一昔前は災害時に頭を守るためのアイテムとして重宝されていた防災頭巾ですが、昨今もさまざまなデザインのものが販売されています。しかし、防災頭巾を使用する機会は限られているため、自宅にあるもので代用できたらいいなと思うこともあるのではないでしょうか。
今回は、防災頭巾の必要性や防災頭巾の選び方、代用にできるものは何かや自宅にあるタオルで防災頭巾を作る方法などをご紹介します。
防災頭巾とは危険から頭を守るアイテム
防災頭巾は、災害が起こった際にかぶり、落下物などから頭を保護するためのものです。布製ですが、しっかりと頭を保護してくれるよう、綿などの入った厚手の布を2枚張り合わせて作られています。
災害と一言でいってもさまざまな種類のものがあるので、落下物だけでなく火災などにも対応できるよう燃えにくい繊維を採用しているものも少なくありません。
保育園や幼稚園、学校などでは普段は椅子の座布団として使用し、災害時には防災頭巾として使用することもあるようです。
防災頭巾の必要性
防災頭巾というと「戦時中」をイメージする方も多いかもしれませんが、現代でも災害時に身を守るアイテムとして防災頭巾は必要です。「頭を保護する」というのは危険から身を守る行為のなかでも優先順位が高くなります。
防災頭巾は落下物はもちろん、火災時には火の粉などからも頭を守ってくれる重要なアイテムだといえるでしょう。
防災頭巾の代用になるものはある?
防災頭巾は災害時に重宝しますが、日常的に使用するシーンがあまりないこと、布製のため保管している間に劣化したりカビが生えたりしてしまう可能性があることなどを考えると、「わざわざ購入・保管するのは…」と思う方もいるかもしれません。
防災頭巾の主な役割は頭を保護することですので、自宅にあるものでも代用することは可能です。
ヘルメット
ヘルメットは丈夫な素材でできており、頭をすっぽり保護してくれるため、防災頭巾の代用としてもってこいだといえます。バイクに乗る人や野球をする人はヘルメットを持っていることがほとんどで、災害時に代用可能です。また、お子さまを自転車などに乗せる際にヘルメットをかぶせる保護者の方も少なくありません。
ヘルメットは布製の防災頭巾と比べて経年劣化が少ないといえます。日常的にヘルメットを使用しないという方も、災害用のヘルメットを防災グッズに入れておくとよいかもしれません。
ちなみに、100円ショップで売られているヘルメットやあまりにも安価なヘルメットは、保護機能がないといえます。他の用途で使う際にも防御性は重要ですので、しっかりと頭を守れるものを用意しましょう。
座布団
大きくて厚手の座布団も、防災頭巾の代わりになります。災害時に手元に座布団があれば、頭をくるむようにして防災頭巾の代わりにしましょう。しかし、座布団は手で押さえないといけないため、危険に備えて両手を空けておきたい災害時にはやや不便です。
前述のように、防災頭巾のなかには普段は座布団として使用し、いざというときには防災頭巾に変身するものも販売されています。以前は幼稚園や小学校などで使われるようないかにもなデザインのものばかりでしたが、最近は自宅で使用しても違和感のないオシャレなものも少なくありません。
床用、椅子用など種類も豊富ですので座布団を購入する際には防災頭巾になるものも候補に入れてみてはいかがでしょうか。
タオル
タオルを重ねて頭にかぶっても、防災頭巾の代わりになります。また、防災頭巾の相場は2,500円前後ですが、自宅にある使わなくなったタオルをアレンジすれば、安価に防災頭巾を作ることも可能です。
簡易的なものでもよいから、防災グッズに頭を保護するアイテムを入れておきたい、という場合にはタオルで即席の防災頭巾を作ってみてはいかがでしょうか。
タオルで即席防災頭巾を作る方法
ここからは、自宅にあるタオルで、即席防災頭巾を作る方法をご紹介します。まずは必要な材料です。
・フェイスタオル3枚、もしくはバスタオル1枚とフェイスタオル1枚
・紐(1mくらい)
・縫い糸(木綿糸がおすすめ)
続いて作り方です。
①タオルを開いて重ね、横長の二辺をを縫い合わせる
バスタオルの場合は縦半分に折り、内側にフェイスタオルを開いて重ね、縫う
(出典:愛顔ケアネット)
②縫い合わせたタオルを半分に折り、後頭部側になる面を縫い合わせる。下の3分の1くらいは肩部分になるので縫わずに残しておく。
(出典:愛顔ケアネット)
③下から3分の1くらいのところに紐を巻き付け後ろ側を縫い付けたら完成。
②③の工程は、タオルの長さによって縫うところ、紐をつけるところを調整しましょう。タオルを半分に折って実際に頭に被ってみて、縫う箇所を決めるとちょうどよいサイズに作ることができます。
防災頭巾を購入する場合は…
即席の防災頭巾は自宅にあるもので簡単に作ることができますが、防災グッズに興味がある方、気に入った防災グッズを揃えたいという方は「やはり本格的な防災頭巾を購入したい」と思うかもしれません。
最後に、防災頭巾を購入する際のポイントをご紹介します。
サイズの合ったものを選ぶ
どんなに落下物や火の粉などから保護してくれる性能が高いものでも、サイズがあっていなければ意味がありません。防災頭巾は幼児用、小学生用、小学校高学年から大人向けと大きく3つのサイズに別れていることが多いです。
使う人のサイズに合ったものを、家族の人数分用意するようにしましょう。
防炎協会の認定があるものだと安心
火災時の防御力を求めるのであれば、日本防炎協会の認定がある商品を選ぶことをおすすめします。主な審査内容は次の通りです。
・素材が燃えにくいものであること
・洗濯しても品質が損なわれないこと
・衝撃を吸収する力があること
・肌がかぶれにくい素材であること
審査を通過した商品には以下のような「防炎製品マーク」がついているので、防災頭巾を購入する際にはマークの有無にも注目して見てください。
(出典:日本防炎協会)
普段背もたれや椅子のカバーになるものも〇
背もたれや椅子のカバー、座布団などとして日常的に活用できる防災頭巾を選ぶと、「使わないままに劣化してしまった」「サイズアウトして処分することになった」というロスを防ぐことができます。おしゃれで実用性のある商品もぜひ探してみてください。
ただし、こうした商品は座布団などとして使用するうちに劣化してしまい、いざというときに防災頭巾としての性能が落ちてしまうこともあります。防災の役割を果たせるかどうか定期的にチェックし、必要に応じて買い替えるなどの工夫も必要です。
耳穴があれば尚よい
防災頭巾は分厚い布で頭を覆う形なので、どうしても周囲の音が聞こえにくくなります。災害時には目や耳から的確な情報を得て行動することが大切ですので、音が聞こえにくいのは危険です。
こうした心配を解消したい場合には、耳穴のついた防災頭巾を購入するようにしましょう。耳にあたる部分の近くに小さな穴が開いている商品なら、周囲の音をよく聞き取ることができます。
まとめ
防災頭巾は戦時中から現在まで活躍する防災グッズです。ヘルメットや座布団など、自宅にあるもので代用することもできますが、最近は防火性に優れているもの、日常生活に活用できるもの、オシャレなデザインのものなど種類も豊富にありますので、お気に入りのものがあれば購入を検討するのもよいでしょう。
また、不要なタオルで即席の防災頭巾を簡単に作ることもできますので、まずはお金をかけずに自作のアイテムで防災意識を高めていくのもおすすめです。さまざまな方法で、いざというときのための対策をしてみてくださいね。いね。