積立(つみたて)NISAはデメリット多数でリスク大?成功ポイントを押さえて賢く運用!

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ライターの永野です!

間もなく7月も終了…。しかし夏休みはまだまだ続きます。白目を剥きながら子どもたちに勉強・ピアノ・お手伝いの指示を出し、午後は実家で遊んでもらって仕事をするというサイクルで頑張っています。

在宅ワークは自宅でできるのが最大のメリットだと思っていますが、「自宅=職場」となり、長期休みには子どもから逃げられないというデメリットも。実家に行ってくれる時間があると静かな環境で働けますが、夫が出張から戻ったら午後も自宅で過ごすのかと思うと…。想像するだけで恐ろしいです。

子どもに勉強しろといいながら、自分は自由な時間ができるとアニメを見てダラダラしてしまい…。新たな知識のインプットになかなか腰が上がらない日もあります。が、そんな私もここ数日でNISAについてはちょっと詳しくなった気がしなくもありません。

3種類のNISAに潜むデメリットやリスクについて解説する最終回となる今回のテーマは、「つみたてNISA」です。メリット・デメリットやリスク、成功のためのポイントなどをまとめていますので、つみたてNISAが気になっている方はぜひチェックしてみてください。

目次

つみたて(積立)NISAとは

まずは、つみたてNISAがどういったものかを確認しましょう。基本的な情報に加え、一般NISAとどう違うのかも解説します。

※NISAは「老後2,000万円問題」などの影響もあり、多くの方が注目する「非課税枠を設けた初心者でも始めやすい投資」です。将来の年金受給額や、NISAによる資産増加の想定を知りたい方は、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」、金融庁の「資産運用シミュレーション」もご活用ください!

つみたて(積立)NISAの概要

つみたてNISAは、長期的な分散投資で積立を行うことで、資産形成を後押しするための制度です。年間の非課税投資枠は40万円と、2023年7月現在ある3種類のNISAのなかでは最も少額ですが、非課税期間は20年間と長く、総額800万円の非課税投資枠を確保できます。

たとえば毎月5万円貯金している方が、3万円は普通預金、2万円はつみたてNISAで運用するとします(投資は余裕資金で、が鉄則ですからね)。想定利回り(年率)3%で20年間積立を行うと、元本は480万円、運用収益は20年後には約176万円になります。

「480万円が656万円になる」と考えると、積立をする価値はじゅうぶんにあるといえるでしょう。

つみたて(積立)NISAと一般NISAは何が違う?

通常「NISA」と呼ばれるのは「一般NISA」のことで、つみたてNISAとは異なります。2つの大きなちがいは、最大期間と非課税投資枠の額でしょう。違いをわかりやすく比較できるよう、まとめてみました。

一般NISAつみたてNISA
最大期間5年20年
年間非課税投資枠120万円40万円
非課税投資枠の総額600万円800万円
ロールオーバーできるできない
投資方法制限なし積立のみ
投資対象国内外の上場株式
投資信託
条件をクリアした投資信託

最終的な投資総額はつみたてNISAが多くなりますが、投資対象に制限があります。また、投資方法にも制限があるのもつみたてNISAです。長期的な運用を想定した制度で後述するメリットも魅力的なので、一般NISAとどちらがよいかは一概にはいえないでしょう。

つみたて(積立)NISAはデメリットが多い?リスクを確認!

つみたてNISAについて調べていると、「リスク」や「デメリット」というワードもしばしば目にすることも…。前回、前々回のNISA関連の記事でもお話したように、NISAは「投資」ですから、リスクが伴うことは避けられません。具体的にどういったデメリットがあってリスクが危険視されているのかを、解説します。

投資先が限定される

「一般NISAとの違い」の表でも記した通り、つみたてNISAは運用できる投資対象が限られています。つみたてNISAで運用できるのは、金融庁が長期積立・分散投資に適していると判断した投資信託のみです。これは、安定した運用の可能性を高めるというメリットもありますが、投資は異なる特徴を持ったものを組み合わせることで、利益を大きくできるという特性があるので、投資商品が似通ってしまうのはデメリットでもあります。

余った非課税投資枠の持ち越しができない

つみたてNISAの年間非課税投資枠は最大40万円と、一般NISAの3分の1です。この枠は、余っても翌年に持ち越すことができません。たとえば、年間の投資総額が20万円だったとしても、残りを翌年に持ち越して60万円にはならないというわけです。

また、運用期間は最大20年と長いものの、一般NISAのようにロールオーバーできないので注意しましょう。

非課税枠が少ない

非課税投資枠最大40万円は、一般NISA120万円、ジュニアNISA80万円と比較すると少ないといえます。まとまった余裕資金がある場合は、一般NISAのほうが1年に投資できる額も多く、向いている可能性も。一方、あまり余裕資金がない方にとっては、年間40万円、毎月3万円程度の負担で長期的に運用するほうがよいこともあるので、一概にデメリットとはいえない部分もあります。

短期投資に向いていない

投資対象が一部の投資信託に限られているつみたてNISAは、分散投資を行いながら、長期的に利益を得ることを目的にしています。よって、前述の通り少額ずつ積み立てて大きな利益になることを最終目標にしている方はよいでしょうが、短期的な投資を想定している方には向きません。つみたてNISAは短期間では大幅に増える見込みは低いので、短期投資を希望の方は一般NISAを選びましょう。

つみたて(積立)NISAをおすすめしない人

つみたてNISAには大きく4つのデメリットがありますが、後述するメリットを最大限に実感できるような運用をすれば、大きな収益につながります。しかし、次の3つに当てはまる方は、つみたてNISAをおすすめできません。

短期投資での成果が欲しい人

つみたてNISAはコツコツ積立をして、長期的に利益を得られるような仕組みです。よって、短期間で投資の成果を実感したい方、短期投資で利益を得たい方は、つみたてNISAのよさを実感できないままに「投資が失敗した」と感じる可能性があります。

年間投資予定額が高めの人

つみたてNISAの非課税投資枠は、年間40万円と低く設定されています。余裕資金が多くあり、年間投資予定額を高めに設定している場合は、非課税投資枠を超えてしまうので、つみたてNISAはおすすめできません。

一括投資を検討している人

定期的に一定額を投資する「積立投資」スタイルのつみたてNISAは、毎月の貯金感覚でできるのが魅力です。しかし、本格的な投資をしたい方、投資の知識が豊富な方などは、市場動向などを見て一括投資をしたいと考えることもあるでしょう。一般NISAなら120万円までの非課税投資枠を自由に使えるので、一括投資も可能です。また、上場株式をはじめ、さまざまな投資商品を選択できるので、一括投資を検討している方は一般NISAをおすすめします。

つみたて(積立)NISA独自のメリット

つみたてNISAのデメリットをご紹介しましたが、つみたてNISAにしかないメリットももちろん存在します。メリットをフル活用すれば、10年後、20年後には積立をしたお金が大きくなる可能性も高いです。

最長20年間の非課税

つみたてNISAは最長20年間も、売却益や分配金などが非課税です。通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかるので、これが非課税になると手元に残るお金が多くなります。

たとえば投資によって10万円の利益が発生した場合、税金が引かれると手元に残るのは8万円程度です。しかし、つみたてNISAは非課税なので、10万円まるごと手元に残ります。一般NISAは運用期間5年で、ロールオーバーすれば期間を延長できるものの手続きが必用です。つみたてNISAはロールオーバーはできないものの、20年間特に手続き不要で非課税を継続できるのも、うれしいポイントだといえます。

少額での開始・低コスト運用が可能

つみたてNISAの定期的な積立金額は投資商品によっても異なりますが、なんと100円から1円単位で投資できる商品もあります。投資というと、一気に数十万、数百万入れないといけない、積み立てるにしても数万円は必用というイメージを持つ方もいるでしょうが、少額ならはじめやすいですよね。積立額の変更もできるので、余裕が出てきたり、運用がうまくいっていると感じたりしたら額を増やすのもよいでしょう。

また、つみたてNISAは、法令で投資商品の購入時手数料を無料と定められています。証券会社や銀行によっては、積立金の引き落とし手数料が無料になることもあり、コストを抑えて運用しやすいのもメリットの1つです。

リスクが分散できる

つみたてNISAは分散投資なので、リスクが低いのも特徴です。分散投資は、1つの投資商品ではなく複数の銘柄を購入することで、もし1つの銘柄が大きく価格を落としても、ほかの銘柄で補ってリスクを分散させられるというもの。1つの銘柄に絞れば、もちろんハイリターンの可能性も高まりますが、元本割れした場合のダメージもそのぶん大きくなります。

分散投資はリスクを低減させる反面ハイリターンをあまり見込めず、前述の通り短期投資には向きません。しかし大きな損失を避けられることで、「余裕資金」が大量になくても始めやすく、リスク分散のメリットは間口を広げることにも貢献しているといえます。

初心者でも始めやすい

少額ずつの積立投資、分散投資、そして投資商品の限定は、初心者にも投資を始めやすい環境作りにつながっています。つみたてNISAで購入できるのは、厳選された一定の投資信託のみです。そして、投資信託の運用は証券会社各社に勤務する投資のプロなので、初心者も安心して投資できるでしょう。

投資商品が限られていれば、あれこれと迷わずに済みます。投資先を選択しやすく、毎月数千円から始めることも可能。ハイリターンは見込みにくいものの、リスクも低いつみたてNISAなら、「投資にちょっと興味がある」という方も運用を前向きに検討できるのではないでしょうか。

タイミングに悩まずに済む

「投資」とは本来、タイミングを見計らって売ったり買ったりするものです。しかし、つみたてNISAは長期的な利益を目的に、定期的に積立を行うもので、貯金感覚で行えます。さらに積立という投資方法は、購入のタイミングに悩まなくて済むのもメリットです。証券会社によっては自動引き落としにも対応しているので、振込の手間も省けます。ほぼ「ほったらかし」で積立ができ、さらに利益も得られるつみたてNISAですが、投資商品の価格変動などには、定期的に目を向けることも忘れないようにしましょう。

低リスクでつみたて(積立)NISAを成功させるポイント

つみたてNISAはそもそも一般的な投資よりもリスクが低いといえますが、よりリスクを抑えて、積立を成功させるには、以下の3点に注意する必要があります。最後に、つみたてNISAを始める際に知っておきたいポイントをまとめました。

長期的な利益を考えて運用する

何度もお伝えした通り、つみたてNISAは長期的な運用による利益を想定しているので、短期投資には向きません。もちろん、投資商品の価格変動を確認することも重要ですが、現状のみを見て一喜一憂したり、手放すなどの判断をしたりするのはやめましょう。5年後、10年後を見据え、コツコツ積立をするのが成功のための近道です。

分散投資をする

投資信託は、集めたお金を1つの大きな資金として、運用のプロが値動きなどを見て運用するものです。投資信託に投資している時点で分散投資を実現しているともいえますが、さらに成功させるには、自身でも分散投資をすることが大切です。つみたてNISAで選択できる投資商品には限りがあるものの、証券会社によっては複数の投資商品を用意しているケースもあります。年間40万円、毎月約3万円のすべてを1つの商品に積立するのではなく、「1.5万円ずつ2商品」「1万円ずつ3商品」のように分散させると、よりリスクを抑えられるでしょう。

慎重に金融機関を選ぶ

つみたてNISAの口座開設は、1人1口座です。金融機関により取り扱う投資商品は異なりますが、複数の口座を非課税対象にすることはできません。口座開設後に金融機関を変更することもできますが、変更希望の手続きは期間が決まっています。また、解約と開設の手続きをする手間も考えると、できるだけ変更はしないほうがよいでしょう。金融機関の選択は、事前にしっかりと調べて慎重におこなうことをおすすめします。

デメリットを理解し、一般NISA・つみたて(積立)NISAを選択しよう

つみたてNISAは比較的低リスクで、投資初心者の方も始めやすい制度です。デメリットはあるものの、少額投資を希望の方、ハイリターンをあまり望んでいない方にとっては特に気にならないでしょう。とはいえ、高額投資や一括投資、短気投資での利益を希望する方には、つみたてNISAのメリットはデメリットになることも。

ご自身がどういった投資を行いたいかよく考え、一般NISA・つみたてNISAで最適なほうを選んでくださいね。

編集後記

今回、3種類のNISAについて調べていろいろと知るなかで、「私はつみたてNISA向きだな」と感じました。毎月決まった額の積立ができ、リスクが少ないなら、やってみてもいいかなぁ…と思います。

最初のNISAの記事でもお話させていただきましたが、夫も先輩の話を聞いてNISAに興味を持っています。とはいえ、お金関連のことについては私以上に無頓着な部分があり、学資保険も「任せる」といわれたぐらいでして…。この機会に、どういうものかを説明してみようかなと思います。

「思い立ったが吉日」という言葉もありますが、やはりお金については慎重にしなければいけません。やっぱり我が家は、始めるなら新NISAが始まっていろいろな意見を聞いてからかなぁとぼんやりと考えています。NISAのことで迷っていて、この記事を読んで前向きに検討される方は、早めに始めてもよいかもしれませんね。

参考サイト

つみたてNISAにデメリットはある?後悔する前に知っておきたい元本割れのリスク
つみたてNISAのメリット・デメリットを徹底解説
つみたてNISA(積立NISA)はやめたほうがいいの?メリット・デメリットやリスク、向いている人・やらないほうがいい人について解説

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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