【体験レポ2】普通救命講習で学べる内容は?座学と実技で知識を身につけよう

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前回の記事では、普通救命講習に参加して感じたことをお話させていただきました。今回は、普通救命講習でどのようなことを学べるのかを、詳しくお話したいと思います。

座学・実技で構成される3時間は、非常に濃い学びの時間です。この記事を参考にしていただき、ぜひ地域の消防署で開催される講習を受講してみてはいかがでしょうか。

目次

普通救命講習(3時間講習の流れ)

主催する消防署により流れは異なるかもしれませんが、私が2度受講した地元の消防署では、大きく3つに時間を区切り、進行しました。座学、心肺蘇生法の実技、AEDの使用方法の実技、3つの内容を詳しくご説明していきます。

1時間目「座学」

まずは座学です。座学は40~45分ほどでした。メインとなるのはビデオ学習で、その後新知識の紹介や重要ポイントの解説、質疑応答などがあります。

ビデオ学習

ビデオ学習は救命講習で学んだ知識や技術を生かし、実際に救命行為を必要としている方を助けた事例を紹介している動画を視聴します。2年目に受講したときと同じものでした。

動画では女子高校生グループと教師が心肺蘇生法やAEDを使用した事例、トレーニング中の学生が倒れている方を助けた事例などのほか、どういったシチュエーションで救命行為が必要となるか、突然の心停止が起こりうる病気なども紹介しています。

視覚と聴覚から短時間で多くの情報を吸収できる動画は、さまざまな学習の効率化に非常に有効です。普通救命講習のテキストはページ数も比較的しっかりしているので、重要な情報をピックアップして動画で伝えるというのはとても効率がよいなと感じました。

コロナ禍で変更したポイントの紹介

続いて、コロナ禍で変更された救命行為のポイントを解説していただきました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、現在は人工呼吸は実施しないということになっているようです。

また、感染防止のため救命行為をする人はマスクやゴム手袋を着用すること、倒れている人も口元にタオルやハンカチを当てて飛沫を防ぐこと、意識確認の際は口元に顔を近づけないことなど、複数のポイントについて解説していただきました。

その後はテキストのなかから救命士の方が重要だと思う部分について説明していただき、質疑応答を行い、座学は終了です。

2時間目「心肺蘇生法」

座学が終了すると、練習用の人形が並べてある広い部屋に移動して実技指導を受けます。実技は大きく心肺蘇生法とAEDの使用法に分かれており、まずは心肺蘇生法について学びました。

心肺蘇生法とは

心肺蘇生法は、呼吸をしておらず、心臓も止まっていると判断された方に対し施す、循環補助の方法です。俗に「心臓マッサージ」と呼ばれる胸骨圧迫と、倒れている方の口に直接酸素を送り込む人工呼吸を交互に行い、呼吸や心臓の動きの再開を試みます。前述の通り、現在は人工呼吸は実施せず、胸骨圧迫のみを繰り返し行うよう指導されました。

胸骨圧迫の方法

傷病者の呼吸が止まっている、心臓が止まっている場合は胸骨圧迫を行います。準備として傷病者の胸の横に膝立ちになり、胸の真ん中にある胸骨の下に両手を重ねて置きましょう。

圧迫の際は肘を伸ばし、両手で強く、速く、絶え間なく胸元を押します。このとき、両手の指を組むようにすると、力が入りやすいです。

圧迫のスピードは1分間に100回から120回がちょうどよいといわれています。人工呼吸と組み合わせる場合は胸骨圧迫を30回、人工呼吸を2回のサイクルを繰り返しますが、人工呼吸をしない場合はおよそ2分間胸骨圧迫を続けましょう。

胸骨圧迫は非常に体力を消耗するので、協力者がいれば交代で行うと、確実に心臓部分を押し続けることが可能です。自身の力のみでなく、周囲の協力も得ながら救助をすることも大切だということも、実技を通して学びました。

3時間目「AEDの使い方」

胸骨圧迫の練習後はAEDの使い方を学び、実際に使用してみる時間です。最近は公的施設をはじめ、さまざまな場所にAEDが設置されており、いざというときにすぐに取り出すことができます。

AEDが格納されているボックスは、盗難防止、またSOSを知らせるため、開けると大きな音が鳴るようになっているものが多いそうです。

AEDとは

AEDは日本語で「自動体外式除細動器」といい、心停止状態の方に使用する救命装置です。自動で心電図を計測し、必要な場合には電気ショックを与えることができます。ちなみに、心臓が止まっているだけでは電気ショックを与えることはできず、心臓がブルブルと痙攣している状態のときに、電気ショックを行うようになっているそうです。

電気ショックや心電図と聞くと操作が難しいように思えますが、多くのAEDは音声が流れるようになっており、指示に従うことで簡単に操作できます。

AEDの使用方法

AEDの使用方法は音声ガイダンスに従えば簡単にできます。まずは傷病者の頭の横に装置を置き、ケースを開けましょう。電源を入れると、音声が流れます。

AEDのなかには電極パッドが入っているので、胸元を開き肌に直接貼り付けましょう。どこに貼るのかは電極パッドに図で示されていますので、図の通りに張れば簡単です。心臓を挟むように張らなければ意味がないので、子どものように表面積が小さい場合は、胸元と背中に貼るとよいとのことでした。

電極パッドを貼り付けると心電図を自動で解析してくれます。このとき、体に触れないよう音声で指示があるので傷病者から離れるようにしてください。心電図の結果により、電気ショックをするか、胸骨圧迫を続けるか機械が支持をしてくれます。

電気ショックが必要な場合は、傷病者から離れるよう周囲の人に指示をしましょう。そして、ショックボタンを押すよう音声が流れたら、安全を確認しながらボタンを押します。

AED使用時の注意点

AEDを使用する際は、音声をよく聞いて指示に従うことが大切です。電気ショックの際は自身も傷病者から離れるようにしてください。

また、ショックが完了したらすぐに胸骨圧迫を続け、次の音声指示を待ちます。AEDは2分に1度心電図を計測し、電気ショックの必要性があればまたショックを与えるよう音声が流れますので、指示を待っていれば安心です。

ショックが必要ない場合には、また2分間胸骨圧迫を続けますが、4分間1人で胸骨圧迫を続けるのは簡単なことではありません。周囲の方に協力をお願いし、順番に行えるのが理想だといえます。

最終時間「修了証」授与

すべての講習が終了すると、最後に修了証を受け取り、普通救命講習は終了です。

修了証の授与

修了証は代表の方が前にでて受け取り、その他の方は救急救命士さんが各座席に配布するという形で授与されました。これも管轄の消防署により異なるかと思いますが、私が受講した際は授与されるたびに皆さんが拍手をしていて、とても温かい時間でした。

修了証には救命講習を受講したこと、消防署長さまの名前、受講日などが記載されています。カードサイズの小さなものなので、お財布などに入れて肌身離さず持ち歩くことが可能です。

(希望者のみ)消防車・救急車の見学

修了証を授与されると、救命講習自体は終了です。その後は希望者で、消防車や救急車を見せていただきました。2年前も「見たい方はどうぞ」とお声がけいただいたので、筆者の住む地域の消防署では定番なのかもしれません。

救急車のなかは普段あまり見ることができませんので、どういった設備があるのかなどをゆっくりと見せていただくよい機会となりました。消防車も種類がさまざまで、どういったシチュエーションで活用されるものなのかなどを、署員さんに熱心に質問されている方もいました。

普通救命講習で「いのち」を守る力を身につけよう

普通救命講習は、誰かの「いのち」を守る力を身につけることができる貴重な時間です。定期的な受講で情報の更新、技術の再確認をすることも重要なので、ぜひ2年に1度ほど受講することをおすすめします。

また、今回ご紹介したのは「普通救命講習Ⅰ」といわれるもので、このほかにも「普通救命講習Ⅱ」「普通救命講習Ⅲ」「上級救命講習」などさまざまな講習を、一般の方も受講可能です。

ぜひさまざまな講習で技術を取得し、いざというときに備えましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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