TOKYO FM「防災 FRONT LINE」2月の情報まとめ

本サイトはプロモーションが含まれています。

ライターの永野です!

今回は、先月に引き続きTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」の放送内容をお届けします。1月1日に発生した能登半島地震で被災した方の声や、簡単に始められそうな自宅の防災など、幅広いテーマがありましたので、気になる人はぜひ番組をチェックしてみてください。

目次

TOKYO FM「防災 FRONT LINE」とは

「防災 FRONT LINE」は、TOKYO FMで毎週土曜日の午前8時25分から放送中のラジオ番組です。災害時の行動や、知っておくと安心な情報、災害が起こった際の被災地の状況など、「防災」に関するさまざまなテーマについて、短時間で有益な内容を発信しています。

パーソナリティは、アナウンサーの手島千尋さんです。毎回トピックは1つで、アナウンサーならではの聴き取りやすい語り口調で番組が進行するので、情報が記憶に残りやすいのも、「防災 FRONT LINE」の魅力だと思います。

ちなみに、TOKYO FMの放送地域は東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県です。しかし、有料のradikoプレミアムに加入していれば、全国どの地域でも視聴できます。また、AuDeeにも『防災 FRONT LINE』チャンネルが存在し、こちらでは東京都の各自治体の防災に関するコンテンツを配信中です。

都内にお住まいの人はもちろん、TOKYO FMの放送内容はどの地域の人が聞いても役立つものなので、ぜひチェックしてみてください。

番組Webサイトでは、過去の放送を文字化した記事を公開中です。

参考:防災 FRONT LINE|https://www.tfm.co.jp/bousai/

「防災 FRONT LINE」2月3日のオンエア内容

ここからは、2月のオンエア内容、そして筆者が+αでお伝えしたい情報をお届けします。まずは、2月3日のオンエア内容です。

提供された情報

2月3日のテーマは、「能登半島地震の被災地のいまと未来について」でした。1月1日の発生から1ヵ月が過ぎた能登半島地震を振り返り、石川県珠洲市でお酒の「能登ジン」を販売する松田さんのインタビューを放送しました。

松田さんは、地震の揺れが大きく「ひっくり返されるんじゃないかと思った」と語ります。また、次々と家が倒壊する様子を目の当たりにし、「この世の終わり」というような気すらしたそうです。

現在の珠洲市については、「二次避難が進み、人が少なくなっている印象がある」という松田さん。被災地支援は「物資は潤沢になってきており、仮設トイレやお風呂、コインランドリーなども徐々に設置されてきている」と、生活に必要な環境が整ってきていることを教えてくださいました。

松田さんが懸念するのは、「能登に戻らない」と判断する人が多くいるのではないかということです。質素で素朴ながらも、昔ながらの伝統や人と人とのつながりを大切に生きてきた人がたくさんいるという、能登地域。松田さんは「今回の地震でその多くを失うことになってきているのが本当に残念だし、今後の復興にも懸念は残っている」と、正直な気持ちを吐露しました。

発災から1ヵ月、復興はどれくらい進む?

平成28年の「東日本大震災 生活復興調査」によると、発災から1ヵ月が経過すると、仕事や学校が元に戻ると感じる人は多いようです。

「東日本大震災 生活復興調査」より

松田さんのお話では、物資や街の状況などが語られていましたが、支援の手が届いたり、生活が元に戻るのを待つ状況から1歩進み、発災前には「当たり前」だった仕事や学校なども、少しずつ再開する段階だといえます。

復興の度合いは被害状況にもよりますが、東日本大震災でも、発災直後から数日とは異なる環境や心境になる人が多いことが、上の表からもわかるのではないでしょうか。

被災地から離れた地へ移住する人は少なくない

総務省統計局のデータによると、東日本大震災を理由に全国各地に転居した世帯は32.9万世帯だったといいます。転居の理由は「住宅に住めなくなった」ということだけでなく、仕事や学校の関係、生活への全般的な不安感など、間接的な理由も多かったようです。

宮城県や福島県、岩手県など、大きな被害を受けた地域からの転居世帯が多いものの、東日本大震災の歳は千葉県や神奈川県、東京都、茨城県など、被害は比較的少なかったものの、大きな揺れのあった地域からも他地域へ転居した世帯がありました。

参考:総務省統計局|https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/topics/topi862.html

「防災 FRONT LINE」2月10日のオンエア内容

続いて、2月10日のオンエア内容です。この日は、1月にも出演した国際災害レスキューナース・辻直美さんが、100円ショップでそろえるプチプラ防災について話をしました。

提供された情報

国際災害レスキューナースとして、国内外31の被災地で医療支援や救助活動を行ってきた辻さんは、自宅で100円ショップで売っている防災グッズを活用しているといいます。放送で辻さんが紹介していた防災グッズは、以下の通りです。

耐震板:樹脂製で、家具の手前に差し込むものを、すべての家具に使用している
滑り止めシート:食器棚や本棚、テレビボードなど、すべての棚の下に敷いている
整理箱:食器や小物などを箱に入れ、箱の裏にも滑り止めシートを貼っている

家具が倒れてこないようにするためのアイテムは、価格が高い、設置しにくいなどの理由で「やらなければいけない」とわかっていても、なかなか実践できない人も少なくありません。安価で扱いも簡単な耐震板は、大きな家具の耐震対策に有効です。

また、滑り止めシートを敷いていれば、揺れによって家具が大きく動くのを防止できます。さらに、整理箱にものを収納していれば、箱のなかで食器が割れる、ものがごちゃごちゃすることはあっても、落ちてくる、破片が飛び散るといった事態を避けられると、辻さんは語りました。

辻さんは、「家のなかの防災を、いきなり全部やるのは無理なので、自分がいちばんいるところはどこかを見極める」ことが大切だといいます。多くの人はリビングにいる時間が長いでしょうが、リビング内の安全地帯と危険地帯を把握し、安全なエリアの安全制を高める行動を取りましょうと呼びかけました。

さらに「防災は減災だ」であり、早く日常に戻るために、そもそもものが落ちてこない、倒れてこない、片付けやすいようにする行動だと話す辻さん。「お金をかけてすべてのものが落ちてこないように」というところを目指してしまうため、「防災」のハードルが高まってしまうと、多くの人の認識が防災を遠いものにしてしまっている点を指摘しました。

100均にはほかにどのような防災グッズがある?

辻さんのお話から、100円ショップでも自宅内の安全を確保するためのアイテムを多くそろえられることを知りましたが、放送で紹介されたもの以外に、どのような商品が販売されているのでしょうか。防災に活用できるアイテムには、以下のようなものがあります。

・耐震マット
・ガラス飛散防止安全シート
・粘着ゲルパッド
・キャスターストッパー
・S字フック(引き戸のストッパーとして) など

マットやゲルパッドは、透明なものや色つきのものなどバリエーションが豊富で、インテリアに合わせやすいのも魅力です。

「100均なのに大丈夫?」と思うかもしれませんが、辻さんの自宅は2018年6月に大阪府北部で起こった震度6弱の地震の際も、ほとんど被害がなかったといいます。調べてみると、100均のアイテムを活用した防災を実施しているブログなどは多く出てくるので、まずはプチプラ防災から導入し、お金をかけるべきところにはより本格的な対策を行うことが、重要だといえるでしょう。

まずはここから!自宅で対策をしておきたい場所

辻さんの話によると、災害対策は「いちばんいるところに安全地帯を作ること」をメインに行うのが大切です。家族が多い場合は、リビングだけでなく個々の自室にも安全地帯を設けるための対策を行いましょう。

地震は寝ているあいだに起こることもあります。ベッドや布団の上に棚が倒れる、ものが落ちてくることのないよう、前述のようなプチプラ防災を実践することはもちろん、これから子ども部屋などを作る場合は「そもそも高い棚を置かない」「耐震ラッチ(ロックバー)つきの棚にすべて収納する」などの工夫もしてみるとよいかもしれません。

「防災 FRONT LINE」2月17日のオンエア内容

2月17日は、「被災地の声」をテーマに、能登半島地震の様子を現地の人にインタビューした音声を放送しました。

提供された情報

パーソナリティの手島さんは、2月9~11日まで、石川県輪島市、珠洲市、能登町で取材を行ったといいます。この日は輪島で200年以上続く輪島塗の「輪島キリモト」7代目・桐本泰一さんへのインタビュー内容をピックアップしました。

輪島市内におよそ400店ある、輪島塗の工房。桐本さんの工房は、耐震がうまくいったおかげか建物は無事だったといいます。商品も2小傷などがついて修理が必要なものが20点ほどありましたが、その他は出荷できる状態ですが、歴史の長い老舗が多い市内の漆器店は、今回の地震によってほとんどの工房で作業ができない状況が続いているそうです。

さらに桐本さんは、今後の輪島市について「子どもたちが心配」だと語ります。教育や輪島のよさを、子どもたちが心に刻む前に起こった大震災。子どもたちをサポートする体制を整えるとともに、伝統工芸漆器である輪島塗に携わる桐本さんは、自身の生き様を子どもたちに見せながら、復興のモデルケースを作っていくために慎重になっているといいます。

被災地の子どもたちが抱える問題

日本子ども虐待防止学会の「社会的養護における災害時『子どもの心のケア』手引き」によると、子どもたちは災害により、心的トラウマや、身近な人や家などを失った体験による喪失感、災害後の生活上のストレスなど、さまざまな心理的負担を受けるといいます。

心理的ストレスは心身の不調を来す場合もあり、睡眠障害や食欲不振、フラッシュバックに悩まされる子どももいますし、常に気持ちが落ち込んだり、反対に緊張・興奮状態が続いたりすることもあるようです。

また、震災によって学校が休校になり、じゅうぶんな教育を受けられないという、現実的な問題もあります。場合によっては転居・転校を余儀なくされ、新たな環境にストレスを感じる、転校先での学習に追いつけないなど、長期的な影響に発展するケースも少なくありません。

子どもたちを外から支援する方法は?

被災地の子どもには、生活や学習、そして心理的な支援が求められます。募金や物資の寄付などは、現地に足を運ばなくても間接的な支援がしやすい方法の1つですが、学習やメンタル面の支援は、これまで現地で子どもたちと向き合うことで実現できるものでした。

昨今は、オンライン環境を活用した支援も増えています。オンラインミーティングツールを使った学習サポートや、心のケアだけでなく、仮想空間に子どもたちの「居場所」を作ることで、学習・心理的な支援だけでなく、子ども同士のコミュニケーションを促進も可能です。

オンライン家庭教師「まなぶてらす」を提供する株式会社ドリームエデュケーションは、2024年1月15日から3月9日まで、スマホで参加できる「メタバース自習室」を無償で開放中。被災地の小・中・高校生が自宅や避難所での学習をスムーズに行えるよう、わからない内容をフォローするだけでなく、面接の模擬練習なども行っています。

参考:PR TIMES|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000044929.html

「防災 FRONT LINE」2月24日のオンエア内容

2月24日も、「能登半島地震の被災地の声」をテーマに、インタビュー音声を放送しました。

提供された情報

この日紹介されたのは、石川県輪島市の輪島朝市で海産物を販売していた遠島さんのインタビューです。日本三大朝市の1つである輪島朝市で、38年間ほぼ休むことなくお店を出していた遠島さん。しかし、地震の影響で発生した大規模な火災により、輪島朝市が開催されていた河井町の一帯、およそ5万平方メートルが焼けてしまい、300棟の家屋が被害を受けました。

二次避難をしている人も多く、周囲にあまり人がいないという遠島さん。現在は避難所ではなく自宅で過ごす時間が長く、朝市で一緒だった方々に会うことはなかなかないそうです。遠島さん自身も発災後はショックが大きく何もできない状態で、元気になったのは最近だと語ります。

朝市の光景を思い出し、「こんな私にも訪ねてくださるお客様がいて、『おばちゃん、来たよ~』って笑いながら手を振ってくれるのが励みだった」と振り返る遠島さん。「皆さんが来てくれるから、頑張って働ける」という遠島さんのもとには、県内外、そして海外からも、励ましの言葉が届いているそうです。

「朝市は大切な場所」だという遠島さんは「地震で亡くなられた方がたくさんいるなかで不謹慎かもしれませんが、早く輪島が復興して、朝市で働けるようになればいいと思います」と話していました。

外国人観光客にも人気の輪島朝市

遠島さんが働いていた輪島朝市は、能登半島の観光スポットの1つです。年間80万人以上の観光客が訪れ、最近は外国人観光客も増加傾向にありました。

輪島朝市では、日本海で捕れる新鮮な魚介類やそれを加工した一夜干しなど、豊富な海産物が楽しめます。また、能登産のお米や野菜、さらに伝統工芸品である輪島塗なども並び、能登の名産すべてに触れられる場所といっても過言ではない規模も、魅力の1つです。

遠島さんをはじめとしたお店側だけでなく地域で朝市を利用する人々、遠くから訪れる観光客のなかにも、輪島朝市の1日も早い復活を願う人は少なくないでしょう。現在、輪島から場所を変え、金沢市で朝市を復活させようという準備が進んでいるそうです。

宮城県の「ゆりあげ港朝市」で募金活動も!

宮城県名取市の「ゆりあげ港朝市」では、輪島朝市支援のための募金箱を設置しています。「ゆりあげ港朝市」は、東日本大震災で津波被害を受け、およそ50店舗がすべて流され、店舗を経営する人のなかに犠牲者も出ました。

その後、名取市内のショッピングモールの駐車場で再開し、現在は元の場所に朝市が復活。日曜祝日に朝市を実施しており、1回の開催の来場者は、東日本大震災前を上回る数千人にものぼるといいます。

ゆりあげ港朝市協同組合の代表理事は、「ゼロから復興した私たちの経験が役立つなら伝えたい」と、義援金だけでなく、復興に向けた取り組みのなかでも支援を行いたい旨のコメントを発表。支援をきっかけに、市場同士の交流に発展させられればと、東日本大震災発生当時と同じ境遇にある輪島朝市の方々に寄り添う姿勢を見せています。

毎週5分の視聴で、身近な備えをスタートしよう

TOKYO FM「防災 FRONT LINE」では、災害や防災に関するさまざまな情報を収集できます。1.2月は能登半島地震の話題も多く取り上げられていましたが、火災保険や防災グッズなど、事前の対策に役立つ内容も少なくありません。

毎週5分、防災に関する話を聞くと、日常的な意識向上にもつながるのではないでしょうか。実践しやすいものからはじめ、少しずつ対策を強化していきましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
詳しいプロフィールはこちら

目次