七輪の事故は危険!防災のポイントを知り安全な使用を

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古くから調理に用いられ、昨今も焼肉屋やアウトドアなど、さまざまなシーンで使われる七輪。しかし、使い方を間違えると大きな事故につながる可能性もあるため非常に危険です。七輪による事故を防ぐには、どういった防災が必要なのでしょうか。

今回は、七輪により起こる事故にはどのようなものがあるか、事例をもとにご紹介します。また、七輪を使う際に注意したいポイントについても解説していますので、ぜひ最後までチェックして、正しく七輪を使ってください。

目次

七輪とは「調理用の小さい炉」

七輪は軽量でコンパクトな調理用の炉です。円形の炉のなかに燃料である木炭や豆炭を入れ、網をのせて使用するスタイルが一般的ですが、四角形や長方形の七輪も少なくありません。

最近は形状や大きさもさまざまな七輪が売られており、1人でも手軽に使用できるものも増えています。

七輪は何に使う?

料理に使用される七輪ですが、赤外線を多く発することから焼き魚や焼肉などの焼き物料理に向いています。スタジオジブリの映画「となりのトトロ」でも、主人公のサツキが七輪で魚を焼いているシーンが出てきますよね。

また、少人数でささやかにバーベキューをするのに七輪を使用することもありますし、七輪を導入している焼肉屋も多いです。

【余談】なぜ「七輪」と呼ぶの?

七輪はサイズが小さく、燃焼効率がよい炉です。使用する炭が少量で済むのは、使ったことがある人ならご存じでしょう。

このことから「炭が七厘(りん)」程度でも足りるという意味で、異なる漢字の「七厘」と呼ばれるようになりました。その後、七輪が円形状のものが多いことから「七輪」となった、といわれています。

七輪の語源については諸説あるので、興味がある方は他の説も調べてみてください。

七輪により起こる可能性がある事故

焼き魚や焼肉などは七輪でするとよりおいしく仕上がるといわれていますが、七輪を使用する際には次の2つの事故に注意する必要があります。

一酸化炭素中毒

1つは一酸化炭素中毒です。通常、ものを燃やすときには酸素を使い二酸化炭素が発生しますが、酸素が不足した状態でものが燃えると、二酸化炭素ではなく一酸化炭素が発生します。

一酸化炭素は無臭で透明なため、発生しても気づかないことも少なくありません。一酸化炭素に気づかず活動を続けると、知らないうちに一酸化炭素を吸い込んでしまい一酸化炭素中毒になってしまう恐れがあります。

一酸化炭素中毒の症状や軽い吐き気や頭痛から始まり、重度になると意識を失う、死に至ることもあるため注意が必要です。

火災

七輪は少量とはいえ木炭などを火だねにして調理をするので、火の管理や始末をしっかりしないと火災を引き起こす場合もあります。火災が起こると建物内にあるものは燃えてしまいますし、逃げ遅れた場合、重度のやけどを負う、命を失うこともあるため危険です。

また、近隣の住宅に火が燃え移ると、大規模な火災に発展することもあるので、七輪を使用する際には必ず火の管理を怠らないようにしましょう。

七輪による事故の事例

七輪を使用する際には一酸化炭素中毒や火災に注意が必要です。具体的にどういった事故の事例があるのかを見て行きましょう。

多くは「密室での使用」が原因!

七輪による事故の多くは密室で使用した際に起こっています。一酸化炭素は換気が充分でない場合に発生することが多いです。また、火災も室内で使用している場合に周辺のものに引火するパターンが多いので、室内での使用には特に注意する必要があります。

それでは、七輪による事故の具体的な事例を見ていきましょう。

七輪による事故①一酸化炭素中毒

夏といえばバーベキュー!ということで、室内で七輪を用いてのささやかなバーベキューを楽しんでいたところ、室内が暑くなったため窓を閉めエアコンをオン。知らず知らずのうちに密閉空間となってしまい、一酸化炭素中毒を起こしてしまった、という事故多いようです。

七輪による事故②一酸化炭素中毒

冬場に屋外で七輪を使用しており、「外は寒すぎるから」と室内へ持ち込み。閉め切った温かな空間で七輪を使い続けたところ、酸素不足で一酸化炭素を起こしてしまうということもあります。前述の事故同様「窓を開けていない」ことが一酸化炭素中毒につながるようです。

七輪による事故③火災

ある焼肉店では客席の七輪の火加減などを小まめに管理しておらず、1つの客席の七輪から大きな炎が立ち上り、大規模な火災に発展しました。これは飲食店に限らず、自宅内での使用でも同様の事故が起こる可能性があるため、屋内での使用には注意が必要だといえます。

七輪による事故を起こさないための防災対策

七輪が原因の事故は大きく一酸化炭素中毒と火災の2種類ですが、どちらも命に係わる非常に危険なもの。しっかりと防災のための対策をして、安全に使用することが重要です。

最後に、七輪の事故を起こさないために注意したいポイントをご紹介します。

換気のよい場所で使用する

知らないうちに一酸化炭素中毒になるのを防ぐためには、換気のよい場所で七輪を使用するようにしましょう。理想は屋外での使用ですが、暑さ・寒さの関係から室内で使用する場合にも窓を開けしっかりと換気をすることが大切です。

使用中は目を離さない

炭火はきちんと処理すれば単体で大きく燃え上がることはありません。しかし、七輪の上で焼いたものから落ちた脂などで炎が大きくなることは大いにあり得ます。燃え上がった炎が引火して火災に発展するのを防ぐためにも、使用中は七輪から目を離さないようにしましょう。

また、「少しのあいだだから」と使用中に七輪から離れるのも危険です。七輪の使用時には必ず誰かが付き添うようにしてください。

完全に消火したか確認を

七輪の使用後は火消し壺やふたで消火するのが一般的ですが、消火グッズを使用しても炭が燃焼し続けることはあり、この状態が火災や就寝後の一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があります。

使用後は完全に消火できているかを確認すること、七輪はキッチンの流しや屋外に置くなどして、万一火災に発展しそうな場合にも引火するものが周辺にない状態をつくるなどの工夫をしてください。

七輪の事故は深刻!正しく安全に使おう

おいしい調理が可能な七輪ですが、使い方を間違えると命の危険に関わる大事故を引き起こす可能性があります。七輪を使用する際にはしっかりと防災をして、安全に調理を楽しんでくださいね。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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