コンセントによる感電事故から子どもの命を守る!~原因と防止策~

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家庭内には思わぬところに事故の原因となるものがあります。特に小学校入学前の子どもは、さまざまなものに興味を示すため注意が必要です。

今回は「子どものコンセントによる感電事故」について、実際にあった事例を示しながら、その原因と防止策をお伝えします。

何気なく使っているコンセントに潜む危険性を知り、家庭内の事故から子どもを守りましょう

目次

感電すると体はどうなる?火災の原因にもなる感電事故

感電とは電気が人の体を通ることです。感電による体への影響は、流れた電気の大きさや状況によって異なりますが、それは家庭内のコンセントであっても同じです。

静電気のようなピリッと感じる程度から、ビリビリと強い痛み、そして我慢できないほどの痛みに。さらに、呼吸も苦しくなり自分では対象物から離れることすらできない状態に、そして最悪の場合は死に至ります。

後述しますが、実際の子どものコンセントによる感電事例でも、やけどによって皮膚の一部がただれたり感電した直後は心電図に異常が見られなくても、通院して経過観察が必要な場合もあります。

また、皮膚の表面上は異常がないように見えても、皮膚の奥の組織がダメージを受けている可能性もあるため、万が一子どもがコンセントをいじっていた場合には、パッと見ただけで判断しないことが重要です。

火災の原因にもなるコンセントの感電事故 

コンセントの感電事故には火災の危険性もあります。平成29年には、コンセントに関連する火災、とくに子どもの行動が火災の原因になっている事例が起きているとして、東京消防庁が注意を促しました。(※参考 東京消防庁「こどもの電撃熱傷を伴う火災に注意して!! ~ コンセントや差込みプラグで遊んでいませんか? ~」

このように、火災や最悪の場合は死に至るほど危険な「コンセントの感電事故」は、なぜ起きるのでしょうか。

子どもの行動にみるコンセントによる感電事故の原因

人の体は電気を通します。ですが、コンセントに差す器具(電源プラグ)を持ったり、コンセントに差すだけでは、もちろん感電しません。何かしらの原因があって、コンセントの中の電気が体へと流れてきます。

それでは、コンセントで感電する原因となる子どもの行動についてお伝えします。

原因1 コンセントの「穴に」金物類を入れる

一つ目は、コンセントの中に金物類を入れたことによる感電です。

実際にあったコンセントによる感電事故

「子どもがコンセントにヘアピンを差し、ビリッと音がして火花が散った。左手の親指から薬指の先にやけどを負った。心電図や循環器に異常はみられなかったが、通院して様子を見ることとなった。」(4歳) 

消費者庁「Vol.568 コンセントでの感電事故に注意!」より

コンセントの細長い穴が、子どもにとっては何か入れてみたくなる「おもしろそうなもの」になってしまうのです。

原因2 電源プラグとの「隙間に」金物類をあてる

2点目は、ゆるんでコンセントから抜けかかっている電源プラグに金物類をあてたことによる感電です。

しっかり差したつもりの電源プラグが奥まで入ってなかったり、コードが引っ張られるなどでゆるんでしまうと、コンセントと電源プラグとの間に隙間が生じます。その隙間に、子どもが金物類を入れてしまうのです。

実際にあったコンセントによる感電事故

「突然バーンと音がして、焦げ臭いにおいがしたので見てみると、子どもが尻もちをついた様子だった。右手に金属製のおもちゃのネックレスを持っており、一部が焦げていた。手と顔の皮膚の一部がただれるやけどを負ったが、不整脈などは見られなかった。コンセントとプラグの隙間にチェーンを巻き付けて遊んでいたようだ。」(4歳)

消費者庁「Vol.568 コンセントでの感電事故に注意!」より

この事例では、幸い心電図などに異常はありませんでしたが、状況によっては電気が心臓を流れる可能性も十分にあります。コンセントによる感電は非常に危険な事故なのです。

よだれで濡れている手は電気を通しやすい

赤ちゃんや小さな子どもは指しゃぶりをします。それ自体は年齢や状況によって当たり前のことですが、問題なのは、その濡れた指でコンセントを触ったり、先ほどのような金物類をもってコンセントに触れることです。濡れた手は電気を通しやすい状態なのです。

身近なスマホの充電器を例に考えてみましょう。子どもが電源プラグの部分をよだれで濡れた手で持ち、大人の真似をしてコンセントに差そうとするとどうなるでしょう。このような行為は非常に危険です。

コンセントの感電事故を防ぐ3つの対策~コンセントを隠すだけでは防げない?!~

では、どのようにしたらコンセントによる感電事故を防ぐことができるのでしょうか。

考えられる3つの対策をお伝えします

対策1 コンセントによる感電の危険性を大人が認識し、しっかり子どもに教える

1つ目の対策は「子どものまわりにいる大人が、コンセントの危険性を認識すること」です。「何がどうして危険なのか」がわからないと、事故を防ぐことは難しくなってしまいます。周りに小さなお子さんを育てている方がいる場合には、ぜひコンセントによる感電事故の危険性を教えてあげてほしいと思います。

真剣な表情で子どもの目を見て

大人が危険性を認識したら、当然それは子どもに教えなければいけません。「まだ小さいから教えてもわからないのでは?」と思う方がいるかもしれませんね。確かに、言葉の意味を理解できるようになるのは、ある程度の時間が必要ですし個人差もあります。

ですが、大人の表情や声の調子の違いは、たとえ赤ちゃんでも感じるものです。大人が真剣な表情で子どもの目を見て話すことは、小さな子どもであっても必要です。むしろ、小さいからこそ大人がしっかりと教えてあげることが大切です。

「まだ小さいからわからない」とあきらめず、むしろ「危険なことは小さいうちから繰り返し伝える」を意識して取り組んでいきましょう。

対策2 コンセントを塞ぐものをつける|子どもが外す可能性も視野に入れて選ぶ

2つ目は、ンセントの穴を隠すことです。

子どもは周りのものに興味をもちながら成長していきます。コンセントについても、大人がコンセントを抜き差しする行為を見ていれば、なおさらその場所に興味をもつ可能性もあります。(コンセントの抜き差しは、できれば「お子さんが見ていない時」を意識するのも、ひとつの事故防止策になります。)

店頭では、コンセントの穴に差し込んでコンセントを隠すキャップ式(コンセントキャップ)のほか、コンセント全体をすっぽり隠すカバー式(コンセントカバー)が売られています。

全体を隠すことができるコンセントカバーは安心ですが、商品によってはネジでの取り付けが必要な物もあります。一方、コンセントキャップは手軽に取り付けが可能ですが、子どもが容易に外すことができる物もあるため、注意が必要です。

コンセントキャップは目立たず外しにくいものを

コンセントキャップは、色も形もさまざまな物がありますが、選ぶときはできるだけシンプルなものが良いでしょう。それは「コンセントキャップを飲み込む危険性」があるためです。

海外では、子どもでも外すことが可能で誤飲の危険があるという理由から、コンセントキャップは使うべきではない、としている国もあります。

日本では、東京都が0歳から2歳の子どもを対象に、「いたずら防止用コンセントキャップに関する調査」をおこない、結果を公表しています。調査では、種類の異なるコンセントキャップの「形」「デザイン」「色」それぞれに対して、子どもがキャップを取り外す様子や興味の示し方を調べました。

その結果、すべての年齢で取り外すことができた商品もあり、なかには30秒もかからずに取り外された物もありました。また、目立つデザインや明るい色に興味を示すこともわかりました

東京くらしWEB「いたずら防止用コンセントキャップに関する調査」より

これらをふまえると、「コンセントキャップをつけたからもう安心」と過信せず子どもに危険性を教えつつ、子どもの様子には気を配る必要がありますね。ですが、常に見ていることができない時もあるでしょう。そのような時には、「ここなら危ない物はない」という安全スペースをつくるのもひとつの方法ですね。危険がある場所には「近づかせない」ようにしましょう。

対策3 子どもの手が届くところに金物類は置かない

くり返しになりますが、コンセントに差し込んだ電源プラグがゆるみ、そこにできた隙間部分に子どもが金物類を入れることで感電することがあります。

このような事故を防ぐには「電源プラグがゆるんでいないか日々確認する」とともに、「キーチェーンなどの金物類は、「子どもが手に取れない場所におく」ことです。子どもは日々成長しているので「この前までは届かなかったのに・・・」ということにならないよう、保管場所を考えてみてくださいね。

身近にある金物類の例

  • キーチェーン
  • お金(硬貨)
  • ヘアピン
  • 装飾用針金モール
  • クリップ
  • アルミニウムはく
  • はさみ

身近にある金物類のなかには、誤飲など感電以外の危険がある物もあります。トイレットペーパーの芯に入る大きさ(直径約4㎝)の物は子どもの口に入るため、誤飲の危険があるとされています。合わせて注意が必要ですね。

まとめ ~消費者庁が提供する「子どもを事故から守るための情報」~

子どもは周りのさまざまな物に興味をもちながら成長していきます。それは当たり前のことですが、その興味が危険な物にも向かってしまうことに注意が必要です。

コンセントは家庭内に必ずあるもので、なくすことはできません。そのため、コンセントによる感電事故の原因を大人がしっかり認識したうえで、事故を防ぐための対策を取ることが必要です。

家庭内には、コンセントのほかにも危険な物や場所はあります。同じように、その危険性を認識して防止策を取っていきましょう。

消費者庁では、子どもを事故から守るための情報提供をおこなっています。

消費者庁による情報提供

・「子どもの事故防止ハンドブック」 0歳から6歳の子どもに起こりやすい事故について、予防法と対処のポイントがまとめられています。

「子ども安全メール」 事故を防ぐための注意点や豆知識をメール配信しています。

・twitter「消費者庁 子どもを事故から守る!」 小学生も含む子どもの事故防止に役立つ情報を発信しています。

これらの情報もぜひ参考にしながら、子どもを事故から守っていきましょう

【参考文献】

消費者庁「Vol.568 コンセントでの感電事故に注意!」https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kouhouka/pdf/290614.pdf

東京くらしWEB「Kunによる子供の感電に注意!」https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/attention/kigai_konsento_201911.html

東京くらしWEB「いたずら防止用コンセントキャップに関する調査」https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/cap_press.html

いしゃまち「感電は命の危険も!体に与える影響や対策を紹介」https://www.ishamachi.com/?p=49924

東京消防庁「こどもの電撃熱傷を伴う火災に注意して!! ~ コンセントや差込みプラグで遊んでいませんか? ~ 」https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kouhouka/pdf/290614.pdf

消費者庁 twitter「子どもを事故から守る!」https://twitter.com/caa_kodomo

消費者庁「メール配信登録、解除のご案内とメール利用に当たっての注意点」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/attention/

(以上)

備えておこう!おすすめの防災グッズ

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
詳しいプロフィールはこちら

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