です。

タクティカルペンの使い方

護身用としてタクティカルペンを使用する場合、目的は「殺傷」ではなく「相手に苦痛を与えること」なのだそうです。使い方は簡単で、突起部分がまっすぐ下を向くように持ちます。タクティカルペン本体に親指以外の4本の指を巻きつけるようににぎり、親指は突起と反対の部分に添えるとのこと。

こんな感じですね。

これをポイントに突き立てるように、振り下ろして使うとのことです。

レビュー商品の紹介

こちらが今回試したペンです。特徴を簡単にまとめました。

Smith&Wesson SWPENMP2BK 2nd Generation タクティカルペンブラック

金属製の真っ黒なボディをしています。サイズは14センチほどで、コンパクトな見た目と比べると重要があり、持ち上げるとずっしりしていました。

ペンとしての要素ゼロ!と思ったら、とがっているほうとは反対側のキャップをクルクル回したら、ボールペンが出てきました。本来の「ペン」としての役割もしっかり果たしてくれそうです。

Kigauru 護身用タクティカルペン

Kigauru 護身用タクティカルペンは、Smith&Wessonのものよりもゴツゴツとした見た目となっています。重量感がありそうですが、Smith&Wesson よりも感覚としては軽いです。画像右側が見ての通りとがっており、先端はより硬度の高い素材でできています。一度、ノック式のボールペンと間違えて触ったのですが、めちゃくちゃ痛かったです…。

とがっている部分とは反対の左側を回すと、ペンが出てきます。

uniボールペン

タクティカルペンとの比較として「一般的なボールペン」代表に選ばれたのは、お馴染み、uniのボールペンです。こちらは100円ショップSeriaで購入しました。スタイリッシュなボディはカラーバリエーション豊富で、好みのものを選べます。タクティカルペンと比べるとボディが細く、重さも非常に軽いです。

商品レビュー①書き心地

タクティカル「ペン」という名前の通り、基本的な用途は「ペン」です。そこで、前述の2種類のタクティカルペンと、uniのボールペンで、書き心地を比べてみました。

上:Smith&Wesson SWPENMP2BK 2nd Generation タクティカルペンブラック
中:Kigauru 護身用タクティカルペン
下:uniボールペン

ご覧の通り、永野は字がへったくそです。が、それはさておき、2種類のタクティカルペンは重みがありしかもにぎる部分が太いので、書き慣れたuniのボールペンと比べるとやや書きにくい感じがしました。が、字のうまい下手にに影響するほどではないことは一目瞭然でしょう。

また、uniはペン先も細めのものを使用しているので、それに比べるとペンも太めです。ちょっとしたメモには問題なく使えそうですが、重くてにぎりにくいので、本来のペンとしての役割を長時間発揮するのは厳しいかもしれません。

商品レビュー②威力

3種類のペンを使って、段ボールに穴をあけてみました。1枚重ね、2枚重ね、場所を変えての2枚重ねと、3回試したところで永野の手首と指に限界が来たので、威力を3回試した結果をお伝えします。

段ボール1枚

左 :Smith&Wesson SWPENMP2BK 2nd Generation タクティカルペンブラック
中央:Kigauru 護身用タクティカルペン
右 :uniボールペン

段ボール1枚は、ちょっと力を入れればどのペンでも穴があきました。先端にやや太さがあるSmith&Wessonのタクティカルペンは、2,3回突いたところで穴があいたので、穴をあけるのには適していない印象です。

そもそもタクティカルペンは穴をあけるのが目的のアイテムではありませんが…。

Kigauruのタクティカルペンは先端がとがっているので、Smith&Wessonのものよりは穴があきやすかったですが、uniのボールペンが「段ボールに穴をあける」という目的では最も有効でした。

段ボール2枚重ね

左 :Smith&Wesson SWPENMP2BK 2nd Generation タクティカルペンブラック
中央:Kigauru 護身用タクティカルペン
右 :uniボールペン

段ボールを2枚重ねにして突いてみたところ、写真のような感じになりました。Smith&Wessonは穴があかなかったものの、2枚目まで衝撃が加わっていました。Kigauruのタクティカルペンは1枚目に若干の穴があき、2枚目の段ボールにもややダメージが加わったような形跡が。そして我らがuniのボールペンはしっかりと1枚目に穴をあけてくれましたが、2枚目の段ボールへのダメージは皆無でした。

段ボール2枚重ね(やり直し)

左 :Smith&Wesson SWPENMP2BK 2nd Generation タクティカルペンブラック
中央:Kigauru 護身用タクティカルペン
右 :uniボールペン

1つ前のは、段ボールを膝に乗せてペンを突き立てたので、自分でも加減した部分があるなぁと感じ、重ねた段ボールで土台をつくり、その上に2枚重ねの段ボールを置いて再度やってみました。

栄養ドリンクの入っていた段ボールなので丸い跡がついていますが…。

力を込めた分、それぞれ威力が上がっていることがわかるでしょうか?だた、やはりSmith&Wessonのものは穴があきませんでした。Kigauruのものは1枚目に穴、2枚目にも衝撃が加わっており、uniのボールペンは1枚目の段ボールに盛大に穴をあけるにとどまっています。

タクティカルペンを使ってみて感じたこと

3回威力を確認したところで、手首と、ペンの上部にかけていた親指に痛みが…ということで、検証は終了。検証前は「でっかい穴あけるぞ~」などと思っていましたが、実際に使ってみたらそこまで直接的な威力はないことがわかりました。

前述の通り、タクティカルペンは「殺傷」ではなく「相手に苦痛を与えること」を目的にしているので、「刺してどうこうなる」という感じは思ったよりありませんでした。どちらかといえばボールペンのほうが、「深く突き刺さって出血する」という攻撃力が高い印象です。

タクティカルペンは相手の急所を突くことのほか、脱出の際に窓を割るといった用途もあります。さすがに実際にガラスなどを割るのは難しく、直接的な検証はできませんでしたが、段ボールについた跡を見ていただくとわかるように、ピンポイントではなく割と広範囲に衝撃が加わるようです。

思いっきり突き立てるとガラス全体にひびが入るくらいの威力を発揮してくれそうなので、水没した車内などからの脱出には役立つのではないでしょうか。
※商品や力加減などによって威力は異なります。各商品の詳細・クチコミなどをご確認の上、購入をご検討ください!

あとは、思ったよりもコツや力が必要そうです。正しい持ち方を調べてやってはみたものの、100%の力をそこに込められたかというと、定かではありません。というか、思いっきりやったら本当に手首か指かどこかしらが負傷しそうでした。

タクティカルペンは合法のものを携帯していたとしても、正しく使えないともしものときにも活用できない可能性があります。とはいえ、普段はペンとして活用できますし「お守り」的に持ち歩くのはアリなのかな、というのが筆者が実際に使ってみた感想です。

レビュー商品以外にも!Amazonでおすすめのタクティカルペン3選

前述のタクティカルペン2種類は、Amazonで購入できます。

これ以外にも見た目の攻撃性が低そうで、「ペン」としての要素が強そうなものがいくつかありましたのでご紹介したいと思います。

SMOOTHERPRO

SMOOTHERPROは、ステンレススチール製のボールペンです。ボールペンとしても書きやすく、見た目がおしゃれなことからオフィスなどで使用する方も。タクティカルペンとしての機能も高く、アウトドアや防衛技術への活用も可能です。持ち歩いていても「怪しい」と思われないことはもちろん、スタイリッシュな見た目で革の手帳などとも相性がよさそうですね。

TITANER スタイラス チタンペン

シルバーのボディが美しいTITANER スタイラス チタンペンは、ボールペンとスマホやタブレットのタッチペンが一体になったタイプのタクティカルペンです。一見、タクティカルペンの要素は皆無のようですが、タッチペンのカバーを外すとタングステン性の尖った部分が顔を出します。小さいながらもガラスを割るくらいの威力を発揮でき、また普段はタクティカル要素を隠しておけるので、安全な使用も可能です。

TIMULTI チタン ボールペン

両端がシルバー、ボディはブラックというおしゃれなデザインが印象的なTIMULTI チタン ボールペン。タクティカルペンとは謳っていないものの、緊急時のガラスブレイカー機能を備えています。チタン合金と炭素繊維材料で作られており、硬度も信頼できるでしょう。こちらもボールペンとしての用途をメインにしても違和感がなく、むしろアクセントとなる金具がおしゃれさを引き立ててくれるので、おすすめです。

タクティカルペンは扱いが難しい!防犯グッズにするなら違法にならないよう注意して

今回は、タクティカルペンの違法性などについて解説し、実際に2種類のタクティカルペンを使って検証をしてみました。タクティカルペンの購入・所持は合法なものの、「携帯」は違法にあたる可能性があるため、注意が必要です。

また、もし合法で持ち歩けるタクティカルペンがあっても、万一窓ガラスを割って脱出しなければいけない場面などで活用するには、かなりコツがいるでしょう。タクティカルペンはデザインがおしゃれなものも多いので、見た目にこだわっておしゃれなペンを持ち歩きたい方、そのなかにちょっとした「防犯性」があるという安心感を得たいという方に向いているといえます。

違法にならないよう注意し、気に入ったタクティカルペンを選びましょう。

参考サイト

護身術.jp
タクティカルペンの所持や持ち歩きは違法?何故、警察の職質質問の対象?安心して持ち歩き可能なタクティカルペンは?
Wikipedia「タクティカルペン」

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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