さまざまな災害を想定し、日頃から非常用アイテムや知識を備えている方も多いでしょう。大きな被害がたびたびある台風も、どのような弊害があるかを知り、必要なアイテムを準備しておく必要があります。
台風の際には、暴風や河川の氾濫など、命に関わる被害もあるため危険です。予報が出た時点で、さまざまな備えをしておくと、いざというときにも安心です。
今回は、台風への準備や備え、また台風のときにどういった災害が起こりやすいのかを解説します。
台風とともに起こりやすい災害
台風、と一言でいってもさまざまな災害を引き起こします。台風の特徴は激しい雨と強い風ですが、その影響は海や川、山など広範囲に及ぶため注意が必要です。
大雨・洪水
台風のときに最も注意したいのは、大雨・洪水です。短い時間に激しい雨が降り続くと、道路や住居が浸水することもあります。
大雨の影響により、後述するような海や川などでの被害も引き起こすため深刻です。
暴風
台風の特徴は大雨と暴風です。風速15~20メートルほどの強風になると、歩行が困難になる、高速道路での運転に支障が出始めます。
より強い風が吹くと建物が壊れたり、交通がストップしたりすることも。また、強風で飛ばされたものが通行人や電線などに当たってけが人が出る、停電が起こるといったさまざまな被害を引き起こすこともあります。
高波・高潮
台風の際には、海で高波・高潮起こることもあります。高波や高潮は津波とはまた異なる災害で、高波とは「強風によって起こる被害をもたらす高い波」のこと、高潮とは「台風や低気圧によって海面上昇が起きる」ことです。
高波が起きている海に近づくのは非常に危険です。海辺にいる場合には迅速に避難するようにしましょう。また、高潮が起こると海水が道路や住宅にまで及ぶこともあるため、近隣の建物には浸水対策が求められます。
河川の氾濫
激しい雨が降り続くと、河川が氾濫する可能性もあります。川が増水すると堤防が決壊する、周辺地域が浸水するといったトラブルも。
近年は記録的な大雨も多く、河川の氾濫も全国のさまざまな地域で起こっています。台風の際に河川の状況を見に行こうとする人もいますが、氾濫しそうな河川には絶対に近づいてはいけません。
がけ崩れ・地すべり
大雨で地面の状態が悪くなると、がけ崩れや地すべり、土石流などの土砂災害も起こりやすいです。
土砂災害は山地のような傾斜のある場所で起こり、建物が壊れたり、土砂災害に巻き込まれて命を失ったりする恐れもあります。2021年7月に静岡市熱海市で起こった伊豆山の土砂災害は、記憶に新しいですね。
土砂災害が起こりそうな地域の方は、台風の際には早めに安全な場所へ避難するようにしましょう。
台風の予報が出たら準備しておきたいこと
台風が接近するかどうかは、天気予報などで数日前から確認することができます。台風の予報が出たら、あらかじめどういった準備をしておけばよいのでしょうか。
建物の補強
まずは強風に備え、建物の補強をしておきましょう。いざというときに雨戸やシャッターは使えるか、家の外装で壊れそう、壊れかけている部分はないかなどをチェックし、必要であれば補強・修繕をします。
また、側溝や排水溝が詰まっていると水が溢れる原因となりますので、側溝の掃除も早めに済ませておきましょう。
防災バッグの準備
台風のときにはできるだけ建物から出ないで過ぎ去るのを待つのがベストですが、浸水がひどくなってきたら避難せざるを得ないこともあります。自宅を離れ避難することも想定し、防災バッグの準備も忘れてはいけません。
防災バッグは1人につき1つ。ホームセンターやネットショップでも購入できますし、必要なものを自分で揃えるのもよいでしょう。
市販の防災バッグを購入する場合、年齢や性別、体質などに合わせ、必要なものを追加で入れておくことも大切です。
避難経路、危険箇所の確認
自宅待機が困難で避難をしなければならないことも想定し、避難経路や危険箇所も確認しておきましょう。
水害、土砂災害の起こりそうな場所を避けた安全な避難ルートを把握しておくことはもちろん、家族が多い場合には職場や学校にいるときに被災することも想定し、どこへ避難するか、どういった手段で連絡を取るかなども日頃から確認しておくといざというときにスムーズです。
その他
この他、台風の前には屋外にある風で飛ばされそうなもの(物干し竿や植木鉢など)を家のなかに入れておく、湯舟に水を貯める、モバイルバッテリーやスマホの充電をするなどして断水や停電に備えるといった準備もしておきましょう。
大雨で断水になることはない、と思うかもしれませんが、急激な増水により水道管が故障し断水が起こったという事例も少なくありませんので、さまざまな場合を想定して準備を進めてください。
台風に向けて備えるもの
台風で自宅から出られなくなることを想定し、備えておいたほうがよいものは以下の通りです。
食料品
まず必要なのは食料品です。食料品は万一電気やガスが使えなくなったときでもすぐに食べられるよう、調理が不要なものを用意しましょう。
また、台風は夏に起こりやすいですが、夏場は食べ物が傷みやすい時期です。停電で冷蔵庫が使えないことも想定し、保存がきくもの、腐りにくいものを備えるとよいでしょう。
台風の備えにおすすめの食料品は以下の通りです。
- 缶詰
- インスタントラーメン(そのままでも食べられます)
- レトルトカレー
- パックのごはん
- 乾物
- お菓子
- シリアル など
このほか、飲料水も1人1日2~3リットルを人数分、数日間持つだけ用意しておくことも忘れてはいけません。
日用品
電気やガス、水道が使えなくなったときに役立つ日用品は多々ありますので、台風に備え日頃から自宅に置いておくとよいでしょう。台風のために備えておきたい日用品には、以下のようなものがあります。
- カセットコンロ
- 缶切り
- ラップやアルミホイル
- 紙皿・紙コップ・割りばし
- 救急用品
- 携帯ラジオ
- モバイルバッテリー など
ラップやアルミホイルを食器に巻いて使えば、洗い物を出さずに済みます。水が使えないときにも重宝しますので、ぜひ日用品のストックとして余分に用意しておきましょう。
避難・台風対策用のグッズ
台風のピーク時に買い物や外出をするのは厳禁ですが、万一避難をしなければならなくなったときには、以下のようなアイテムが役に立ちます。
- マスク
- 軍手
- ヘルメット
- レインウェア
- 長袖の服
- スニーカー
長袖やマスクでできるだけ露出している部分を減らすことで、寒さ対策、強風で飛ばされたものによるケガを防ぐことができます。
また、雨のときには長靴がよいと思うかもしれませんが、長靴は水が入って重くなる、脱げやすくなることもあるのでおすすめできません。避難のときには足元をしっかりと覆ってくれる履きやすいスニーカーがおすすめです。
避難時には自宅にある貴重品や避難所で最低限の生活ができるアイテムも1つにまとめて持ちだしましょう。
台風に向けて備えるものは早めに準備を!
台風の際にはさまざまな被害が及ぶ可能性があるため、危険な場所へ近づかず、建物のなかで安全を確保しながら過ぎ去るのを待つことが大切です。台風の予報が出たら事前にできる準備を済ませ、被害が最小限に留まるように善処しましょう。また、電気・水道・ガスなどがストップしてもできるだけ不便なく過ごせるようなグッズを備えることも、忘れてはいけません。
- 食料品
- 日用品
- 避難用グッズ
は、台風以外の災害でも役に立ちます。日々防災について考え、すぐに持って避難できる防災バッグの準備も進めてください。