公衆電話を見たことありますか?使ったことはないけど、見たことはある人もいるでしょう。
公衆電話は緊急時、110番や119番に無料でかけられます。災害時には、通信規制を受けないので、携帯電話などよりつながりやすいのです。
今回は、公衆電話の特徴、使い方、そして自宅の近くにある公衆電話の探し方をご紹介します。
そもそも公衆電話って、どんなときに使えるの?!
公衆電話を見たことはあるけど、使ったことがないという人もいると思います。特に、小学生ともなると、見たことすらない子が多いかもしれませんね。
はじめに、公衆電話の機能についてご紹介しましょう。
携帯電話などを持っていない子どもには便利アイテム
携帯電話がない時代、外から電話をかける唯一の手段だったのが公衆電話です。今では使われる機会は減ったものの、携帯電話を忘れたときには役立ちます。
特に、携帯電話をまだ持っていない子どもにとっては、今も変わらず唯一の電話をかける手段になるでしょう。たとえば、塾の帰りに「迎えに来てちょうだい」など、要件だけを伝えるのには便利なアイテムです。
犯罪・海の事故・救急(火事)への通報にお金はかからない
警察署110番、海上保安庁118番、消防署119番への通報は、公衆電話でも料金はかかりません。かけ方については、後半で紹介しますね。
子どもが狙われやすい公園に公衆電話があるか確認しておこう
子どもを狙った犯罪の発生場所は、公園が多いとも言われています。公園には比較的、公衆電話が設置されているので、一度、近くの公園にあるかどうか確認するのも良いでしょう。
災害の時には携帯電話よりつながりやすい
大きな災害のときには、緊急用の回線を優先するため、携帯電話には通信規制がかけられるため、つながりにくくなります。
しかし、公衆電話にはこの通信規制がかけられません。そのため、緊急用の回線と同様に優先的に扱われます。
災害の時には「自分の居場所や無事を家族に知らせたい」ということもあるでしょう。そういった時にも、公衆電話のほうが携帯電話等よりもつながりやすいのです。
公衆電話は停電の時でも使える!
しかも、公衆電話は停電になっても使うことができます。
災害時、携帯電話の弱点とも言える「つながらない」「充電できない」といったことが、公衆電話では「つながりやすい」「電池量を気にしなくて良い」という強味になっているのです。
公衆電話は「とって」「入れて」「押す」の3ステップ!
公衆電話がどういったときに役立つのかわかったところで、次は、実際に電話のかけ方を説明しますね。
ふだん電話をかけるときは「とる」「入れる」「押す」
ふだん利用するときにはお金が必要ですが、使える硬貨が決まっているので注意しましょう。使えるのは10円玉と100円玉だけです。おつりは出ません。
📞電話のかけ方
①受話器を「とる」・・・耳に当ててみてください。最初は何も音が聞こえません。
②お金を「入れる」・・・お金を入れると、耳元から「ツー」を音が聞こえてきます。この「ツー」が鳴ったら、かけられる合図です!
③電話番号を「押す」・・・ボタンをしっかりと押しましょう。
テレフォンカードなら硬貨をもて持たせなくて良い
公衆電話にはお金が必要とわかっても「お金を持たせるのは心配」ということがあるかもしれませんね。そのような時には、テレフォンカードが便利です。
テレフォンカードはプリペイドカードのようなもので、500円と1000円の2種類があります。コンビニエンスストアでも買うことができます。
停電時には使えないのですが、公衆電話でしか使うことができないので、子どもが不要な買い物をすることも防げますよ。
携帯電話に10円で話せる時間は短い!
公衆電話から携帯電話などにかけて、10円で話せる時間は、携帯電話会社や時間によって異なりますが、約10秒から約20秒です。
固定電話にかける場合だと約1分は話せます。ご自宅に固定電話がある場合は、その番号も把握しておくと良いでしょう。
使わなかったお金は戻ってくる
公衆電話では、使われなかった分のお金は戻ってきます。例えば、10円玉を5枚入れて会話をします。30円分で話が終わったとして、受話器を元の場所に戻すと、20円分が下に戻ってくるのです。
「10円では足りないけど、100円だとお釣りが出ないから困る」といった心配は、この方法で解決できるでしょう。
緊急時の通報は「とって」「押す」だけでいい
警察署110番、海上保安庁118番、消防署119番への通報は、お金を入れる必要がありません。なので、受話器を「とって」、次は「押す」だけでいいのです。
ここで一つ注意!それは、公衆電話に赤いボタン(多くは電話の下側にあります)があるときです。このときは、受話器をとったら「最初に赤いボタン」「次に番号を押す」になります。
📞緊急通報のかけ方
受話器をとる→(赤いボタンを押す)→ 緊急通報先の番号を押す
慌てているときは、このボタンのことを忘れるかもしれません。つながらないときには、この赤いボタン(緊急通報ボタン)がないか探してみましょう。
災害時に自分の居場所や安否などを録音できる「171」
災害時でも公衆電話はつながりやすいとは言え、つながらなかった場合に便利なサービスがあります。災害用伝言ダイヤルと呼ばれる、災害時にのみ使えるサービスで留守番電話のような機能です。「私は無事です」といった音声情報を録音・再生することができます。こちらも無料です。
※詳しくはこちらの記事でご紹介しています。 防災新聞 災害用伝言ダイヤル「171」とは?音の伝言版を正しく活用しよう https://bousai.nishinippon.co.jp/410/
公衆電話の使い方をバーチャル体験してみよう!
NTT東日本では、子ども向けに公衆電話について学べるサイトを展開しています。そのなかの一つで、公衆電話の使い方をバーチャル体験できます。
親子で一緒にチャレンジしてはいかがでしょう。
【参考文献】NTT東日本 はじめての公衆電話キッズページ 「VR公衆電話体験 公衆電話ミッションに挑戦!」 https://www.ntt-east.co.jp/ptd/kousyukids/call/
公衆電話の場所を探してみよう!
最後に、お住まいの地域でどこに公衆電話があるかを調べることができるサイトをご紹介します。
市町村別で検索することができますので、身近な所、よくでかける場所など、それぞれに確認しておくと安心ですね。
NTT東日本の方(北海道・東北・関東・甲信越)
NTT東日本「公衆電話 設置場所検索」 https://publictelephone.ntt-east.co.jp/ptd/map/
NTT西日本の方(北陸・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄)
NTT西日本「公衆電話 設置場所検索」 https://www.ntt-west.co.jp/ptd/map/
まとめ
ふだん意識しないと目にも止まらない存在の公衆電話。しかし、緊急の時、停電の時でも使える優れもの。しかも、テレフォンカードを準備すれば、硬貨を持ち歩かなくてもよいという安全性もあります。
公衆電話は設置が義務付けられているため、完全になくなることはありません。しかし、以前に比べて利用頻度が減っているため、国は設置基準を緩和する方向です。その結果、これまでより4分の1の台数になる見込みです。
いざというときに「見たことはあったけど、使い方がわからなかった」と後悔しないためにも、ぜひこの機会に親子で公衆電話について学んでみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
総務省「公衆電話の使い方と使用方法」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000162017.pdf
NTT東日本「緊急時のかけかた篇(かけてみよう)」 https://www.ntt-east.co.jp/ptd/kousyukids/learn/learn02.html
朝日学生新聞社 朝日小学生新聞「見直される公衆電話」 https://asagaku.com/shougaku/topnews/6330.html
NTT東日本「公衆電話料金」 https://www.ntt-east.co.jp/ptd/contents/mag_public_charge.html
NTTドコモ「一般電話・公衆電話からの通話料」 https://www.nttdocomo.co.jp/charge/call_charge/
au「公衆電話からau電話へ発信した場合の通話料金表」 https://www.au.com/mobile/charge/reference/public-telephone/
SoftBank「一般電話・公衆電話からソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOへかけた場合の通話料」 https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/options/call-fee/
Sonamamoソナマモ「こう携帯電話にテレホンカードで電話したら何分話せる?」 https://sonaeru-mamoru.com/how-many-minutes/
NTT東日本「磁気テレホンカード」 https://www.ntt-east.co.jp/ptd/contents/mag_card.html
moshimoストック「緊急時のために子どもに教えたい、公衆電話の使い方と意外な機能」 https://moshimo-stock.jp/article/entry/2020/03/public-telephone/
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