土嚢袋の作り方!自衛隊から学ぶポイントや災害時の使い方・代用品

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土嚢袋というと、建築の現場で利用するイメージが強い方も少なくありませんが、災害時にも非常に大きな役割を担ってくれます。土嚢袋を常備しているご家庭は多くないものの、いざというときには自宅にあるものでも代用が可能です。

今回は、自衛隊の手法をもとに、土嚢袋の使い方や基本の作り方を解説します。加えて、災害時の土嚢袋の代用方法もご紹介しますので、いざというときのための参考にしてください。

目次

土嚢袋とは「土砂を詰める袋」のこと

土嚢(どのう)袋とは、なかに土や砂を入れる袋のことです。建築資材をいれたり産業廃棄物を入れたりすることもあり、その用途は多岐にわたります。

土嚢袋の大きさは48㎝×62㎝で、土や砂を詰めたときの重さは25㎏。少し前は麻製の袋が主流でしたが、最近は品質が均一で軽量、そして麻より安価なポリエチレン製のものが増えています。土嚢袋1枚あたりの価格は15~70円くらいです。

土嚢袋に土や砂を詰めたものは「土嚢」と呼ばれます。

土嚢の活用シーン

大雨や台風などの水害の際、土嚢を使うことで浸水を防ぐことができます。住居への浸水はもちろん、川の水が溢れるのを防いだり、田畑などへの浸水をせき止めたりするのにも利用可能です。特に川の近くに住居がある方や農家の方は、いざというときに役立つ土嚢の作り方や使い方を覚えておくとよいでしょう。

また、水害のあとの泥の撤去などにも、土嚢袋が活用されています。

自衛隊に学ぶ、土嚢の作り方・使い方

土嚢はただ土や砂を詰めればよいと思われがちですが、誤った作り方をすると強度が足りず、水害に負けてしまいます。災害対策のプロともいえる自衛隊の解説動画を参考に、正しい作り方・使い方を見ていきましょう。

土嚢の作り方の手順

土嚢の基本の作り方は土などを袋に詰めて紐を縛り、土嚢袋の口に紐を結びつけるだけですが、詰め方のポイントは以下の通りです。

  • 土は満タンまで入れず、土嚢袋の7~8分目まで
  • 完成した土嚢は角材など硬いものを使って台形に形を整える

土嚢の中身は土なので、形を自由に変えることができます。長方形ではなく、台形にすることで強度が増すので覚えておきましょう。平行四辺形の土嚢も用意するとさらに心強いです。

自衛隊運営のYouTubeチャンネルでは、正しい土嚢の作り方を動画で確認することができます。

参考 YouTube 自衛官募集チャンネル 自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方①~作り方編~」

土嚢の使い方とポイント

完成した土嚢は積み上げて、浸水を防ぐためなどに使います。使い方のポイントを整理しましょう。

  • 台形の土嚢を並べ、横に平行四辺形の土嚢をぴったりとくっつけて置く
  • 下の土嚢の接地面にかぶらないようずらしながら上に土嚢を積み上げる

強度の高い土嚢の積み方は、見た目もとても美しくまるで石垣のようです。土嚢の積み方についても参考動画がありますので、ぜひチェックしてみてください。

参考 YouTube 自衛官募集チャンネル 自衛隊LIFEHACK Season2「正しい土のうの作り方②~積み方編~」

土嚢袋や土がない!代用できるものは

災害時に活躍する土嚢ですが、「日頃から土を入れたものを置いておく場所がない」「そもそも一般家庭に土嚢袋は必要ないから常備していない」ということも多いです。

もしものときに土嚢袋やなかに入れる土がなかったら…自宅にあるさまざまなもので代用できます。

ゴミ袋で簡易水嚢

地域の指定ごみ袋などの大きなごみ袋はどの家庭にもあると思いますが、このゴミ袋に土ではなく水をいれることで、簡易的な水嚢を作ることができます。

袋を二重にして、水を半分程度入れ口を結べば完成です。できあがった水嚢をそのまま敷き詰めるのもよいですし、段ボール箱などがあれば箱の中に水嚢を詰めることで強度が増します。

プランターと土を活用したDIY土嚢

家庭菜園やガーデニングなどが趣味の方は、プランターと土をそのまま土嚢として活用できます。プランターを並べるだけは隙間から浸水してしまうので、連結部分にはレジャーシートを巻いてください。

高く積み上げるのは多少厳しいですが、何もない状態よりは浸水を遅らせることができるでしょう。

ポリタンクで作る水防壁

家庭にあるポリタンクに水を入れて水嚢を作り、並べれば浸水対策になります。こちらもレジャーシートがあればポリタンクを包んで連結し、隙間をなくして使用しましょう。

長めの板で浸水を防ぐ

長めの板を置いて重いもので固定するだけでも、浸水防止になります。ただしこちらは前述の3つの方法と比較すると強度の落ちる、応急処置的な対策です。

水で膨張する便利な土嚢も

最近は防災アイテムの1つとして、置き場所に困らず、災害時にすぐに使える土嚢も販売されています。

水に浸すと3~5分ほどで土嚢ができあがるので、普段はコンパクトに保管し、災害時には土や水などを集める手間もかかりません。いざというときにすぐに使えるよう防災グッズとして所持するのもよいのではないでしょうか。

土嚢使用後の処分方法

土嚢を処分したい場合、土嚢袋自体は麻やポリエチレンなどの素材なので、普通ごみとして出せることがほとんどです。燃える、燃えないなどの区分については各自治体の指定に従いましょう。

しかし、土の詰まった土嚢をそのままごみとして捨てることは基本的にはできません。土嚢袋のなかの土や砂については普通ごみで出せないことも多いです。土などを回収する専門業者はもちろん、ホームセンターや園芸店でも回収を引き受けてくれることがありますので、問い合わせてみるとよいかもしれません。

土嚢は代用できる!正しく活用しよう

水害で活躍する土嚢は、正しい方法で作ることで強度が増します。土嚢袋やなかに詰める土がないときには、家庭にあるもので代用も可能です。土嚢は作り方だけでなく、処分の方法にも注意し、正しく防災に活用しましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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