横断歩道の事故発生状況は?状況別の事故過失割合と注意点

本サイトはプロモーションが含まれています。

ライターの永野です!

子どもには交通ルールについて家庭で話す機会はもちろん、保育園や幼稚園でも横断歩道の渡り方などの指導があります。が、習い事などは送迎しますし、基本的に子どもだけで道路に出る機会がない我が家…。「本当に大丈夫か」と心配になりますが、小学生は子どもだけで安全に下校しているので、恐らく問題ないのかと思います。

とはいえ、低学年は徒歩、高学年以降は自転車での事故が増えるので、油断はできません。横断歩道なら安全だと思う反面、横断歩道でもお構いなしに突っ込んでくる車もいなくはないのも事実…。いつまでも親がついて回ることもできませんが、できるだけ目を離さないようにしたいなぁと思っています。

というわけで、今回のテーマは「横断歩道の事故」です。横断歩道での交通ルールや事故発生状況、歩行者と運転者の過失割合などについて、見ていきましょう。

目次

【確認】横断歩道の交通ルール

早速、横断歩道の交通ルールを確認していきます。歩行者が安全に道路を渡るために設けられているにもかかわらず、横断歩道では事故が絶えません。歩行者も運転者も今一度ルールを確認し、事故率の低減に努めましょう。

基本は「歩行者優先」

横断歩道の基本ルールは「歩行者が優先」です。運転者は横断歩道の手前で停止や減速をする義務があります。横断歩道に信号がない場合、歩行者が待っているにもかかわらず停止せず通過する車も多い傾向ですが(少なくとも筆者の住む地域では頻繁に見かけます)、警察が見ていたら取り締まりの対象になる可能性があるため注意が必要です。

運転者の交通ルール

自動車の運転中に注意すべき交通ルールを確認しましょう。

前述の通り、運転者は横断歩道・自転車横断帯などに近づいたらすぐに停止できるよう、速度を落として進む必要があります。横断者がいる場合はもちろん、横断歩道の手前で待っている人を見かけた場合にも、停止して歩行者の横断を優先しなければなりません。

横断歩道でスピードを落とさなくてもよいのは、横断する人や自転車がいないのが明らかな場合のみです。また、横断歩道・自転車横断帯の手前30メートル以内からは、ほかの車を追い越してはいけません。

歩行者優先というルールは横断歩道がある場所のみで適用されると思われがちですが、横断歩道のない道路を、歩行者が横断しなければならないケースもあります。この場合も同様に、運転者が歩行者の通行を妨げるのは禁止です。

歩行者の交通ルール

歩行者優先とはいえ、明らかに車が止まれない位置を走行していることをわかっていて飛び出すのは禁止です。小さな子どもなどは交通ルールがわからず、保護者の方の手を振り払って飛び出してしまう可能性がありますので、交差点付近ではじゅうぶん注意する必要があります。

横断歩道以外の場所を渡らなければいけないこともありますが、横断歩道や信号機が近くにあるのに「遠いから面倒」などの理由で横断歩道のない場所を渡るのは禁止です。横断歩道だけでなく、横断用の歩道橋や地下道がある場合も、安全のために可能な限りこれらを利用するとよいでしょう。

歩行者に禁止されている行為は、「歩行者横断禁止」の標識がある場所を横断する、道路を斜め横断する、ガードレールを乗り越えて横断するなどです。横断歩道と並行して自転車横断帯がある交差点もありますが、自転車横断帯に入るのも望ましい行為とはいえないでしょう。

横断歩道での事故発生状況

警察庁の発表によると、歩行者と車が衝突した交通死亡事故は、平成30年から令和4年までの5年間に4,678件。このうちおよそ7割にあたる3,295件が、歩行者横断中の事故だといいます。

横断中に起こった事故のなかの2,150件は、横断歩道以外の場所を横断している際に発生した事故です。2,150件のうちの約7割は、歩行者の法令違反があったといいます。運転者がいくら注意していても、歩行者がルールを守らなければ不慮の事故は起こってしまうでしょう。

横断歩道での事故は全体の約3割、1,145件でした。こちらは歩行者の法令違反について詳しい数字は分かりませんでしたが、もしかしたら歩行者の意識で防げる事故もあったかもしれません。

状況別!横断歩道での事故の過失割合

横断歩道で事故が起こった場合、その責任が誰に、どのくらいあるのかを表す「過失割合」。交通事故に遭わない、起こさないのがベストですが、もし事故に巻き込まれてしまった場合、過失割合がどのくらいになるのかを知っておくと、より交通ルールを厳守する意識も高まるのではないでしょうか。

前述の「歩行者の法令違反」のように、被害者側にも事故の原因や責任がある場合は、被害者が受け取れる慰謝料の額にも影響します。ここからは、大まかな状況別に過失割合を見ていきましょう。

歩行者も車も青信号の場合

歩行者も車もどちらも青信号の場合に事故が起こるのは、車が右折・左折をして横断歩道に侵入したときでしょう。このケースでの過失割合は、歩行者が0%、運転者が100%です。

「車も青信号だから、歩行者にも過失があるのでは」と考える方もいるかもしれませんが、横断歩道は「歩行者優先」です。青信号の横断歩道を渡る歩行者のところに車が突っ込んで事故を起こせば、事故の責任はすべて「運転者」になります。

歩行者が黄色、車が青信号の場合

歩行者側の信号が黄色(青点滅)、車が青信号の場合の過失割合は、歩行者30%、運転者70%です。道路交通法によると、歩行者は黄色信号(青点滅)で横断を開始してはいけません。点滅してから渡り始め、そのときに事故に遭うと歩行者にも事故の責任があると判断されます。

ちなみに歩行者が黄色信号、車が赤信号の場合の過失割合は、歩行者10%、運転者90%です。歩行者の過失割合は軽減されますが、黄色信号無視の過失により0%にはなりません。

歩行者も車も黄色信号の場合

歩行者も車も黄色信号(青点滅)で、横断歩道での事故が起こった場合の過失割合は、歩行者20%、運転者80%です。どちらも黄色信号無視をしているため、歩行者にも過失割合があると判断されます。

歩行者が赤信号、車が青信号の場合

歩行者用信号がすでに赤になっているのに横断を開始し、青信号の車が横断歩道に進入。交通事故になった場合の過失割合は、これまで解説してきたものとは大きく異なり、歩行者70%、運転者30%になります。

「歩行者が信号無視をしているのに、運転者にも過失がつくのはおかしい」と思う方もいるかもしれません。これは道路交通法で「歩行者を保護する安全運転の義務」が課せられているからです。たとえ歩行者が赤信号を横断していても、運転者の義務は免除されないので、一定の過失があると判断されます。

信号と過失割合をまとめると、以下のようになります。

歩行者用信号車両用信号過失割合
青信号青信号歩行者:0%、運転者:100%
青信号赤信号歩行者:0%、運転者:100%
黄信号青信号歩行者:30%、運転者:70%
黄信号黄信号歩行者:20%、運転者:80%
黄信号赤信号歩行者:10%、運転者:90%
赤信号青信号歩行者:70%、運転者:30%
赤信号黄信号歩行者:50%、運転者:50%
赤信号赤信号歩行者:20%、運転者:80%

横断歩道に信号機がない場合

横断歩道のなかには、信号機がないものも多く存在します。こうした横断歩道で事故が起こった場合、過失割合はどうなるのでしょうか。

信号機のない横断歩道での事故は、歩行者0%、運転者100%の過失割合になるのが基本です。運転者は横断者がいないのが明らかな場合を除き、横断歩道付近では直前で停止できるスピードでの通行が義務づけられています。

信号機のない横断歩道の手前には、道路上に「◇」マークを見かけることもあるでしょう。前方はもちろんですが、こうしたマークや横断歩道周辺にも目を配り、事故を起こさない運転を心がけましょう。

状況により過失割合が変わることも

横断歩道の事故における基本的な過失割合を解説しましたが、事故の状況によっては過失割合が変わることもあります。車だけでなく、歩行者も過失割合が増えるケースがあるので、注意して横断歩道を渡りましょう。

車の過失割合が増える場合

車の過失割合が増えるケースには、以下のようなものがあります。

・歩行者が幼児・児童・高齢者だった
・歩行者が集団で横断していた
・住宅街や商店街で事故を起こした
・酒気帯び運転や居眠り運転、無免許運転などをしていた

幼児は6歳未満、児童は6歳以上13歳未満、高齢者は65歳以上を指します。これらに該当する方は判断や行動が遅い場合があり、特に保護する必要があるため、過失割合に影響します。また、集団横断は車が容易に見つけられる、住宅街や商店街は人の横断が多いため運転者は特に注意すべきという点で、過失割合が増える可能性があるでしょう。

4点目の重い過失については、横断歩道での事故でなくても過失割合が高くなることは明らかです。法を犯さないことはもちろん、安全のためにも、ルール違反になる運転はしないようにしましょう。

歩行者の過失割合が増える場合

横断歩道での事故は、歩行者が赤信号で渡っても運転者に過失割合がつくぐらい、車にとって不利だといえますが、歩行者も過失割合が増えるケースがあるため注意が必要です。

・夜間の事故
・幹線道路での事故
・車両の直前直後を横断しての事故
・特段の事情がない立ち止まりや後退による事故

夜間は車がライトを点灯するため、歩行者は車に気づきやすくなります。こうした状況で事故が起こると「わかっていたのに渡ったのか」と歩行者にも責任を問われる可能性があります。また、車幅14m以上の幹線道路は車両の通行が激しいため、歩行者はより注意して横断すべきとされており、ここでも歩行者の過失割合が増えることがあるので注意しましょう。

車両の直前直後を横断したり、意味もなく横断歩道上で立ち止まったりするのは、歩行者のルール違反や通常ではない行動です。車両が対応するのが困難なため、歩行者の過失割合が増える原因になるといえます。

車はもちろん、歩行者も交通ルールを守って横断歩道事故を防ごう

横断歩道をはじめ、道路横断中に起こる事故は後を絶ちません。車が歩行者の安全を守るためにルールを厳守するのはもちろんですが、歩行者も自分自身のためにルールを守って安全に渡ることを心がけましょう。

コロナが第5類になり、夏に向けて人も車も多く外へ出ることが予想されます。1人ひとりの意識で、事故発生件数を減らしていけるとよいですね。

編集後記

我が家から学区内の小学校・中学校に行くには、国道を渡らなければなりません。小学校の通学路は、地下道を通る決まりとなっており、国道を横断しなくてよいので安心です。私が子どもの頃は小学校はもちろん、中学校でも「信号を渡るな」ルールがあり、中学校の真下に信号があるのに、生徒たちはそこからやや離れた場所にある2つの地下道のどちらかを利用しなければならず、遠回りで通学する友人も多くいました。

私の兄は「一度信号を渡ったら先生が窓から見ていて翌日怒られた」と言っており、「国道、ダメ絶対」という風潮が強かった記憶です。

現在は、中学校の目の前はもちろん、近くのいくつかの信号のある横断歩道を渡ることが許可されているようで、中学生が横断歩道を渡って通学しているのをよく見かけます。安全面に不安がないわけではありませんが、信号を渡れるなら我が家から中学校までは10分かかるかかからないかぐらいなので、それはそれでありがたいかなと思います。

むしろ、駅前通りの信号のない横断歩道などのほうが危険です。幼稚園や保育園では積極的に交通安全教室を開いてくれますが、自宅でも改めて息子たちに横断歩道のルールなどを伝えていこうと思いました。

参考サイト

横断歩道事故の歩行者と車の過失割合は?状況ごとに弁護士が解説
・警察庁:横断歩道は歩行者優先です

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
詳しいプロフィールはこちら

目次