日本は地震大国といわれていて、現在も頻繁に地震は発生しています。
テレビを見ている時に、ドラマでもスポーツ番組でも、どのような番組中でも画面上部に「地震情報」が表示されます。
このような状況は、多くの方が知ってのとおりです。
では、今後30年以内に起きるといわれている、南海トラフ巨大地震が発生するとどうなるのでしょう。
そこで「もしも、日本が壊滅するかも知れない南海トラフ巨大地震が起きたらどうなるのか?」を、考えてみます。
直近の巨大地震は東北地方太平洋沖地震だった
最も直近での大地震は、2011年3月11日に起きた「東北地方太平洋沖地震」であり、マグネチュード9.0を記録しています。
いわゆる東日本大震災で、この地震は世界でも4番目になる規模の大きな地震でした。
しかし、今後30年以内にこの地震を遥かにしのぐ、巨大地震が起きると予測されています。
それが「南海トラフ巨大地震」です!
改めて東日本大震災の状況を確認してみる
ここで改めて日本国内観測史上最大規模となった、東日本大震災の状況を確認してみましょう。
あれから12年を経てもなお被害は継続しており、行方不明者も多く確実な被害状況の把握には至っていません。
総務省消防庁が公開している被害状況などでは、震災直後の2011年6月時点の情報が多く現状にはマッチしません。
そこで、2023年2月7日に配信された、Yahoo!二ユースが独自にまとめた最新情報を見てみましょう。
戦後最大の被害となった阪神淡路大震災の2.47倍!
1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災では、死者6,434名、行方不明者3名、負傷者43,792名と、戦後最大の被害がもたらされています。
しかし東日本大震災では、死者は2.47倍、行方不明者に至っては、なんと841倍にものぼっているのです。
違いは内陸型と海溝型の地震のタイプ
阪神淡路大震災と東日本大震災との大きな違いは、内陸型と海溝型との地震のタイプの違いにあります。
阪神淡路大震災では内陸型であったため、津波は起きていません。
一方で東日本大震災では、海溝型地震で大津波が発生し、被害の多くが津波によるものです。
このように、地震のタイプによっても被害状況が大きく変わってきます。
もしも、南海トラフ巨大地震が起きたらどうなるのか?
ここからは本題の「もしも、南海トラフ巨大地震が起きたらどうなるのか?」について考えてみましょう。
まずは、南海トラフ巨大地震が「阪神淡路大震災や東日本大震災」と、違う点はお分かりでしょうか?
そうです!まだ起きていない巨大地震を予測している点です。
どうして南海トラフ巨大地震は起きると予測されているのか?
阪神淡路大震災も東日本大震災も、予測されることなく突然起きています。
ところが、南海トラフ巨大地震は、確実な発生日までは予測されていませんが「近い将来、必ず起きる!」といわれています。
気象庁から震度分布や津波の高さまでも公表されている
このように、南海トラフ巨大地震が起きた際の地震の震度分布や、津波の高さなどまで気象庁が公開しています。
巨大地震はマグネチュード9.1にもなる!
東日本大震災でのエネルギー量は「1.7×10の18乗」であり、なんと広島の原爆3万2,000発相当に値しています。南海トラフ巨大地震では、これを超えるエネルギー量が発生されると予測されています。
20mを超える津波が発生する!
先の気象庁が発表している津波の高さを見てお分かりのように、静岡県から四国の沿岸部では10m以上の津波が発生し、地域によっては20mを超える津波も予想されています。
津波の到達時間は最短で2~3分!逃げる時間はない
津波の到達時間はとても早く、最も早いと予想される和歌山県串本町では、18mの津波が約2~3分で到達すると予想されています。
この時間では逃げる雛などなく、あっという間に津波に飲み込まれてしまいます。
ここでは2012年に公表された政府発表のデータをもとに、独自に津波の到達時間が10分以内の地域をまとめてみました。
到達時間 | 自治体名 | 津波の高さ |
---|---|---|
2分 | 和歌山県串本町 | 18m |
3分 | 高知県室戸市 | 24m |
4分 | 静岡県沼津市 | 10m |
4分 | 静岡市 | 13m |
4分 | 三重県尾鷲市 | 17m |
4分 | 和歌山県新宮市 | 14m |
4分 | 高知県土佐清水市 | 34m |
5分 | 浜岡原発 | 19m |
5分 | 静岡県磐田市 | 12m |
5分 | 浜松市 | 16m |
6分 | 三重県志摩市 | 26m |
8分 | 高知県黒潮町 | 34m |
8分 | 高知県宿毛市 | 25m |
9分 | 愛知県豊橋市 | 19m |
東日本大震災では最短25分で津波が到達していますが、それであの被害です。
上記のとおり、14の自治体が10分以内に津波が襲ってくるので、被害の大きさは東日本大震災を上回るのは容易に想像できます。
南海トラフ巨大地震での死者数は最大で32万3,000人と予測
南海トラフ巨大地震での死者数は、最大で32万3,000人と予測されています。
これは阪神淡路大震災の約50倍、東日本大震災の約20倍にもなるのです。
死者の内訳をみるとやはり津波での死者数が多い
ここで、死者数の内訳をみてみましょう。
この予測からみても、やはり津波による人命被害が多くなっていることが分かります。
日本崩壊!ライフラインの機能停止、経済損失は214兆円におよぶ
巨大地震による被害の多い地域では、すべてのライフラインの約9割が機能を失うと予測されています。
ここでは、その内訳を確認してみましょう。
経済損失は国家予算の2倍強にもおよぶ!
南海トラフ巨大地震が発生した際の、経済的損失は国家予算の2倍強となるようです。
現実になれば、日本が崩壊することを意味している数字であることは間違いありません。
個人や企業単位で、南海トラフ巨大地震に備えることが重要
南海トラフ巨大地震は、近い将来必ず起きるといわれている地震です。
しかし、いつ起きるかは分からないため、普段から個人や企業単位で地震への備えをすることが重要といえるでしょう。
地域によって被害規模も異なるので、各自治体が発信する防災情報をしっかり確認しておくとよいです。
ここでは内閣府が公表している「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」ページの、避難行動概念図を紹介しておきます。
まとめ
今回は「もしも、南海トラフ巨大地震が起きるとどうなるのか?」についてお届けしました。
南海トラフ巨大地震が発生し、政府の予想通りの被害が起きれば、日本が崩壊するといっても過言ではないでしょう!
死者数・行方不明者数・倒壊家屋・ライフラインの被害など、どれをとっても歴史上最大の被害が予想されています。
突然起きる地震に対して、どうすることもできないかも知れません。
しかしながら、少しでも命を守る手段を講じていれば助かる確率はアップしますから、他人ごとでなく真剣に災害と向き合う必要があるでしょう。
最後に、今回の考察に至る原因となった動画をご紹介しておきます。津波のシーンやセンシティブな内容が含まれているので、閲覧にはご注意ください。