毎年のように高齢者の方が、食べ物を詰まらせて窒息死する事故が発生しています。
窒息してしまうと、声も出ませんし息ができないために倒れ込んでしまいます。
そのような状況に遭遇した時に、ハイムリック法を知っておくと命を助けることができます。
今回は高齢者を窒息死から救う、ハイムリック法について解説します。
高齢者の窒息事故は運動能力の低下が原因で起きる
高齢者になると、どうして食べ物が喉に詰まってしまうのでしょう?
その理由は、次のことが要因となっています。
このように身体的な老化によって、飲み込む・吐き出すといった運動機能が低下することで、喉に物が詰まって窒息死してしまうのです。
気道閉塞を生じた食物の誤えんによる死亡者数について
喉に食べ物を詰まらせて窒息死することは「気道閉塞を生じた食物の誤えんによる死亡」と、呼ばれています。
では、毎年どのくらいの方が「気道閉塞を生じた食物の誤えん」で亡くなっているのか、令和2年の消費者庁のニュースリリースから確認してみましょう。
このグラフを見れば一目瞭然で、80歳以上の方が毎年約2,600人以上「気道閉塞を生じた食物の誤えん」で亡くなっています。
また65歳以上の前期高齢者と呼ばれる方も、1,000人以上が亡くなっているのも分かります。
こんなに大勢の方が、毎年亡くなっているのは少し驚きでした。
「気道閉塞を生じた食物の誤えん」のデータを整理してみた
消費者庁のニュースリリースに記載されているデータを、少し分かりやすく整理してみました。
整理してみると、このような結果になりました。
正月に餅を食べる日本人の食習慣によって、多くの高齢者が亡くなっています。
つまり、正月に餅を食べていなければ、これだけの人の命が救われていたともいえますね。
死亡しないための餅の食べ方を知っておこう!
死亡事故が多いので「正月に餅を食べるな!」というのは少し乱暴ですし、せっかくのお正月ですから、コタツに入ってゆっくり餅を楽しみたいですよね。
そこで、餅を喉に詰まらせない工夫をして食べれば、誤えんするリスクが低くなります。
ここでは、高齢者の方が餅を食べる際の注意点をまとめました。
側で誤えんを起こしたら「ハイムリック法」で吐き出させる
先の注意点を守れば、誤えんで死亡するリスクは低くできます。
しかしながら、餅を飲み込むのは本人なのでいかにうるさく注意しても、誤えんが起きてしまうときもあります。
そんなときは「ハイムリック法」で、強制的に吐き出させることが重要です。
5分以内に息ができれば94%は助かる
日本医科大病院などのデータを見ると、誤えんにて気道が塞がって息ができなくなってから、5分以内に吐き出して息が戻れば死亡率は6%だそうです。
逆にいえば5分以内に息をすることができれば、94%の確立で助かるということになります。
6分~10分になると42%が意識が戻らなくなるとのこと。
いかに早く息をさせるかが、生死のカギを握っているようです。
ハイムリック法のやり方をYouTube動画で解説
ハイムリック法とは、腹部突き上げ法(ふくぶつきあげほう)とも呼ばれていて、異物によって窒息しかけた人を救助する応急処置のことです。
方法を記述するとこのような表現になりますが、イメージしにくいと思います。
なので、東京消防庁が公開しているYouTube動画を掲載しておきますので、ぜひご覧ください。
【重要】ハイムリック法を使ってはいけない人もあるので要注意
ハイムリック法は、次の人には使ってはいけないのでしっかり把握しておきましょう。
1:反応のない人(既に意識を失っている人など)
2:妊娠していると思われる女性
3:乳児
まとめ
ハイムリック法を知っておけば、側で高齢者の方が誤えんによって苦しんで切る際に、すぐに処置することが可能です。
息ができなくなり意識を失うと、5分以内に息を吹き返さないと死亡する確立が高くなります。
ですから、側で苦しんでる内に早く誤えんした物を、吐き出させることが重要です。
知っておいて損はありませんから、ぜひ参考にして覚えておいてくださいね。
参考サイト
消費者庁ニュースリリース