地震や台風などの災害が起こると、電気系統にもダメージが及ぶことがあります。防災セットを準備する際には、停電対策も忘れてはいけません。
今回は、停電時に役立つグッズをご紹介します。停電時の対策グッズはもちろん、その他の防災セットに施せる工夫も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
停電対策は2~3日分必要
土砂崩れで電柱が倒れたり、強風で飛ばされた障害物によって電線が損傷したりすると、停電が起こります。
停電の復旧作業は災害の規模や電線の損傷具合にもよりますが、広範囲に甚大な被害を及ぼした東日本大震災の際に東北地方で起こった停電は、3日後には約80%、8日後には約94%が復旧したそうです。
「災害のときは停電が起こる可能性がある」ということも意識にいれつつ、少なくとも2~3日は電気がなくても生活できる備えをしておくとよいでしょう。
停電対策のおすすめグッズ
災害時に停電が起こり、電気が使えなくなったら……。コンセントにささなくても使える電気機器があると便利です。ここからは、停電に備えるためのおすすめ対策グッズ5点をご紹介します。
懐中電灯・ネックライト
防災セットに必ず入れておきたいアイテムの1つは、懐中電灯です。停電していない場合でも、夜の災害時に真っ暗な道を歩いたり、ライトの明かりで「自分がここにいる」とアピールしたりするのにも役立ちます。
首にかけられるタイプのネックライトだと、両手が空いてより安全に避難することも可能です。懐中電灯やネックライトは電池がなくなっていないかどうかを定期的にチェックしましょう。
ポータブル電源
ポータブル電源とは、モバイルバッテリーを大きくしたようなイメージのものです。充電池で動き、コンセントなどもさせるので、災害時の電力確保に非常に役立ちます。
ポータブル電源と似たような働きをするものに発電機がありますが、こちらは充電式ではなくガソリン燃料で発電するため、燃料の取扱いに注意が必要です。発電中の音や排気もやや気になりますが、燃料さえ確保できれば停電中継続して使用できるというメリットもあります。
手回し機能付ラジオ
ハンドルのついたラジオをみたことがある方も多いと思いますが、手回し機能の付いたラジオも、停電時に重宝します。電気が使えない、電池がなくなってしまったという場合も、ハンドルを回せば発電してラジオを聞くことができるので便利です。
また、災害用に作られたラジオは、
- LEDライト
- USBポート
- SOSブザー
などの機能も兼ね備えており、ラジオ以外の用途でも使用できます。懐中電灯と兼用にすれば防災セットの中身も減らすことができるのでおすすめです。
折り畳みソーラーパネル
ソーラーパネルというと、大きなパネルを敷き詰めて電力を集めるイメージが強いですが、折り畳み式のものが存在します。日の当たるところに置いておくだけでスマホやタブレット、ポータブル電源などの充電が可能になる優れものです。
ソーラーパネルがあれば停電時も安心ですが、天候がよくなければ使用できないこと、発電効率はあまりよくないことを理解し、電力の無駄遣いをしないようにしましょう。
予備の電池
懐中電灯やラジオなどと一緒に防災セットに入れておきたいのが予備の電池です。停電で電気が使えない場合でも「電池で動く」ものは使用が可能なため、予備の電池はさまざまなシーンで活躍してくれるでしょう。
電池は防災セットに入っているアイテムに合わせた大きさのものを用意します。3日分の充電やラジオ、明かりを確保するには17本ほど必要です。防災セットに入れる電池は、長持ちするものにし、使用期限に余裕があるか定期的にチェックしましょう。
停電に向けたその他防災グッズの備え
停電時にも使える電気機器を用意しておくことは非常に重要ですが、同時に食べ物の備えにも工夫をしておくとより安心です。停電に向けて用意しておきたいもの、やっておきたいことには以下のようなものがあります。
すぐに口に入る食べ物を用意する
災害時には電気だけでなく、ガスも使えなくなることもあります。防災セットに入れておく非常食は、あたためなどの簡単な調理もいらない缶詰やレトルト食品、菓子類を多めに入れておきましょう。ちなみに、カップラーメンは水を入れて30分で食べられるようになります。
防災セットの中身に余裕がある場合には、電気もガスも使えないという状況に備え、カセットコンロとボンベを入れておくと調理のとき便利です。
自動車のガソリンは日頃から多めに入れておく
自動車を保有している場合には、ガソリンをできるだけ満タンにしておきましょう。ガソリンがあればラジオを聴いたりエアコンを使えたりと、停電時も電気の代わりになるものが使用できます。
最近はUSBポートがついている自動車も増えてきていますが、ない場合にはシガーソケットも用意しておくとよいです。
ガソリンは常に多めにしておくとよいので、メーターが半分くらいになったら給油をする習慣をつけておくことをおすすめします。
現金や携帯トイレも備えよう
災害時には銀行のATMが利用できなかったり、お店でキャッシュレス決済ができなかったりと不便も生じます。「手持ちのお金がない!」と困らないよう、ある程度は現金を用意しておくとよいでしょう。
また、トイレは基本的に断水時以外は使えますが、近年増加するタンクレストイレは停電時使用ができません。携帯トイレは防災セットの重要なアイテムの1つですが、停電時にも活用できることも覚えておきましょう。
停電時も安心の対策グッズをそろえよう
停電時に役立つ電気系のアイテムのなかにはやや高額なものもありますが、いざというときの備えのために用意しておくことをおすすめします。今回ご紹介したアイテムはアウトドアでも活用できるので、定期的なチェックも兼ねて年に1度は利用するとよいのではないでしょうか。
さまざまな停電対策グッズを備えることで、災害時の不安を少しでも軽くしましょう。