車の雪下ろしをしないと、どうなるのかお分かりでしょうか?
数センチ程度の雪なら溶けるまで放置して大丈夫ですが、数メートルも雪が積もる豪雪地帯なら車でもこまめに雪下ろしをしないと、最悪のケースでは雪の重みで破壊される恐れもあります。
豪雪地帯に長年住んでいる方なら、常識として知っているはずですが、そうでない地方から長期出張にきた方や移り住んできた方には、分からないかも知れません。
そこで今回は「車の雪下ろしをしないとどうなるのか?」を解説します。
車の雪下ろしをしないとどうなる?
豪雪地帯で車に積もった雪を放置し続けると、どんどん雪が積もっていき車が破壊されることになります。
ここでは、車が破壊される順番を追っていきましょう。
まずはバッテリーがダメになる
車に積もった雪を、2~3日程度そのままにしていても問題はありませんが、流石に1週間も放置しておけば、まずはバッテリーが上ってしまいます。
寒冷地仕様の大容量のバッテリーでも、雪が積もってボディがキンキンに冷えた状態が続くと、バッテリー上がりを起こしてエンジンがかからなくなります。
バッテリーが上がって自走できなくなれば、周囲も雪だらけなのでレッカー車を呼ぶ必要があり、カーディーラーなど車屋にいかないといけません。
バッテリーはただでさえ寒さに弱い
バッテリーには希硫酸が使用されていて、化学反応を起こすことで電気を作りだしています。
しかし、希硫酸も温度が低くなると科学反応が起きにくくなる性質があり、性能が低下することが分かっています。
雪の降らない地域でも、底冷えのする早朝にはバッテリーが上りかけて、エンジンがかかりにくいケースが多く見られます。
豪雪地帯において、車が雪に埋まった状態になっていればバッテリー上がりを起こしてしまうのです。
雪の重みで車が破壊される
雪下ろしを全くしないで雪が降り続ける中で放置すれば、天井やボンネットに1m以上の雪が積もってしまいます。
降っている雪はサラサラでも、積もっていく雪は水分を含んでいくので、1立法メートルあたりの雪の重さは、約300kgにもなります。
つまり、屋根とボンネットそして、フロントガラスにはそれぞれ300kg以上の重さがのしかかる状態になりのです。
ピンとこない方は、お相撲さんがそれぞれの場所に乗っているとイメージすれば、分かりやすいでしょう。
屋根やボンネットは重さで凹み、フロントガラスはヒビがはいるか割れてしまいます。
フロントガラスから雪が車内に入れば水浸しになる
もしもフロントガラスが割れてしまうと、そこから大量に雪が車内に入って水浸しになり、カーナビはもちろん電気系統は乾くまで使えませんし、シートなども台無しです。つまり、車の雪下ろしをしないと、車が破壊されて廃車になってしまう可能性が高いのです。
車の雪下ろしをしないと高額な費用が必要!
ここまでの解説で「そんなことはない!」といわれる方は、恐らく雪国育ちでないか雪を甘く見ている方でしょう。
実際に保険会社でも車の車両保険に加入していれば「積もった雪で屋根がへこんだ」際に、保険の対象となる旨の告知がなされています。
したがってここまでの解説は、大げさではないことが証明されています。
保険は別にして、車の雪下ろしをしないと確実に高額な費用も発生してしまうのです。
除雪に費用がかかる
車の屋根が凹むなどの被害にならなくても、雪下ろしをしないと車の存在が分からないほど雪に埋まってしまいます。
そこまで雪が積もったなら、人力での除雪は難しく重機や大勢の人数が必要ですから、雪の中から車を掘り出すまでに高額な費用が必要になるのです。
バッテリーが上がればレッカー車代が必要
当然雪の中に埋まっていれば、バッテリーも上がっているはずです。
せっかく掘り出しても自走できないので、レッカー車を呼んで車屋に運ぶか、その場で新しいバッテリーに交換するかが必要です。
ただし、天候がよければその場でのバッテリー交換も可能ですが、吹雪の中ではそれも無理なのでレッカーでの運搬の方が可能性が高くなります。
車全体の点検も必要
さらにバッテリーだけでなく、車全体の点検も必要です。
もしかすると、ワイパーもダメになっている可能性が高いですし、オイルも寒さで劣化している可能性もあります。
したがって、点検費用も馬鹿になりません。
雪国ではスノーブラシとスコップは必需品
今回は、車の雪下ろしをしないと最悪のケースでは、車が破壊されることを解説しました。
車の雪下ろしには「スノーブラシ」が効果的です。そして、車の雪下ろしをした後はスコップで雪かきをして、スペースを確保しないと車に乗ることも動かすこともできません。
雪国で車を維持するには、スノーブラシとスコップは必需品なのです。
大切な車ですから、雪国ではこまめに車の雪下ろしをしないとダメですね。
参考サイト
ソニー損保