今年はクリスマス寒波が、日本列島に押し寄せて各地で被害をもたらせています。
大雪による道路の渋滞や、停電が各地で起きていて四国の愛媛県でも自衛隊派遣を要請するほどに至っています。
クリスマスイブに雪が降るのは、ロマンティックなイメージがありますが、大雪になった今年のイブは、ロマンティックどころではなくなっています。
今回は、クリスマス寒波にて大雪で停電した事故を振り返ってみます。
電線が上下に振動するギャロッピング現象
北海道電力の公式ホームページには「雪による停電を防ぐ設備」が紹介されています。
そこには「相間スペーサ」と呼ばれる設備が紹介されていて、ギャロッピング現象による電線同士のショートを防ぐ工夫が施されてします。
相間スペーサでショートを防ぐ
送電線に雪が積もると氷を送電線がまとうこととなり、風が吹き付けることで電線が上下に振動するギャロッピングと呼ばれる現象が起きるようです。
ギャロッピングが大きくなると電線同士が接近してしまい、送電線がショートして停電を起こしてしまいます。
これを防ぐのが、相間スペーサと呼ばれる設備です。
難着雪リング、ねじれ防止ダンパー
北海道電力によると、送電線には「難着雪リング」と「ねじれ防止ダンパー」と呼ばれる、大雪に対する設備が備わっているようです。
電線に湿った雪が付着することで、電線の「より」に沿って雪が回転移動をしながら成長することがあり、送電線を支える鉄塔に負荷がかかる結果を招きます。
電線に付着した雪の成長を防止するために「難着雪リング」があり、電線のねじれを抑える「ねじれ防止ダンパー」を取り付けて、停電にならない工夫が施されています。
それでも大雪で停電する!北海道では鉄塔が倒壊
これはYahoo!ニュースが伝えている、北海道新聞の記事に掲載されている画像です。
送電線を支える紋別市内の鉄塔が、暴風雪で倒壊しています。
風速40メートルに耐えれる設計!想定外の暴風雪だった
倒壊した鉄塔は、風速40メートルに耐えれる設計が施されており、先に紹介した「難着雪リング」を設置して暴風雪対策が施されていたようです。
それでも鉄塔が倒壊するほどの暴風雪となり、今回の事故は想定外の暴風雪にて起きたようです。
雪の重みで倒木が相次ぎ広範囲で停電が起きた
雪の重みで木が倒れて、電線を押し下げてショートさせたり、電線を断線させたりして停電が起こっています。
倒木による停電被害は、複数の個所で同時に起きることもあり、倒木が起きると1回だけでなく連続して倒木が起きる可能性もあるので厄介です。
なので、復旧時には倒木した周囲に倒れそうな木がないか確認して、予め倒木の恐れのある木を切断するなどの対策も必要になります。
電柱も折れるほどの暴風雪が襲い停電となる
今回のクリスマス寒波では北海道の各地で、暴風雪による電柱が折れる被害も出ています。
電柱が折れてしまうほどの、強い暴風雪ですから当然ほかにも被害は拡大しています。
しかし、電気が遮断されて停電が起きると北海道では死活問題で、今回の被害では相当数の方が寒さに耐え忍ぶ生活を強いられたようです。
他人ごとではなく、停電時の備えが大切
幸せなことに本州の瀬戸内海側では、今回のクリスマス寒波による被害はほとんどありませんでした。
しかし、かなり冷え込んだのは事実で、内科には大勢の風邪ひきさんが訪れていました。
その様子を見ながらも「もし停電になれば、受診もできないのだな」と、何ともいえない気持ちになります。
大雪に慣れている地域でも倒木などによって、停電だけでなく通行止めにもなり孤立する地域も発生しています。
このような状況は雪に慣れていない地域では、パニックになってしまうでしょう。
ニュースを他人ごとではなく、普段から停電時の備えも必要だと改めて感じたクリスマスでした。