「こたつで火事になるってどういうこと?!」とイメージできないかもしれませんね。
こたつは電気ストーブと違って、熱源を常に目視しているわけではないので、火事への注意も薄れがちです。
この記事では、こたつで火事が起きる原因、ヒーターの種類、消火用品・防炎製品についてお伝えします。
今年の冬は、こたつを点検して安全な冬をお過ごしくださいね。
こたつの火事の原因は身近な物にある~動画で見てみよう~
消費者庁のサイトによると、平成26年から平成30年の5年間で、電気こたつの火災は192件発生しています。火事は、燃えるもの「可燃物」がなければ起きません。
まずはじめに、こたつの火事は何が可燃物となるのか、つまり「火事の原因」についてお伝えします。実際の映像を見るとイメージしやすいので、参考となる動画のURLも掲載します。
「つい、やってしまう!」ということがあるかもしれません。思い当たることがないか、動画を見て確認してみましょう。
洗濯物|こたつの中に入れて乾かしていませんか?
洗濯物をこたつの中に入れて、乾かそうとしたこと、あるのではないでしょうか?
こたつの暖かさが身にしみる季節は、外に干した洗濯物が乾きにくいことも多いですよね。こたつの火事では、この「洗濯物」が「可燃物」になってしまうのです。
【参考動画】nite(製品評価技術基盤機構):製品安全 こたつ「2.洗濯物の発火」https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190102.html
映像では、洗濯物がヒーター面に当たり、火が発生しています。仮に、少しの洗濯物であっても、家族が無意識に洗濯物を押しやり、ヒーターに当たってしまうという可能性もあります。
この動画では、中に入れた洗濯物だけが燃焼していますが、その炎がこたつ布団に燃え広がり火事になったケースもあります。
電源コードの断線|ぐるぐる巻きにしていませんか?
こたつのコードは、見えていますか?コードが、こたつ布団の中に隠れているときは、特に注意が必要です。
コードが、こたつの足に踏まれていないでしょうか?あるいは、こたつを使わない期間、コードをぐるぐる巻きにして保管していませんでしたか?
いずれも、コードが断線しそこから火事へと発展してしまう危険性があります。より怖いことに、断線しているかどうかは見た目でわからないこともあります。
コードは、ぐるぐる巻きにせず、上にこたつの足など物が乗っていないか、日頃から気をつけましょう。
【参考動画】nite(製品評価技術基盤機構):製品安全 こたつ「3.電源コードの発火」 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190103.html
座椅子・座布団|こたつから出るとき中に押し込んでいませんか?
こたつに座椅子や座布団を使っている方はご注意ください。座椅子、座布団を中に入れた際、こたつ布団が一緒に中に押し込まれ、ヒーターにあたり続ける危険性があります。
座椅子を中にいれるのは、無意識レベルでやっていることも多いかもしれません。この機会に、一度自分の行為を振り返ってみてはいかがでしょう。
【参考動画】nite(製品評価技術基盤機構):製品安全 こたつ「1.座椅子の押し込み」 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190101.html
これまで見たほかにも、「ヒーターについているホコリ」や「部品の経年劣化」が原因となることもあります。
こたつをつけたとき、焦げ臭い匂いがすることはありませんか?こたつが出ている季節には、ヒーター部分にも掃除機をかけることを意識すると良いですね。
次に、このヒーターについて、簡単に見てみましょう。
こたつのヒーターを交換して火事を防ごう|ヒーターの種類
長年使っているこたつの場合、ヒーターを新しい物に交換して火事を防ぐ方法もあります。こたつのヒーターは、主に3種類。それぞれ特徴があるので、ご自分の好みにあった物を選ぶのも良いですね。
石英管ヒーター|遠赤外線で体の芯からポカポカ
昔ながらのこたつと言えるのが、この石英管ヒーターを使用しているタイプです。遠赤外線によって、体の心までじんわりと暖かくなるのが魅力ですね。
一方で、ヒーター部分に物があたっていると火事の危険性があるので、注意しましょう。
ハロゲンヒーター|早く暖かくなりたい人にはおすすめ
見た目は石英管ヒーターと似ているのですが、ハロゲンヒーターは、即断性つまり早く暖まります。寒いとき、スイッチを入れてすぐに暖かくなるのは嬉しいですね。その分、電気代は高くなります。
こちらも、ヒーター部分に物があたっていると火事の危険性があるので、注意しましょう。
フラットヒーター|ムラなく温まり省エネ
フラットヒーターは、石英管ヒーターやハロゲンヒーターのような出っ張りがありません。天板の裏に、小さなホットカーペットが貼り付けてあるような感じです。
暖かさにムラがなく全体的に温まるので、人数が多いときにはより便利ですね。省エネタイプなのも特徴です。こたつの火事の危険性は、構造から見ると少ないですが、ゼロではありません。
また、コードが原因の火事もあることを、お忘れなく。
消火用品・防炎製品|火事による災害「火災」から身を守ろう
最後に、防炎商品をご紹介します。
火は一度発生すると「燃え広がる」という怖さがあります。火事という「火が出た」だけにとどまらず、大切な物そして命までも危険にさらされます。
「火事による災害」を起こさないよう、一人ひとりが注意するのはもちろん、防炎製品を取り入れてみては、いかがでしょう。
ファイヤーブランケット|防災用品としても役立つ
「ファイヤーブランケット」とは、火事の初期消火に使えるもので、火の上から被せて消火するというものです。
台所に、消火器ではなくファイヤーブランケットを備えている方もいるでしょう。
地震の二次災害による火事もあるので、防災用品として備えておくのもおすすめです。
防炎製品|日常使うものに取り入れてみる
火に強い製品、防炎製品があるのをご存知でしょうか?カーテンなどの購入時に、店員さんから説明を受けた方もいるかもしれませんね。
防炎とは「燃えにくい」製品のことです。決して「不燃・燃えない」ではないので、ご注意ください。「万が一、火がついても燃え広がらない」ということです。
ここでは、日本防炎協会の冊子『防炎製品いろいろ』から、いくつかご紹介します。
◆衣服類・・・パジャマ、エプロン、割烹着、アームカバー等
◆布団類・・・毛布、ベッドスプレッド、タオルケット 等
◆マット類 ・・・カーマット、キッチンマット、バスマット、祭壇マット、灰皿マット 等
身にまとう物を中心にご紹介しましたが、ほかにも「祭壇」や「防災頭巾」などもあります。『防炎製品いろいろ』では、一覧表にまとめられているので、どんな防炎製品があるか、わかりやすいですよ。
まとめ
火事はタバコの火、火の不始末など身近なことが原因でも起こります。実際に火を扱うときは注意をしていても、こたつのように熱源が見えにくいものは注意力が落ちがちです。
こたつの火事は防ぐことができます。
火災にならないように火事の原因を取り除き、安全に安心して寒い季節でも快適にお過ごしくださいね。
【参考文献 】
消費者庁「電気ストーブや電気こたつの火災に注意しましょう!-火を使わない電気ストーブや電気こたつでも火災が発生しています-」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_027/
nite(製品評価技術基盤機構)「01家電製品 ポスター」https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/index.html
日本防炎協会 https://www.jfra.or.jp/
日本防炎協会「防炎製品いろいろ」https://www.jfra.or.jp/member/pdf/seihin_pamphlet_etc.pdf
(以上)