高齢者の避難所選びと注意点!災害時のガイドラインも確認

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災害が起こると、誰もが平等に不便で大変な生活を強いられます。避難所生活にストレスや不安を覚える方もいるでしょうが、なかでも障害のある方や小さな子ども、高齢者の方などは、生活により不便さやつらさを感じることが多いかもしれません。

高齢者の方が抱える避難所での問題は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。今回は、高齢者が災害に備えてできることや、避難所での生活で注意したいポイントを解説します。

目次

高齢者は「災害弱者」になりやすい!その理由は?

地震や台風、豪雨などの自然災害は避けることができません。災害が起これば多くの場合、どのような立場にも関わらず、自力での避難が求められます。高齢者の方は自力で迅速な避難をすることが難しく、「災害弱者」になりやすい傾向です。

日頃からの備えをしっかりと行い、万一の場合も安全に避難できるようにしておくこと、また避難所など慣れない、そして不便な場所での生活を余儀なくされた場合にどういった問題が起こりやすいのかを理解しておくと、いざというときの安心材料になるのではないでしょうか。

安全な避難のための「高齢者等避難」とは

災害発生時には、崖崩れや浸水などさまざまな被害が及びます。このとき、地域住民に対し生命や身体の安全を確保できるように発令する避難指示のなかに含まれているのが「高齢者等避難」です。

高齢者等避難のほか、「避難指示」「緊急安全確保」というものがありますが、それぞれにどういった意味があるのかを確認しましょう。

高齢者等避難

「高齢者等避難」は、災害が発生する恐れがある状況、災害リスクのある区域の高齢者等が危険な場所から避難するべき状況で、必要な地域に発令される情報です。高齢者等避難が発令された区域の該当者は、危険な場所から避難する必要があります。

ちなみに、「高齢者等」の「等」には障害のある方や子どもなど、避難に多くの時間が必要な方、支援が必要な方も含まれているので、高齢者以外の該当者の方も、この指示が出たら迅速に避難しなければなりません。小中学校や公民館などのほか、安全な地域の親戚・知人宅、旅館、ホテルなども避難場所として検討しましょう。

避難指示

「避難指示」は、災害が発生するリスクが高い状況、災害リスクのある区域の居住者などが危険な場所から避難するべき状況で、必要な地域・居住者に対して発令される情報です。避難指示が発令された区域の該当者は、年齢や健康状態に関わらず、全員避難する必要があります。

災害が発生してからでは逃げられなくなることも想定し、居住者や該当地域で働いている人たちは、迅速に避難を完了しなければなりません。

緊急安全確保

「緊急安全確保」は、災害が発生している、もしくは切迫している状況、居住者等が身の安全を確保するために立退き避難することがかえって危険であると考えられる状況で、まだ危険な場所にいる人たちに発令される情報です。避難行動が逆に危険となる場合には、高所へ行く、頑丈な建物内に逃げ込むなど、安全確保の行動を取ることも検討します。

緊急安全確保は災害に関する情報のなかで、最も緊急度が高いですが、自治体が状況を100%把握しているとは限らないため、当てはまる状況下でも必ず発令されるとは限りません。

高齢者が実践したほうがよい災害対策

ここからは、高齢者が災害に備えてできることをお伝えしていきます。いつ、どのような災害が起こるかわからないなか、高齢者の方が緊急時を想定してできる対策には、どのようなものがあるのでしょうか。

日頃からの備えとして

災害時にも身の安全を確保するために日常的な対策としてできることには、次のようなものがあります。

・家具や家電の固定(近所の方などに手伝ってもらう)
・非常用持ち出し袋の準備(常備薬、処方箋、老眼鏡、補聴器、義歯などの予備も入れておく)
・近所の方との交流(いざというときに気にかけてもらえる可能性が高い)
・身分証の携帯

災害が発生したら

災害が発生したときに備えて、次のような行動を取ることを覚えておきましょう。

・災害情報のチェック(ラジオやテレビ、スマートフォンなど媒体の確保と操作)
・地震発生時は机などの下に入り、頭を守る
・避難所への移動(自力で困難な場合には近所の方に応援を頼む)
・家族・親族への安否連絡

もとの生活に戻るためには・・・

災害で自宅や近隣地域の状況が変わってしまった場合、もとの生活に戻るためにはどういった行動を取ればよいのでしょうか。

・食料をはじめとした救援物資の確保(周囲の方の手伝いを得ながら)
・周りの方とコミュニケーションを取り、心の負担を軽減させる
・食事や体温調節などを行い、体調管理をする

避難所で高齢者が注意すべき問題と対処法

避難所では誰でも不便やトラブルを抱える可能性がありますが、特に高齢の方は、さまざまな問題に直面します。高齢者が避難所で抱えることの多い問題と、その対処法を見ていきましょう。

「食事」の問題と対処法

避難所では個々に食事を分けることができず、どのような立場の方も同じものを口にしなければならないケースが少なくありません。高齢者の方にとっては食べにくいものもあり、思うように食事がとれず栄養不良を起こすこともあります。

食事の問題を解決するためには、食べやすい炊き出しを選び、普段と同じ量を食べることが最も重要です。無理して食べ過ぎないこと、できれば汁気の多いものや栄養補給のためのゼリーやドリンクを摂るようにしましょう。また、万一下痢をしてしまった場合は体全体を温めることを心がけ、こまめな水分補給をすることで体調を整えます。

「排泄」の問題と対処法

避難所のトイレは利用しにくく、また災害が起こった緊張やショック、普段とは異なる環境から高齢者でなくても便秘になりがちです。「あまりトイレを使わないようにしよう」と思うとついつい水分補給を怠ってしまい、脱水にもつながるので注意しましょう。

避難所における排泄を解決するには、トイレを我慢しないことが大切です。トイレが遠く歩いていくのが大変、不安があるという場合には医療・保健スタッフに相談するとよいでしょう。また、失敗してしまう、トイレに行きたくても行けない状況などを想定し、下着やオムツ、パットなどを多めに用意しておくと安心です。普段と変わらない食事や水分量を意識する、体を適度に動かすと、便秘解消につながります。

「衛生面」の問題と対処法

災害が起こると水道やガス、電気が止まってしまうことも少なくありません。トイレが清潔ではない、お風呂に何日も入れないこともあるでしょう。避難所によっては入浴サービスを実施してくれますが、高齢者の方は浴槽が深かったり滑りやすかったりして、入るのがはばかられる場合もあります。

お風呂や歯磨きなどが満足にできない場合も、口や尿道口、肛門付近、手などを清潔に保つことで、感染症を予防することが大切です。

水が使えない場合は、口腔洗浄液や手指消毒剤、ウェットティッシュ、体ふきなどを使い、毎日清潔を保ちましょう。洗濯もなかなかできない状況ですが、下着だけでもできるだけ毎日取り換えると、よりきれいな状態でいられます。1人で体をふいたり着替えをしたりするのが大変な場合は、保健・医療スタッフやボランティアの方に伝えると、手伝ってもらえる可能性が高いです。

「運動量」の問題と対処法

避難所では思うように動けない、狭いスペースでじっとしていなければならないことも多く、運動不足になりがちです。高齢者にとってはトイレに立つだけでも運動になるのですが、こうした機会が減少すると身体機能の低下にもつながり、寝たきりになってしまう可能性が高まります。

また、運動量が少ないと便秘や不眠、イライラ、不安など心身の健康にも影響が出るため注意が必要です。

運動面の問題は、その場でできる軽い体操やちょっと外の空気を吸いに散歩に出るなどの方法で解消できます。できることは助けを求めずできるだけ自分でする、安全であれば避難所の敷地から出て多めに歩くなど、積極的に体を動かす機会を作ると、気分転換にもなるのでおすすめです。

高齢者がさらに注意したい避難所での問題

食事・排泄・衛生・運動などのほか、高齢者の方が避難所で生活をする際に注意したい問題はまだまだあります。健康状態はもちろん、精神面でのトラブルも多いので、どういった問題が起こりやすいかを知り、対処法をあらかじめ理解しておくと安心です。

健康状態の悪化

慣れない避難所での生活では、健康状態を損ないやすくなります。特に、何かしらの持病がある方は、それが悪化することも多いため注意が必要です。持病がない方も、次のようなトラブルが起こらないような生活を心がけましょう。

食中毒

避難所での衛生問題については前述しましたが、清潔が保てない状況では食中毒も起こりやすいです。また、季節によっては電気が使えず常温保存せざるを得なかった食材が原因で、食中毒や感染性胃腸炎を起こす可能性もあります。

食中毒はトイレのあとはもちろん、食事前の手洗いや消毒、支給された食料の保管方法の工夫で回避できるでしょう。「もったいない」と思わず、時間が経った食材や消費期限の過ぎた食材は処分することも大切です。

風邪や肺炎

避難所には多くの方が集まるため、換気をしていてもなかなか空気の入れ替えができず、感染症が流行しやすくなります。温度調節が難しく免疫力が低下していると、風邪や肺炎になりやすいため危険です。

可能な限り手洗いやうがいを行うこと、食事や水分、睡眠をしっかりと取ること、体温調節をすることで、清潔を保ち免疫力をアップさせられます。また、新型コロナウイルスが流行してからはマスクの着用が当たり前のようになっていますが、避難所でもマスクをすることで感染リスクを低減できるでしょう。

静脈血栓症

避難所や車内などの狭いスペースで長時間同じ姿勢を取っていると、血流が悪くなり血栓ができることがあります。これが静脈血栓症です。年齢が進むにつれ、血栓ができやすくなるので、高齢者の方は静脈血栓症にならないような対策もしなければなりません。

予防法としては、こまめに体を動かし同じ姿勢を取り続けないこと、水分をしっかりと摂ること、足首の運動をすることなどが挙げられます。片足が急に腫れる、色が変わる、痛みがあるなどの症状が起こった場合には、すぐに医療・保健スタッフに伝えましょう。

精神面の問題

体の健康は保てていても、慣れない避難所の生活で精神的なストレスを感じる方は少なくありません。気分が落ち込んだりイライラしたりすると、さまざまな意欲が低下し、食事を摂らない、運動をしないといったことにつながります。すると、免疫力も低下し、最終的には感染症などにかかりやすくなってしまうため、精神面のケアも重要です。

精神的な不安や負担を取り除くためには、家族や知人とコミュニケーションを取る、独居の場合は携帯電話などを使用して連絡を取り合うとよいでしょう。避難所内で心置きなく話せる相手を見つけることも、不安解消につながります。思いや悩みを共有することで気分が楽になる、救われるという方は多いので、話を聞いてもらう、聞いてあげるなどしてお互いに支えあっていくことも大切です。

認知症の悪化

災害による心身のストレス、急な環境の変化は、認知症の悪化の危険性もあります。時間や場所、状況の把握ができない、物忘れがひどくなった、昼夜逆転しているといった様子は、認知症発症や悪化の兆候かもしれませんので、ご家族の方は慎重に様子を見守りましょう。

また、高齢者の方ご本人も、災害時には認知症発症・悪化の恐れがあることをあらかじめ理解しておき、体を動かしたりしっかり食事を摂ったり周りとコミュニケーションを取ったりと、日常と変わらない生活で自身の精神安定を保つことに努めることをおすすめします。

「せん妄」の危険も!

認知症以外にも「せん妄」といって、一過性の脳機能障害を起こす高齢者の方もいらっしゃいます。せん妄の特徴は意識がぼんやりする、夜中にごそごそと動く、周囲を錯覚したり勘違いしたりするといったものです。

ご家族の方はやはり、普段と様子が違うな、おかしいなと感じたらじっくりと観察し、場合によっては医療・保健スタッフの方に相談しましょう。

齢者の負担軽減のための避難所での対策

避難所では誰もが大変な状況にいるため、自分のことに必死です。周囲の方はわかってはいても、「高齢者だから」「障害のある人だから」と気を使うことがなかなかできないかもしれません。

負担を軽減させて少しでも快適な避難所生活を送るために、高齢者ご本人が心がけることは大きく3つです。

落ち着けるスペースを確保する

できれば個室で落ち着ける場所を確保するのが理想ですが、避難所ではできない場合も多いでしょう。医療・保健スタッフの方に相談し、トイレに近い場所や隅のほうなど、少しでも落ち着けるスペースを提供してもらいましょう。可能であれば段ボールなどで仕切りを作るのがおすすめです。

知り合いを近くにおいて安心感を

ご家族で非難する場合は、家族がそばにいるので安心ですが、独居の方は避難所でも1人で生活をしなければなりません。知らない場所で1人で過ごすのは不安も大きいので、親戚や友人、知人など知り合いの方の近くに避難スペースを確保してもらうのも、1つの方法です。安心感を得ることで心身の健康につながり、避難所でも落ち着いて生活ができます。

可能な場合は福祉避難所を活用する

認知症や体の不調がある方などは、福祉避難所を活用しましょう。福祉避難所は、高齢者、障害のある方など特別な配慮が必要な方のための避難所です。避難スペースが広い、トイレが使いやすいなど通常の避難所よりも生活しやすい環境が整っているので、できればこうした施設を利用すると、不安も少なく過ごせます。

福祉避難所は福祉施設が事前に指定を受けている場合もあれば、障害者施設、公民館などが災害発生後に福祉避難所として新たに指定されることもありますので、情報のチェックをして、万一の場合は利用可能な福祉避難所へ早めに移動するとよいでしょう。

正しい避難方法で、高齢者の心身の安全を守ろう

避難所生活は誰にとっても「100%快適」ということはありません。特に、高齢の方にとっては急な環境の変化や避難所独特の不便さは大きな負担となり、心身の不健康につながる可能性があります。

避難所で起こり得るトラブルと対処法を知っておけば、もし災害が起こった場合にも、適切な行動を取ることができ安心です。「災害弱者」という立場であっても、すべての人が災害に巻き込まれると優先してもらえないことも多いので、健康な高齢者の方は自分の安全や健康は自分で守る、という気持ちで知識を身に着けておきましょう。

高齢の方がいらっしゃるご家族は、避難所での注意点を把握し、高齢者の方が安心して避難所生活を送れるよう、配慮してあげてくださいね。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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