地震が起こった際に、室内を少しでも安全に保つためには耐震グッズが欠かせません。耐震グッズにはさまざまなものがありますが、テレビも揺れにより転倒・落下の恐れがあります。
テレビの地震対策には、耐震マットがおすすめです。耐震マットの選び方や使用時のポイントを知ると、最適な耐震マットを正しく使用することが可能です。
今回は、テレビの耐震用マットの必要性や選び方のポイント、使用時の注意点などをご紹介します。
テレビの耐震対策は必要?
そもそもテレビに耐震対策は必要なのか、と思う方もいるかもしれませんが、もちろんテレビにも耐震対策をしたほうがよいといえます。最近のテレビは薄型になっており、耐震対策をしないとテレビが倒れる、テレビ台から落下するなどの可能性があり危険です。
ある実験によると、耐震対策の有無にかかわらず、震度5程度の地震が起こるとテレビは揺れだします。しかし、きちんと耐震対策をしていれば震度6強の揺れでも転倒や落下を防ぐことが可能です。耐震対策を全くしていないテレビの多くは、震度6弱の揺れで転倒・落下してしまうことがわかっています。
テレビの転倒・落下は近くにいる人の怪我につながることはもちろん、決して安価とはいえないテレビの破損にもつながるため、耐震対策は必須だといえるでしょう。
テレビの耐震対策は4つ!おすすめは「耐震マット」
テレビの耐震対策には次のような方法があります。
・耐震マット(粘着マット)を使用する
・耐震ベルトでテレビ台に固定する
・壁に紐などで固定する
・テレビを壁に固定する
耐震ベルトを使ってテレビを台に固定したり、壁とテレビを紐で固定したりすれば、前方への転倒・落下の可能性を大幅に減少させることができます。また、最近は壁にテレビを固定する壁掛け式スタイルも流行っていますが、耐震性に優れた器具を使って正しく固定すれば、テレビの落下の確率を下げることは可能です。
とはいえ、未だテレビ台を使用する方も多いなか、最も簡単でメジャーな耐震対策は、耐震マットを使用した方法だといえるでしょう。
耐震マットとは
耐震マットとは、ジェル状のマットで、テレビをはじめ家具や家電の下に貼って床や台などと密着させるものです。粘着性のマットが土台になる部分と家具や家電をしっかりと固定してくれることにより、地震の際の転倒や落下を防げることはもちろん、日常生活においても家具や家電がズレてしまうのを防ぐことができます。
耐震マット、といっても大きなマット状になっているものは少なく、多くは手のひらより小さなサイズで四角形です。さらに小さいサイズのもの、A4サイズほどの大きさがあるもの、丸い形のものなど、さまざまな家具や家電に対応できるよう、大きさや形も豊富になってきています。
耐震マットの相場
耐震マットの価格相場は600円前後です。小さな四角形のものが4つ入っていることが多いですが、なかには1枚の板になっており大型の家具・家電に使用したり切って使ったりするものもあります。
昨今はさまざまなものを100円ショップで購入することができますが、耐震マットを販売している100円ショップも少なくありません。反対に高性能で価格も相場より高めという耐震マットも存在しますので、使う量はどれくらいか、どんな場所に使用するか、性能はよいかなどを比較・検討し、ご家庭でベストなものを選ぶのがおすすめです。
テレビの地震対策グッズを選ぶ際のポイント
テレビの地震対策グッズを選ぶ場合には、次の4つのポイントを重視するとよいでしょう。
テレビの形状などから選ぶ
どんなに耐震性が優れていても、テレビの形状に合っていないサイズや形のものでは意味がありません。
テレビの足部分がどんな形状になっているのかをよく見て、最適なサイズの耐震マットを選ぶと、しっかりとテレビを固定してくれますし、マットが足部分からはみ出すことも避けられるでしょう。
耐震性が高いものを選ぶ
耐震マットの値段はピンキリだとお伝えしましたが、100円ショップの耐震マットと、やや高価な耐震マットの粘着性や伸縮性がまったく同じ、ということはありません。やはり性能がよいものは値段も高くなりがちです。
高ければ高いほどよいということもありませんが、耐震マットを選ぶ際には性能を見る、価格から信用性を得るということも忘れないようにしてください。
長期間使用できるものを選ぶ
耐震マットはジェル状なので、乾いてしまう、粘着力がなくなってしまうことを加味して使用期限が定められているものも多くあります。いくらよい耐震マットでも、使用期限が短くこまめに交換しなければいけないとなると面倒になり、交換を忘れて耐震性が落ちてしまうということにもなりかねません。
性能のよさだけでなく、使用期限が長いものを選ぶことで、交換の手間を減らし、長期間安心して耐震マットを使用し続けることが可能です。
できれば水洗いできるものがベスト
耐震マットは表面が粘着性になっているので、髪の毛やほこりなどがくっついて耐震性が落ちてしまうこともあります。ゴミがつくのは耐震性に影響するだけでなく、見栄えも悪いのでなんとかしたいところですよね。
こうした問題を取り払うために、耐震マットは水洗いができる仕様になっていることも多々あります。しかしなかには水洗いできないものもありますので、耐震マットを購入する際は水洗いできるかどうかを必ず確認するようにしましょう。
耐震マットでテレビの耐震対策を行う際の注意点
耐震マットはテレビの足の裏部分に貼るだけで、テレビの転倒・落下を防止することが可能ですが、使用時には注意したい点もいくつかあります。最後に、耐震マットを使う際に注意したい点を見ていきましょう。
設置箇所をきれいにする
テレビの足の裏部分、テレビ台など、耐震マットを貼る部分をきれいにしてから使用するようにしてください。汚れやほこりなどがあると耐震性が落ちてしまいます。
設置箇所はゴミを取り除き、濡れたタオルなどで拭き、さらに乾いたタオルで仕上げの拭き上げを行うのがおすすめです。
バランスよく4か所に設置する
テレビの足部分の形は四角形、円形、クロス状などさまざまですが、どういった形状でもバランスよく4か所に耐震マットを設置することで、耐震効果を高めることができます。真ん中に1つ貼るよりも、四隅に貼る方がバランスが取れるのは一目瞭然です。
ちなみに、テレビが大きい場合には4か所ではなく6か所、8か所と貼る部分を増やすこと、中心部分にも耐震マットを使用することでよりバランスが取れ、落下や転倒の可能性が低くなります。
複数の耐震グッズで強化するのも〇
耐震マットはテレビの足部分に貼るだけで大きな耐震効果を発揮してくれますが、「こんな小さなシール1つでテレビを守れるのか」と不安になる方もいるでしょう。1つの耐震対策では心もとない、という場合には耐震ベルトを使用する、紐で固定するなどの対策と掛け合わせ、複数の対策を施すことでより耐震度をアップさせることができます。
テレビが置いてある場所によっては紐がつけられない、ベルトを取り付ける作業ができないということもありますので、設置環境に合わせてどういった対策ができるのかを考えてみてください。
耐震マットを正しく使い、テレビの安全確保を!
耐震マットはジェル状のシールで、テレビの足部分に貼るだけで簡単に耐震対策をすることが可能です。複数の耐震対策と共に行うとより耐震補強度がアップし、テレビの転倒・落下を防ぐこともできます。
耐震マットは簡単に入手できますし、作業もすぐに終わるので、ぜひ思い立ったその日に耐震対策をしていきましょう。