ライターの永野です!
フリーランスは電気代もある程度経費になるとはいえ、安く済めばそれに越したことはありません。使わない部屋の電気を消すとかコンセントを抜くとか当たり前のことをしていても、電気代の値上がりには太刀打ちできない状況です。
現在、2023年7月。この記事を書いたのは1月24日だったのですが、前後の電気代を振り替えってみました。
・2022年12月:19390円
・2023年1月:15096円
・2023年2月:11940円
・2023年3月:8899円
・2023年4月:6249円
・2023年5月:5662円
・2023年6月:6698円
12月が恐ろしいことになっていましたが、記事を執筆してエアコンの節電を始めた1月後半から、その効果が徐々に出ているように感じます。1,2月は電気代が少しずつ安くなっていますよね!また、5月は久々の5000円台。暖かくなるにつれてエアコンをつけなくなったことが、電気代に大きく影響しているようです。
とにかく暑い地域なので、6月からエアコンをつけ始め7月は夜もつけっぱなし。7月の電気代予測は既に1万円を超えています。去年は設定温度を24度~26度くらいにしていたのを、今年は基本27度で扇風機も併用していますが、それでも去年より高くなりそうなので、電気料金の高騰は本当なんだなぁと分かります。
昔は「クーラー」なんていって夏場しか使わなかったエアコンですが、今は冬も欠かせない存在となっているので、ぜひ年間を通してエアコンの節電を頑張りたいところ。
今回は、エアコンの節電に関するさまざまな情報をお届けします。
エアコンの電気代を計算してみよう!
エアコンの節電方法を詳しく見る前に、まずはエアコンの電気代がどれくらいかかるのかを計算してみましょう。
計算式や具体的なエアコンの月々の電気代をご紹介しますので、ぜひ参考にしてご自宅の電気代を調べてみてください。
1時間あたりの電気代の計算式
エアコンの1時間にかかる電気代がわかれば、1ヵ月の使用時間から月々のエアコン代がわかります。計算式は、次の通りです。
消費電力(kW)×電気代単価(円)=1時間の電気代(円)
つまり、消費電力と電気代の単価がわかれば、1時間の電気代を割り出せます。「消費電力」については、エアコンの取扱説明書やカタログに書いてありますし、機種によってはエアコン本体に貼ってあるシールに書かれている場合もあるのでチェックしてみてください
電気代単価は、電気料金の請求書などに記載されていますし、契約している電力会社に問い合わせても、知ることができます。
1ヵ月の電気代予想
前述の計算式を元に、1ヵ月のエアコンにかかる電気代を計算してみましょう。
ここでは、エアコンの消費電力を0.7kW(700W)、電気代単価は27円で計算してみます。
0.7kW×27円=18.9円
この場合、1時間あたりのエアコンにかかる電気代は、18.9円です。
では1日8時間、1カ月(30日)間エアコンを使ったとすると、電気代はいくらになるのでしょうか。
18.9円×8時間×30日=4,536円
エアコンだけで、1ヵ月これだけの電気代がかかることがわかります。
ちなみにこれはエアコン1台分の計算ですので、複数の部屋で使用する場合はさらに高くなるので、1度計算してみてください。
会社やプランによって電気代は異なる
前述の電気代単価27円というのは、主要電力会社10社の平均といわれている数値です。実際の電気代は、契約しているアンペア数や電力会社、プランなどによって異なります。
ご自宅の電気代単価を調べ、平均値の27円より高い場合は、契約会社やプランを見直すとよいかもしれません。
【エアコンの電気代】冷房・除湿・暖房で料金は異なる?
エアコンにはさまざまモードがあり、夏も冬も快適に過ごせます。冷房、暖房以外に除湿などのモードもありますが、運転モードによっても電気代は異なるので、季節や使用モードによって電気料金が変わってくることも、覚えておきましょう。
冷房と暖房だと「暖房」のが高い
「エアコンで電気代が…」というと夏場の冷房をイメージしますが、実は冬のほうがエアコンの電気代が高くなりやすい傾向です。
原因は、実際の気温とエアコンの温度設定の差にあります。
環境省が推奨するエアコンの設定温度は、夏が28度、冬が20度です。夏場の平均気温は地域にもよりますが、東京だと29~30度くらいなので、設定温度との差は1~2度となります。一方、冬の平均気温は東京で7~8度ほど。設定温度との差は12度もあるのです。
より設定温度を下げたり上げたりすると電気代がさらに高くなるのは、一目瞭然でしょう。
除湿は種類により料金が変わる
「冷房よりも除湿のほうが安い」という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、除湿には大きく2種類あります。1つは「弱冷房除湿」で、空気を冷やしながら湿度を下げる設定です。
もう1つが「再熱除湿」で、こちらは部屋の湿度を下げないようにしながら、湿度だけを下げます。弱冷房除湿は比較的電力を消費しませんが、再熱除湿は冷房よりも電気代がかかるため、注意しましょう。
電気代が安い順番に並べると「弱冷房除湿<冷房<再熱除湿」となります。除湿の種類はエアコンによって異なるので、ご自宅のエアコンがどちらの除湿タイプなのかを確認して、モードを選んでください。
いちばん安いモードは「送風」
暖房は電気代が高く、夏場は弱冷房除湿が安価に使えるモードだということはわかりましたが、実はさらに安いモードがあります。それは、「送風」です。
送風は部屋の温度などを変えるものではなく、扇風機などのように風を送るもの。よって、消費電力は他のモードと比べると非常に少なく、最も電気代がかかりません。
送風は空気の循環が可能で、体感温度を下げるのにも役立つので、ある程度温度が下がったら切り替えるなどして、使い分けると電気代を抑えられるでしょう。
【エアコンの電気代】おすすめの節電方法
エアコンの電気代に関してわかったところで、本題の節電方法をご紹介していきます。ちょっとした工夫でエアコンにかかる電気代を抑えられるので、ぜひできることから実践してください。
温度設定で節電
エアコンの温度は1℃変えるだけでも、電気代に影響します。なんと10~13%も変動するといわれており、最も簡単な節電方法です。
たとえば、冷房の設定温度を24度にしている場合、26度にすれば20%、27度なら30%ほど節電できます。前述の通り、環境省推奨の温度設定は夏場の冷房が28度、冬の暖房は20度です。
「高すぎる」「低すぎる」と感じるかもしれませんが、実際に設定してみると、冷える、暑すぎて頭がぼーっとするといったこともなく比較的快適に過ごせます。
短時間の外出はつけっぱなしでOK
ちょっとした外出の際にこまめにつけたり消したりするか、つけっぱなしにするかは悩ましいところですが、短時間の外出なら消さないほうが節電になります。短時間というのは1~2時間程度が目安です。
エアコンは電源を入れてから数分は、温度設定に近づくよう稼働が活発になります。よって、つけたり消したりすると電力の消費が大きくなるため、ちょっと家を空けるだけならば、つけっぱなしのほうが安いのです。
しかし、長時間の外出でつけっぱなしにするのは逆に高くつき、節電にはならないので注意しましょう。
自動運転の活用
エアコンは手動で温度や風量などを細かく設定できますが、「自動運転モード」がついているものがほとんどです。自動運転は、最短で設定温度まで近づけてくれて、その後も快適に過ごせる温度に保ってくれます。
あまり使わないモードかもしれませんが、一度試してみるとよいでしょう。
フィルターや室外機の定期的な掃除
いくら温度設定などを工夫しても、エアコンそのものの機能が低下していると、消費電力を無駄に使うことになります。エアコンのフィルターや室外機は、日常的に掃除をすることはなかなかできません。
しかし、定期的にきれいにすることで、大幅な節電につながります。
我が家も年末に、夫が自宅と実家のエアコンのフィルターを掃除したのですが、効きが大幅によくなりました。フィルターおそうじモードのついたエアコンも最近は多いですが(我が家もこのタイプです)、完全にきれいになっているとは限りませんので、冷房・暖房を使う前には一度確認するとよいでしょう。
エアコン選びも節電になる
エアコンが部屋のサイズと合っていないと、電力を多く消費してしまう可能性があります。部屋の広さより小さいエアコンは、設定温度になるまでに時間がかかってしまうので、電力を多く使ってしまうのです。
「大は小を兼ねるから、大きめならいいだろう」と思うかもしれませんが、こちらも効きすぎてしまい、無駄な電力消費につながっているかもしれません。
家電量販店などで見てみると、「〇畳用」とエアコンに書かれていますので、部屋の広さに合ったものを選びましょう。
タイマーを使う
「寝るときは暑かったけど、深夜~朝方はそうでもない」「冬にエアコンをつけっぱなしにしていると朝乾燥が気になる」など、実は必要のない時間にもエアコンをつけっぱなしにしていることはないでしょうか。
タイマーを使えば、必要な時間だけエアコンを使用できます。電力の無駄を省くことはもちろん、寝冷えやエアコンによる乾燥なども防げるので、ぜひ有効活用してください。
風向きを調節する
冷たい風は下のほうに、暖かい風は上のほうに集まりやすいので、冷房を使用するときは風向きを水平より少し上にすると、効率よくお部屋を冷やせます。暖房は水平より下に向けても問題ありませんが、顔に直撃する向きだと肌の乾燥などが気になるので注意しましょう。
ちなみに、風量はもちろん弱いほうが電力を使いませんが、常に弱くしているよりも「自動運転」を使ってエアコンに自動で調節してもらうほうが、節電効果が高まります。
【エアコンの電気代】節電のためのその他の方法
エアコン本体でできる節電方法のほか、カーテンやエアコン以外のアイテムを使ったりと、その他の工夫でも節電を実現できます。どういった方法があるのか、見てみましょう。
カーテンや断熱材を活用する
昼間はレースカーテンのみ、というご家庭も多いでしょうが、夏は昼間でもメインのカーテンやブラインドを閉めると、直射日光を防いで部屋の温度が上昇するのを防げます。また、窓に断熱材を貼ったりすると、外気の影響を受けにくいのでおすすめです。
扇風機や加湿器を使う
エアコンだけでなく、扇風機や加湿器などのアイテムを併用するのもおすすめです。夏は扇風機やサーキュレーターでで空気循環をよくする、冬は加湿器で湿度を上げるなど、室内環境をよくする工夫をするのも、エアコンの省エネに欠かせない要素だといえます。
使う部屋はなるべく1室に
エアコンは使った台数分だけ電気代も高くなるので、できるだけ使用する台数を減らすのも、節電には有効です。ご家族で住んでいる場合、子どもが大きくなるとそれぞれの部屋にこもりがちですが、できるだけ1つの部屋に集まる時間を長くすればその分、各部屋のエアコンを使う頻度が下がり、電気代を安くできるでしょう。
家族が集まれば会話が弾み、一家だんらんにもつながります。コミュニケーションを取りながら節電もできるのは、まさに一石二鳥ですね。
契約会社の変更やエアコン買い換えも検討する
さまざまな節電方法を試してみても、思うように節電が実現できない場合は、そもそもの電気料金が高かったり、エアコンが古かったりという可能性があります。
この場合は、契約会社やプランの変更、エアコンの買い替えも検討するとよいでしょう。契約を変更すれば、その他の消費電力も安くなり、電気代を大幅に節約できることもあります。
また、部屋に合ったエアコンを新たに購入すれば、省エネモードなどの最新機能でより節電を実感できるでしょう。
賢いエアコンの使い方で、節電をしよう
エアコンは少しの工夫で、電気代を節約できます。節電はご家庭の電気料金はもちろん、環境にもよい影響を与えてくれるので、ぜひできることから少しずつ実践してみてください。
編集後記
「夏の冷房は28度」というのは知っていましたが、冬場に関してはあまり知識がなかったのと、とにかくこのあたりは寒いので、24度くらいにしていました。しかし、書きながら「冬は20度!?」と思い、慌てて仕事部屋の設定温度を20度にしました。
東京人の夫は、5年経ってもまだこちらの寒さに慣れないらしく(一生慣れない気もしますが)、隙あらばリビングのエアコンを26度くらいに設定します。気づくたびに24度に戻していましたが、今後は今回の執筆で学んだ知識を生かして、ドヤ顔で20度に下げようと考えています(笑)。
とはいえ、健康第一。節電も大事ですが、熱中症や寒さによる風邪など、体調を崩すことのないよう、可能な範囲で温度調節などをして、快適に過ごせる方法を見つけてくださいね。
参考サイト
・DAIKIN「エアコンつけっぱなし検証!」
・Ever Green「エアコンの電気代を安くしたい!暖房・冷房・除湿の違いと、節約方法を伝授!」
・HITACHI「よくあるご質問」
・ミツモア「エアコンの節電3つのポイント|15通りの方法で電気代を抑えよう」