香りにはリラックス効果や集中力の向上などが期待でき、お香に興味のある方もいらっしゃるでしょう。
ですが「室内でお香を焚くと火災報知器がなるのでは?」と心配になることはないでしょうか?
また、お香は電子香炉でなければ火をつかうため、火事の危険がゼロではありません。
そこで今回は、「お香のような煙で火災報知器は作動するのか」「火災報知器が誤作動する要因と対処法」そして、「お香を焚くときの注意点」をお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。
お香で火災報知器は作動する?!
お香は煙がでるため、火災報知器が煙を感知するのでは?と不安になりますが、今回調べたかぎり、お香で火災報知器が作動したという記載は見当たりませんでした。
ですが、お香のように煙がでるお線香やタバコについて回答しているサイトがあったので、ご紹介します。
お線香の煙では?
パナソニックのホームページから、お線香や蚊取り線香の煙についてのQ&Aをご紹介します。
【住警器】住宅用火災警報器(けむり当番)は仏壇の線香や蚊取り線香に反応しますか。
出典:Panasonic 「よくあるご質問」
線香を1~2本焚いたり、蚊取り線香をひと晩焚く程度では動作する可能性はほとんどありません。(検知感度は平成17年1月25日公布、総務省令第138号において定められた基準に適合しています。)
大量に焚き、煙が滞留する場合は誤動作する可能性がありますので換気を行ってください。
タバコの煙では?
次に、TOSHIBA(東芝ライテック)のホームページから、タバコの煙についてのQ&Aです。
Q タバコの煙で作動することはありますか?(煙式)
出典:東芝ライテック お客様サポート「住宅用火災警報器 Q&A」
A タバコの煙は天井近くまで上昇しにくいので、よほど狭い部屋で多人数が長時間吸い続けない限り、作動することはありません。
これらを見る限り、「お香の煙で火災報知器は作動しないのでは?」という印象を受けます。
ですが、これだけでは「鳴ったらどうしよう・・」という不安は解消されませんね。
そこで次に、火事ではないのに火災報知器がなる要因と作動したときの対処法をお伝えします。
火災報知器は火災以外でも作動する
火災報知器は、火事以外の要因で作動することもあるとされています。
あらかじめ、その要因と警報がなったときの対処法を知っておくことで、誤作動したとき必要以上に慌てずにすむでしょう。
誤作動する要因を知る
一般住宅向けの火災報知器は、煙または熱を感知して異常を知らせます。
煙式の火災報知器では、次のようなもので誤作動することがあるとされています。
・料理の煙や湯気
・燻煙式(くんえんしき)殺虫剤
・ホコリ
・小さい虫
・結露
・電池切れや故障 など
火災報知器の交換は10年が目安とされています。住宅に設置が義務づけられたのは、2006年(平成18年)6月であり、現在すでに10年以上がたっているため、電池切れや故障の可能性もあることを覚えておくとよいでしょう。
作動したときの対処法を知る
もし、火事ではない要因で火災報知器が誤作動したら、窓を開けたり換気扇をまわして換気をしましょう。
そして、だいたいの火災報知器には警報停止ボタンを押したり、ぶら下がっているヒモを引いて止めるとされています。(詳しくは取扱説明書やメーカーサイトで確認しましょう)。
お香を焚くときの注意点
ここまで、お香を焚くと火災報知器が作動するのか?という疑問についてみてきました。
しかし、視点を変えると、お香も火をつかう製品であることに変わりはありません。
そこであらためて、お香を焚いて火事にならないために気をつける点を確認しましょう。
置き場所
インテリアの一部にもなるお香ですが、置き場所には注意が必要です。
布団やソファなどの不安定なところ・燃えやすいものの近くには置かないようにしましょう。また、扇風機や外からの風がとどく場所では、お香が倒れたりとばされる危険もあります。
香皿の素材
お香は香炉や香皿をつかって焚きますが、燃えない素材を選びましょう。
お香の専門店であれば心配ありませんが、雑貨屋さんなどで「お香立てとして使えるかも・・」と思って購入したものが、可燃性の素材だったという可能性もあります。そうならないよう、陶磁器や金属製の燃えない素材であることを確かめて購入しましょう。
お香を焚きたいけど、どうしても火災報知器が作動しないか心配な方は、火をつかわない“電子香炉”をつかう方法もあります。
まとめ
今回は、お香で火災報知器はなるのか?という不安の解消をとおして、誤作動の要因と対処法をお伝えしました。
火災報知器は調理中の煙やほこり、電池切れなどで警報がなることもあります。
お香の煙で火災報知器が作動する可能性は低いようですが、電子香炉でなければ火をつかうため、置き場所や香皿の素材に注意が必要です。
火事を防ぐため扱いには十分に気をつけて、お香を楽しんでいきましょう。
【参考文献】
大建工業株式会社(DAIKEN)
ホーチキ株式会社「警報音が鳴るのは、どんなとき?:住宅用火災警報器」
株式会社日本香堂「お香の楽しみ方・使い方」
(以上)