災害に関する知識を深めたり防災グッズを用意したりと、「防災」に興味・関心を持つ方は増加傾向にあります。災害に備えることはもちろん大切ですが、犯罪に巻き込まれたときに備える「防犯」への対策も日頃から行っていきたいところです。
「防犯」と一言でいっても、外出時や自宅にいるときなど、さまざまな場所・シチュエーションでの対策が求められます。その場に合った防犯グッズをチョイスすることで、防犯の制度を高めることが可能です。
今回は自宅でも犯罪者が最も侵入しやすい玄関の防犯に注目し、おすすめのグッズや防犯強化のポイントなどをご紹介します。
玄関の防犯強化の必要性
不審者はさまざまな経路から自宅内に侵入してきます。家の「顔」ともいえる玄関は外からもよく見える場所にあることも多く、「そんなところから堂々と入ってくるはずがない」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、見通しの悪い場所に玄関がある、玄関のセキュリティが低い状態である家などは、玄関を侵入経路にされることもあるため注意が必要です。実際、平成30年度の警視庁調査では、住宅への侵入の43.2%が、玄関や勝手口などの出入り口からの侵入だったことがわかっています。
自宅の防犯対策を行う場合には、玄関の防犯対策もしっかりと強化していく必要があることがわかりますね。
玄関からの侵入手口は…
玄関からの侵入手口は大きく3つです。
・ピッキング:専門工具を使い、鍵穴から解錠する
・サムターン回し:ドアの隙間から工具を差し込み、内側のつまみを回して解錠する
・カム送り:シリンダーリングを浮かせ、隙間から工具を差し込み解錠する
サムターン回しはドアの隙間以外にも、ドリルで穴を空ける、郵便受けの差込口やドアスコープを利用する手口もあります。
玄関で使える防犯グッズの種類と特徴
ここからは、玄関で使える防犯グッズをご紹介していきます。さまざまな防犯グッズのなかから自宅の玄関に合うものを見つけ、複数を組み合わせるなどして適切な対策をしましょう。
サムターンガード
ドアの内側のつまみを外から回されてしまう「サムターン回し」への対策におすすめなのが「サムターンガード」です。サムターン部分を囲むような形状のもので、工具でサムターンを解錠されるのを防ぐことができます。
サムターンガードは100円くらいの安価なものから数千円のものまで幅広くありますが、安価なものは構造が簡単で、工具で破壊されてしまうことにもなりかねません。自宅のドアに合ったサムターンガードを購入することはもちろん、「ただ取り付ける」のではなく防犯性が高いものを選ぶようにしましょう。
ドアスコープカバー
一般的なドアスコープは簡単に取り外せることはもちろん、外から中の様子が見えるものもあり、プライバシーの観点からも危険です。ドアスコープカバーを取り付ければ、外から様子をうかがわれることがありません。ドアスコープカバーはドアスコープ部分に貼るだけで簡単に取り付けられるものも多いので、購入をおすすめします。
後付けできるドアスコープのなかには、外側からの取り外しを防止でき、広角レンズで訪問者をしっかりと確認できるといった機能のついたものもあるので、のぞき見だけでなくサムターン回しなども防止するならば、こうした商品を選ぶのも1つの手段です。
スマートロック
スマホアプリなどを使用してドアの施錠を管理できるスマートロックは、基本的にオートロック機能が搭載されているので鍵をかけ忘れる心配がありません。GPS機能を利用して近づいたら開錠する、スマホの開錠ボタンを押すと開くなど、開錠方法も自身に合ったパターンをチョイスできるので、便利です。
遠隔で施錠管理ができるスマートロックなら、セキュリティ面の安心感もあります。しかし、ドアのタイプによっては設置できない、スマホを忘れるとオートロックで締め出される可能性があるなどのデメリットがあることも忘れてはいけません。
防犯カメラ
周囲の様子を監視、録画してくれる防犯カメラは、不審者や侵入者を特定する場合にも役立ちます。また、防犯カメラが設置されているだけで、侵入の対象になりにくいという「抑止力」も持っているので、ダミーの防犯カメラを設置する家もあるほどです。
防犯カメラのなかにはセンサーライトがついており、夜間に人が通ると点灯するものもあります。最近の防犯カメラは設置費用なども安価な場合が多く、さまざまな機能を持った防犯カメラが登場しているので、必要な機能が備わったものを選ぶようにしましょう。
防犯フィルム
玄関付近に窓がある場合、窓が侵入経路となることもあります。窓ガラスを割って玄関の鍵をあけられてしまうなどのトラブルを防ぐには、防犯フィルムが有効です。
防犯フィルムを貼ることで、ガラスの強度を高め、万一災害などで割れた場合にも飛散などを防ぐことができます。もちろん、玄関以外の経路から侵入してくる不審者もいますので、玄関付近だけでなく、家の窓ガラスには可能な限り防犯フィルムを貼るとよいでしょう。
補助錠
メインの鍵だけでは心もとない、という場合には補助錠を取り付けるのもおすすめです。補助錠があればその分開錠しなければいけない鍵が増えるので、侵入に時間がかかります。補助錠は侵入を諦めさせる効力もあるので、「ついている」のがわかりやすいものを選ぶのもポイントです。
補助錠には外付けタイプ、内付けタイプがあり、第三者の目につくものを選ぶなら外付けタイプがよいですが、内付けタイプも解錠方法が取り付けた人にしか分からない、というメリットがあります。
玄関防犯強化のためのポイント
玄関の防犯を高めるためのポイントは大きく4つです。防犯グッズを活用しながら、防犯w強化していきましょう。
玄関前の視界確保
玄関前に高い塀がある、庭木などが生い茂っていると、見通しが悪くなります。こうした家は人が侵入しても周囲からわかりにくいため、侵入者に狙われやすくなるため注意が必要です。
庭木の手入れをしっかりして見通しをよくする、リフォームの際に塀を撤去するといったことができればベストですが、すぐに実行できない場合は防犯カメラを目立つ場所に設置することで、抑止力を高めることができるでしょう。
ロックは2つ以上
玄関の鍵の数が多ければ、侵入には時間がかかります。鍵が1つの家は補助錠などを導入し、ロックの数が2つ以上になるようにしましょう。
補助錠を付ける場合は、メインの鍵から離れており、尚且つ郵便受けなどからも遠い場所に設置します。ただし、賃貸物件などは勝手に取り付けると退去の際に多額の費用を請求されることもありますので、管理会社に問い合わせてから設置するようにしてください。
ドア周辺のガラス対策
ガラスは鍵よりも突破しやすいため、ドアそのもの、またはドア周辺にガラスがある場合は、しっかりと対策する必要があります。
防犯フィルムを貼る、防犯ガラスに取り替えるなどの方法で、防犯を強化しましょう。
犯罪抑止になるグッズも忘れずに
センサーライトやモニター付きインターホン、防犯カメラなど防犯対策はもちろん、そもそもの侵入を抑止する効果のある防犯グッズを導入することも大切です。防犯対策はわからないように行うより「対策をしています」というのが不審者に伝わるようにするほうが、高い効果が得られることもあります。
玄関の防犯から、自宅の防犯設備を整えよう
侵入者が玄関を経路とする確率は非常に高いので、しっかりと防犯対策を行う必要があります。防犯グッズにはさまざまなものがあり、価格帯も幅広いです。予算や玄関の規格にあったものなどをチョイスし、防犯設備を整えましょう。
また、玄関以外にもさまざまな場所から侵入される可能性があるので、庭や窓ガラスなど、その場所に合った防犯グッズの導入を検討してくださいね。